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追 章  2- 11/11 高校一年生・独り語り

 駿一の独り語りは、ここまでです。

 色々な思いが駿一の目線でのみ書かれています。

 

 利沙の誘拐事件。

 いや、警備システム乗っ取り事件だ。


 利沙の才能が悪用され、億単位の額の宝石を強盗してしまった。


 その結果、利沙は少年院に。

 きっかけはともかく、ハッキングの事実は取り返しがつかなかった。


 そう、これが僕と利沙を引き離すきっかけともなった。


 両親はこれを機会に、利沙と決別すると決めた。

 もう、無理だと訴えて受理された。


 しかも、それに利沙まで同意したというのだから、驚いた。


 きっと、もう無理だとあきらめたんだろう。

 でも、僕は諦めたくなかった。

 だって、少年院を出てきたら、やっぱり一緒に住みたいじゃないか! 


 でも、それは言えなかった。


 その決断に至るまでに、やっぱり、すごく悩んだんだ。


 捜査員が、母を説得してた。

「どうか面会に行ってやってほしい」

 と。


 でも、行けなった。

 いや、行きたくなかったのかもしれない。


「自分が捨てた。と、言い聞かせに行くのか」


 と、言っていたからだ。

 やっぱり、両親も本心では、一緒にいたいんだろう。


 荷造りは丁寧に行われた。

 利沙の身の回りのものを一式。


 とても、愛おしそうに。


 そこまでするなら一緒に住もうって言えばいいのに。

 でも、このまま一緒に居ても、利沙のためにはならないと思ったんだ。


 一緒にいた結果が、少年院に入るような犯罪にまで手を出させたんだから、と。


 利沙を思い切って自分達から引き離した方が、きっと利沙のためになるんだ、と。


 その後、利沙の部屋を片づけていた。

 母は思い切り、模様替えをした。


 壁紙まで替えた。


 そこまでしてでも、罪悪感を少なくしたかったのだろう。

 でも、結局、誰も使っていないんだ。


 大人になった利沙が、いつ帰ってきてもいいように。

 ちょっと大人びたデザインに、部屋が一新していた。


 でも、困った事態になった。


 片づけている最中に、あの利沙の部屋から電源が入ったままのパソコンが出てきたんだ。


 まるで、気づいてほしくなかった、というように、ベッドに隠されていた。


 母は、それを警察に通報。引き渡した。


 それがきっと、利沙にまた試練を与えるだろう。


 でも、何もかもすっきりしてから、帰ってきてほしい。そう思っていた。


 でも、そうはいかないものなんだ。



 利沙は消えた。


 足跡を追って、施設を巡ったが会えなかった。

 担当の捜査員に尋ねると、もう国内にはいない。そう告げられた。


 そしてそれからは、利沙について何もなくなった。


 利沙がいたその形跡が、きれいになくなった。


 そして、僕は一人っ子になった。


 両親は喜んだ。

 これで司法関係の仕事に就けると。


 犯罪者がいる家庭からは、司法関係の職に就けない。


 それが、利沙が生まれた事実までが消えたため、僕は司法関係の仕事に就けるようになった。


 両親にとって、法学部出身で司法試験に合格した僕を、検事にしたかったらしい。

 でも、僕にはそういう気は、最初からなかった。


 両親の希望だから、司法試験を受けたんだ。

 別に落ちても良かったのに、合格した。

 勉強した結果なので、それはそれで嬉しかった。


 でも、それを仕事にするかどうかは、僕の自由だろう?



 利沙が好きだった公園がある。


 自宅の庭から見える、高台にある公園。


 ここは利沙がまだ小さい時、行ったんだ。

 ツツジが咲く季節に。


 でも、利沙は桜が咲く頃に来たかったみたいだった。

 さんざん言ってた。


「桜がない」


 でも、この公園、名前もそのまま「ツツジ公園」


 ツツジが有名な公園で、母が好きなツツジが、その名の通り、山のように咲いていた。

 でも、いつからだろう、行かなくなった。


 花の好きな母が、利沙が最初に逮捕された頃から、花の世話をしなくなった。

 出来なくなった。

 そんな余裕がなかったのだろう。


 母は、強い人ではない。

 一番傷ついていたのは、母だ。


 僕は、利沙が恨めしくなる。

 だって、近くにいる僕より、利沙を思っていたんだから。


 なのに、それを言いたくても、その本人がいない。


 だから、僕は桜の咲く季節になると、あの公園に行くんだ。

 利沙に見れない桜を、僕が思い切り見てるんだ。


「羨ましいだろう!」


 どうでしょう、駿一からのみですが、なんとなくでも、家族の関係についてご理解いただけたらと思います。

 この後は、また、独り語りです。誰かは、……。

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