桃色の髪の少女と、痴女
ギルドの中は、黒く焦げていた。
「ライト」
何人かが明かりの魔法を使ってくれているが、夜の暗闇と黒い室内で殆ど見えない。
「何となく、うっすら思ってはいたが……これじゃ、流石に調べるのは厳しいな」
「そう……待ってください」
ガンツの言葉にうなずきかけたリュウは、他の場所より破壊の跡がある場所に目を向けた。
「ここ、この部屋だけ異様に破壊の跡が酷くないですか?」
「本当だな。確かに他は焦げてるだけなのに、ここだけ破壊されて……」
「ここって、何の部屋だったんですか?」
リュウが問いかけると、ガンツは「待てよ。少し思い出すから」と考え……
「そうだ、ここは商人から仕入れた物品を保管しておく倉庫だったな……酒場で使う食材を置いておく部屋だったはずだ」
「商人から仕入れた……成程。その物品が怪しいですね」
そういうとリュウはちらりと見る。
「入口に近い場所に爆破痕がありますね……という事は、最近仕入れたものが怪しいんじゃ?最近何を仕入れました?」
「え?最近……そういえば今日、新しい香辛料を仕入れてたな」
「香辛料?」
「ああ、砂漠の商人からブラックペッパーをな」
そう言われリュウは考える。
ブラックペッパー。
特におかしなことはないだろう。
量も、多いと思うかもしれないが、食べ物……それを肉ばかり食べる冒険者たち専門の酒場ならおかしくない。
「ブラックペッパー……黒色の粉……もしかして、あの、ガンツさん。それ本当にブラックペッパーでした?」
「え?何を言ってるんだ、ブラックペッパーに決まってる……だろ?」
「食べてみました?確認は?匂いは?」
「リュウお前何言って……まさか⁉」
そう言ってガンツはハッとした。
「それもしかして、火薬……爆発物の可能性があったんじゃないですか?」
そう言われ、ガンツはすぐに「あり得ない!」と返した。
「そんなこと、そもそも街に入るときは守衛の検査があるんだぞ?最近は、お前も知っての通り野良転生者騒ぎがあって、更に厳しくなっている……それを欺くなんて」
「ブラックペッパー……胡椒は貴重品です。守衛が調べるのを躊躇してしまうのも無理はないかと」
「それは……」
実際は、既婚者にセクハラをかまされ、それを見かねた先輩兵士がさっさと検査を終えたということが真相であるが……
「とりあえず、その商人が怪しいです。一度探してみましょう」
「そうだな。こんな夜更けだ。もしかしたら、まだこの町にいるかもしれん……兵士たちに伝達を!街の外へ出さぬように!」
そう言ってガンツが言うと、「あ、すみません!」とリュウが口をはさんだ。
「なんだ?」
「もう一つ、追加で兵士たちに伝令を……桃色の髪の少女と猫耳の痴女のコンビも入れておいてください」
そう言ったリュウの言葉に少し「桃色の髪の少女と、痴女?」と戸惑いながらも、ガンツは伝令を頼んだのだった。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
面白かった、続きが気になると思っていただけたら、ブックマークや評価をしていただけると嬉しいです!
コメントも気軽にいただけると励みになります!
応援をいただけると、更新速度が上がる……かもしれません!
今後ともよろしくお願いします!




