ドーン
転移した先は、まだ路地裏だった。
目の前の段差に座るキャットを見た僕は、スッと手を差し伸べる。
「さ、行こうか?」
キャットはにっこり笑みを浮かべた――あと、一瞬で般若の顔になった。
「断るにゃ!」
「何故?」
「ったりまえにゃ!これ以上お前と関わってるとにゃーが死ぬにゃ!」
「死んでないじゃん」
「死にかけたにゃ!」
そう言って彼女は睨んできたが。
まあいいや。
「それにしたって、本当困っちゃうよね。いきなり襲い掛かってきて………ちょっと、いて、あー腕すりむいちゃってるよ」
そう言ってチラッと見る。
ま、唾つけとけば治るかな?
「で?僕と関わってると死ぬって?それって、野良転生者って奴がかかわってきてるのかい?」
「そうにゃっ、野良転生者に深くかかわった人間は抹殺対象。にゃーだって今は危ない状況なのにゃっ!」
ふーん。
とことんやる感じか。
野良転生者は、核爆弾が服を着て歩く程度の存在だから……
ま、そんな奴に近づく時点で相応にヤバい奴って判定なのかな?
そう言う事かな?
分からないけど、けどまあとりあえず……
「そう、じゃあもう一蓮托生だ」
「一蓮托生したくないにゃ!断るにゃ!」
「無理だよ」
だってさ……
「僕と君は主人と眷族の関係だ。これが深くない関わりと言えるのかい?」
「それでもにゃっ、話せばきっとっ……」
「問答無用で殺そうとしてくる奴だよ?話が通じると思ってるの?」
「それは、そうにゃけど……」
「諦めなよ」
少しづつ月明かりが差し込んで明るくなっていく路地裏で。
僕はキャットの目を見た。
「もう君は僕と関わったんだ。出会ってしまったんだ。この僕と」
僕は改めてキャットに手を差し伸べる。
「もう運命からは逃げられないんだ」
赤い目を細めて僕はニヒルに笑った。
「そんにゃ運命……認めないにゃ」
「認めたくなくても、認めるべき、ん?」
そう言ったところで僕は首筋に微細な引っ張られる感覚を覚えた。
「何だろ?」
そう思って振り返ると、そこには細いけど、よく見ればわかる透明な糸……
糸ぉ⁉
はっとして首筋に手を当てる。
「首……まだ繋がってる!?」
首筋から伸びる糸を見つけた僕は、流石に焦った。
「まさか……転移使っても外れない……外れないってことは……」
少しづつ張っていく糸を見て僕は察した。
「そうだよねっ⁉釣られそうになるよねっ!」
そう言って近くにあった物に急いで抱き着いた。
「おみゃえ!にゃーにだきつくにゃっ!」
「抱き着くよっつられたくないもんっ!」
「にゃーは嫌にゃっ!逃げるにゃ!」
割っちゃわっちゃしている間も、張られていく糸を見て、冷や汗をかきかけたその瞬間。
””ドーーーーーン””
と、静かな夜に爆音と、夜をかき消す炎の明かりが立ち上った。
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