厳しい試練
翌日。本当に履歴書を持ってきた俺に姫島は不愛想な態度で「なにが出来るんだ」と聞いてきたのだ。きっと軽い面接を行ってくれるようだ。しかし探偵事務所の面接だなんて何を答えれば正解なんだ。というかそもそもどんな質問がくるのか。難解さだけで言ったらグーグルの入社問題と一緒なんじゃないのか。……まあそりゃあないな。
「将来の夢――」
「はい?」
「今から五人。友人でも道端の人でもいいから将来の夢を聞いてこい。分かったな」
そういうことで俺は道行く人に将来の夢を聞く羽目になった。
人はみな俺のことを不審者を見るような目で見下だし、まともに取り合おうともしなかった。
これじゃあ駄目だ。頭を使わないと。
明晰な頭脳を回転させて導き出した答えが「道端アンケート作戦」だった。
将来の夢をアンケート方式で集計する。ポケットティッシュとかの餌で釣ればいいのだろうけれども。かく言ってもすぐに五人集まった。
事務所に戻ると姫島はショコラボンボンを食べていた。
「集めてきました」
ぱらぱらと姫島はアンケート調査用紙を見て、残念そうに溜息を吐いた。
「どうかしたんですか?」
「これは本当の将来の夢ではない。楽をするな!」
ぴしゃりとそう言われてお先真っ暗になった。




