恥ずかしがりやな猫耳少女(普通の反応)
地底湖のほとりで、僕と猫耳少女は……ちょっと距離取って座っていた。
「……あのー」
「にゃっ……シャー!」
距離を詰めようとする僕に対して、彼女は、太ももを隠すようにして距離を取った。
「なんで逃げるのさ」
僕がそう問うと、
「おま……考えてもみろにゃ!あたりまえにゃ!」
そう言われ考えるが、思い浮かばない。
「うーん、僕何かやったかな?はて?」
「お前本気で言ってるにゃ!?あんな、あんなっ……」
そう言うと、彼女はわなわな震えて、顔を赤くした。
「ただ、太ももに顔を埋めて股間の匂いかいでただけじゃん」
「言葉にするな馬鹿――!!」
そう言って彼女は耳をギャーと塞ぐ。
「凄い、良い匂いでした。なんていうかしおっけのある、ちょっと夏場の汗……」
「ぎゃああああ!!いうにゃ馬鹿あああ!!」
「いてっ……石投げるのは良くないと思うんだけど……」
「お前が悪いにゃ!」
酷い子だ。全く……そう思って僕は頭をさする……ちょっとたん瘤出来たかも?
「まあ、いいや。それよりさー」
「それよりで流せるかー!」
「ここ何処だろうね?」
「スルーするにゃ!!」
周りを改めて見回してみれば……うーん、最初と違ってきづくものはこれと言ってない。
壁から突き出すクリスタルと、透明な湖……湖の中を良くのぞき込んでみれば、奥の方に白い砂利や石が敷き詰められてるのが見える。
「綺麗だよねー」
「そうだにゃー……って、なんか凄いペースに流されてる気がするにゃっ」
そんな会話をしながらよく覗いてみていた時、ふと湖の奥の方にある物が目についた。
何だろうと思いながら、ジーっと見て見ればそれが何か分かった。
白く長い、棒のような物、小石のような白い破片……そして、白く円形の穴の開いた物。
「……んーなんだろ、気のせいじゃなければなんだけどさ。あれって人骨だよね?」
「へ?あ、ほんとにゃ人骨……人骨――――⁉」
そう言った猫耳少女は「ぎにゃー」と叫んで、僕に抱き着いてきた。
その豊満な胸が僕の顔にあたって、なんていうか凄い素晴らしいですね。
「……すー、ふわふわで凄い良い」
「はっ⁉お前なんでニャーの胸に顔埋めてるにゃ!?」
「君が抱き着いてきたんでしょ」
「は、そうだった……離れろにゃ!」
そう言うが、彼女の手に力がこもったまんまだし、僕は離れる気が無いので離れられない。
「はっ⁉にゃーが離れれば解決する……」
「ほら見て」
「なんにゃ?」
「人骨」
「ぎにゃーー!人骨、人骨怖いにゃぁああ!」
そう言って離れようとした彼女はまた引っ付いてきた。
至福とはこのことなんだろう。ただ問題は、皮の鎧のごわごわ感が凄いってことと、金属部品がちょっと痛いってこと、それと、目の前で人骨と共にもりあがる湖……ん?
「あれ?おかしいな、ねえ、あー……ねえ、君はなんていう名前?」
「ほへ?にゃーは、キャシー・ニャシーにゃ。親しい人からはキャットって呼ばれて……何でにゃーは律儀に答えてるにゃ!?」
「そっかー……ねえキャット~後ろ見てくれない?」
「後ろって、人骨がある湖が広がってるのは分かってるにゃ!怖いからいやにゃ!」
そう言って、ぎゅっと固く目を閉じるキャット。
その間も、湖は大きくせりあがっているし、なんか所々から触手みたいなのが生えてるような気がする。
「あー、うん。まあ、それはそうなんだけどさー……うーん、あっ。みて!大きな魚が泳いでる!」
「本当かにゃ!?……って、なんじゃこにゃーー!」
ようやく振り返ったキャットは、せりあがる湖を見て今日何度目か分からない叫び声をあげたのだった。




