呪いの装備
ガラガラと走らせた馬車は、大通りから路地裏へと入り、少し奥まった場所で止まった。
「……さて、ここまで送ったらもういいんじゃないかな?お二人さん?」
そう言ってラシットは僕たちに話しかけた。
「え~」
「私も、仕事があるからねぇ……凄い、すっごい心が痛いけど、ここでお別れなんだ」
そう言ってラシットは僕の頭をなでた。
「ま、またどこかできっと会えるだろうからさ、そん時はよろしく頼むよ?少年?」
「分かったよ、しょうがないな~」
少し残念そうにしながら、ラシットのおっぱいを見た。
「はは!君はぶれないね!」
「僕はボクだからね。自分の心には正直に生きたいのさ」
そう答えると、ラシットは何処か満足そうな笑顔を見せた。
「キャットちゃんも、元気にやるんだよ」
「うぅ……元気、にゃーの明日は何処に……」
「明日は身構えなくても来るものさ!」
「そりゃくるだろうけど~」
キャットはそう言ってしょぼんと肩を落とした。
「とりあえず、この格好をどうにか……にゃー、なんか布一枚とか貰えにゃいか?マントみたいな……そう言うのがあったらほしいにゃが……」
「ただでもらおうっていうのかい?それを?」
「うぅ、お金がにゃくて……」
「全く、誰に向かって言ってるんだい?私は商人だよ。ただで物を譲るわけ……」
「やっぱそうだよにゃ……」
そう言ってしょぼんとキャットが肩を落としたと思ったら。
「無いけど今回だけ特別だ!譲ってやろう!」
「へ⁉ほんとかにゃ!」
「ああ、知り合った何かの縁だ!そこの箱の中から、一着あげようじゃないか!」
そう言ってラシットが親指で指さした先には、三つの箱が並べられていたのだった。
■■■
「よし、こんなもんでどうだい?」
キャットと僕と、ラシットの三人は馬車の外に立っていた
「うん、いいと思う」
そう言って僕は頷いた。
さっきまで来ていたぶかぶかの上着は脱いだ。
代わりに今着ているのは、僕の体に合った革製の服だ。
へそがはみ出る、白いシャツに、皮のベストを身に着け、ズボンは短い……キャットが最初着ていた物より長いが、短めの短パンと、足に巻いたベルトで固定したナイフ。そして靴は革製の丈夫な物になった。
「……ちょっと、露出多くない?」
「お前!私の事見てから言えにゃ!」
そう言って叫んだキャットの服は相も変わらない、ビキニアーマー姿だった。
「いやーまさか着せた服が片っ端から燃え落ちるとはね。予想外だよ予想外」
「のろいにゃ!呪いの装備にゃ!間違いにゃく!」
そう言ってキャットは「にゃおー!」と頭を抱えたのだった。




