ダンジョンと宝箱
入っていた服を着てみたが、大き目な気がする。
ダボっとしていて、僕の体系だと、腰の下まで隠れるくらい上の服は長い。
ズボンはズボンで少し大き目で、ゴム何てないから普通に履いてると直ぐにずれ落ちそうだ。
とりあえず、横をちょっと結んで……なんて器用なことはできないから、一旦放置しよう。
上の服で大事なところは隠れてるし、いいだろう。
デザインとしては、何ていうかTシャツみたいな感じ。材質は、何だろう?現代社会では触れたことない材質だ。麻……という物かもしれない?
分からないけど。
「……って、お前何勝手に着てるにゃ!?」
「……え?いいでしょ?」
「駄目に決まってるにゃっ!」
そういうとキャットはびしっと指さした。
「ダンジョンで倒した魔物からドロップした宝箱の所有権は、倒した人間に認められてるにゃ!常識にゃ!」
「へーそうなんだ」
「そうにゃ!大体からして、サイズも倒したみゃーのサイズに合わせたものが落ちるから、お前には合わないはずにゃ!」
「なるほどー」
だから、サイズ大きいんだ。
……っていうか、宝箱級に現れたと思ったけどドロップアイテムだったんだねぇ。
ダンジョンとも言ってたし……
「え?ここダンジョンなんだ」
「そうにゃよ!ドロップアイテムがあるならダンジョンに決まってるにゃ!」
「へぇ~」
「へぇ~……って、お前。もしかして何も知らないにゃ?」
そう尋ねられるが、まあそうだ。
「知ってるか知らないかで言うと、知らないね」
「お前、常識何処置いてきたにゃ」
「うーん、何処かと言われると、前世かな~たぶん?」
「そういえばお前転生者だったにゃ」
そういうと、キャットはあきれたような顔をした。
「まあそれはどうでもいいことにゃ。とりあえず、服かえせにゃ。それはスライムを倒したにゃーの物にゃ」
「えー」
「えーじゃないにゃ!」
「そうは言ってもさ、きみに服渡しても着れないじゃん」
そういうとキャットはきょとんとした顔をした。
「へ?どういう事にゃ?」
「【鎧と眷族】にて眷族になった対象は、スキル対象の鎧しか着ることができない……って、言ってなかったっけ?」
そういうと、彼女は首を傾げ、顎をひねり、うわの空で考え……
「お前何してくれてるにゃ!?」
「まあなっちゃったものは仕方ないじゃないか」
「仕方なくないにゃっ!」
そう言って絶望した顔をするキャット。
「あ、そうそう」
「まだ何かあるにゃ!?」
「その鎧、脱げないから」
「脱げっ……へ?」
そう言われ、キャットはさらに青ざめた。
「脱げない、脱げないってどういう事にゃ?へ?」
そう言って彼女は、目の前に僕がいるにも関わらず、鎧を脱ごうとした。
が、まったく脱げない様子だ。
「にゃ、にゃんか、凄い引っ付いて離れないにゃっ!いや、離れないというより、そこに確かにあるはずにゃのに、なんか体の一部みたいになって……全く脱げないにゃっ!なんてことしてくれるにゃっ!?」
そう言って焦るキャットだが。
まあ、うん。
「仕方ないよ」
「仕方ないで済ませられることじゃないにゃっ……これ、もしかしなくても、一生にゃーって……」
「今のところはそうなるかな?」
「にゃあああーーーー!!」
キャットは絶望の声を上げたのだった。




