臭すぎる
キャットは食べていた。
腹に詰め込むように食べていた。
「おいしいにゃ!おいしすぎるにゃっ」
「いっぱい食べるね。いいことだ」
テーブルの上にはお茶菓子ではなく、本格的な料理が用意されていた。
鶏肉に山菜を添えているって言ったらいいのか……おそらく、ソテーのような物。
グラタンみたいな、料理に……
スープに、パン。
「軽食しか用意できなかったが。いっぱい食べてくれ」
そう言ってディラはニコニコと笑顔で話した。
「あ、ありがとうですにゃ!」
「……全く、ガッツくなんて。もぐもぐ。はしたないんじゃないかな。もぎゅもぎゅ」
そもそも喋りながら食べるのははしたないんだから僕みたいに……美味しい。
肉はジューシーだし。程よく酸味がある。
グラタンみたいなのも、熱々でお腹にたまる。
スープだって、喉を伝って胃に伝わるのを感じる。
何ていうか、体が喜んでる気が……
これが、体が栄養を求めるってことか。
「それにしても、いいね君たち二人……」
ふとディラを見ると、彼はスッとキャットのそばへ近づいていた。
「体つき、髪質……見た目……すべてが完璧だ。素晴らしい、素晴らしいよ」
「ん……んにゃっ!?」
もぐもぐ食べてたキャットはびっくりして、尻尾がビクッと動いた。
「冒険者にしておくのがもったいない……」
「そ、そうですかにゃ?」
そう言って、真っ赤になったキャットは「えへへ~」とほほを緩ませていた。
……僕の眷族なのに。ま、別に構わないけど?もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ
構わないけど?カチャカチャカチャカチャ
「ああ、君みたいな子は……いや、ともかくだ」
彼は、ペロッと唇を舐めた。
「是非、このまま屋敷にいてほしいものだよ」
「にゃ、にゃ……??」
「本当に美しい……匂いも……ん?」
そう言って首筋へと顔を近づけた彼は固まった。
「ど、どうかしましたかにゃ?くすぐったい……」
ディラはバッと後ろに飛びのいた。
「臭すぎるぞっお前っ」
そう言ってディラは鼻を押さえて苦悶の表情を浮かべた。
「まるでドブが腐ったような匂いがするぞっ!」
「ひどすぎるにゃっ!?」
そう言ってキャットはガーンと泣きそうな顔になっていた。
「まあ、キャット下水で転んだし」
「下水だとっ!貴様ら一体……ええい!とりあえずだ!」
そういうと、ディラは叫んだ。
「メイド!こいつらを、風呂に入れさせろ!臭くてたまらんっ!」
「は、分かりました……」
そういうとメイドさんはキャットの椅子を引いた。
「行ってらっしゃい、もぐもぐ」
そう言って僕は手を振った。
「貴様もだっ!下水何て汚い……さっさと風呂に連れていけ!」
「え?」
「お連れします……」
そう言って、メイドさんに抱きかかえられた僕はキャット共に風呂場へと連れていかれるのだった。
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