冒険者ギルド
火は消し止めれた。
だがしかし、いったいなぜ発火したのか。
それは分からない。
それに……
「流石です!リュウさん!これが転生者の力なんですね!」
「え、ああ。そうだね」
そう言って目を輝かせるロゼッタに笑顔を向けたリュウの元へ、様々な人が押し寄せてきた。
「すげぇな。兄ちゃん」
「なんだありゃ!魔法なのか?」
「馬鹿、魔法じゃねえよ。あいつはあれだ、転生者の【釣り師】リュウだ。転生者のとんでも能力だろ」
「それはそれとしてだ、本当、ありがとう!助かった」
そう言って各々感謝や、羨望の眼差しを向けられ、リュウは軽く笑いながら「当然のことしたまでですよ」と言う。
「リュウさん貴方は英雄ですよ。ありがとうございます!」
「英雄って、ただ火事を一つ消しただけだよ……英雄何てとんでもない」
「謙遜するなよ、全く転生者様は欲がないってのは聞いてたが貰っとけ。正当な評価だ」
そう言って歩いてきたところどころ焦げた男を見て、リュウは「ガンツさん!」と名前を呼んだ。
「ガンツさんも無事だったんですね」
「ああ、ギルド長室で仮眠取ってたらいきなり爆発したからビビったが、どうにかな」
「ギルド長が炎で逃げ場を失った私たちを助けてくれたんですよ……いなかったらどうなってたことか……」
「そうだったんですね。やりますねガンツさん」
「ま、部下を守るのは当然の義務だからな……それはそれとして……」
そう言ってガンツ……この町のギルド長。ガンツは真面目な顔になった。
「お前、リュウ。これは一体どういうことだと思う?」
「どういう事とは?」
「狙いだよ。ギルドってのは待ちの中でも主要な施設だ。何故狙われたか……」
「それは……分からないですね。そもそも何で爆発が起こったか」
そうリュウが言うと、ガンツも「そうだな」と頷いた。
「一度、中を調べてみますか。何処から爆発したか、何が爆発したか手掛かりがあるかもしれません」
「そうだな」
そう言ってガンツもうなずく。
……チラッと、リュウは路地裏らを見る。
――シノブ……あの転生者を追わなくてはいけない。というのはそうんだが、今回の爆発は何か引っかかる。ちょうど俺が彼を襲っているときに、しかもまるでこちらに注意を引くかのような大爆発。
「……もし仮に、今俺が考えてることが正しいとするなら」
「どうしたんだ?ぶつぶつ呟いて」
「あ、いえ何でもないです」
俺が考えてる事。それは、この爆発が彼を逃がすための囮であり……冒険者ギルドの足を潰すための犯行だとしたら……
「……この町に彼の協力者が潜んでる可能性がある」
それも、街中での爆発を平気で行う、危険な存在が。
不気味なまでに人を人とも思わないようなあの化物だ。
そんな部下がいてもおかしくない。
リュウは気を引き締めて、ガンツと共に燃えたギルドの中へと足を踏み入れたのだった。
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