四天王を仲間にする
「ハイどうもー、綾崎紅葉です!」
部屋の扉を蹴り破ってモミジが四天王の部屋に入っていく
「えー、今日はですねー、この国の四天王と呼ばれている異世界人をぶっ倒していきたいと思いまーす」
モミジが高らかに宣言する。
後ろにはコロンとシャウラも控えている。
迎え撃つ四天王は、慌てる様子はない。
「ようこそ、歓迎するよ。クオーツ王国の異世界人。君がここに来ると知ってから今に至るまで5分。それだけあれば、君という脅威に対処する術を考える時間は十分だった」
四天王を統べる青年が3枚の羊皮紙を差し出す。
「さて、この紙が何か知っているかな?」
「その紙は……!」
コロンが息を呑む。
「モミジ様、あれは“代理戦争離脱宣言書”です! あの紙にサインすると、他の異世界人と戦わなくても代理戦争から抜けることができるのです」
「ほうほう。それで、なんのいいことがあるの?」
「異世界人の能力を失うのは、他の異世界人と戦って負けた時だけです。つまり、異世界人としての能力を持ったまま代理戦争を抜けることができるのです」
「その通り。さすがクオーツ王国の第3王女様。しっかり勉強している」
青年が眼鏡をクイっとあげる。
「で、そんなもの持ってきてどうするつもり?」
モミジが拳を握りながら青年に近づいていく。怪しい動きを見せたら即顔面を殴り飛ばすつもりだ。
一方、青年の顔には全く焦りがない。
「どうするかだって? 決まっている、こうするのさ!」
青年は、“代理戦争離脱宣言書”に自分の名前を書いた。
「へ?」
残りの2人の四天王も、持っていた“代理戦争離脱宣言書”にサインしていく。
「そう、これが我々の答えだ……降参する! なのでどうか我々を、あなた達の国で雇って欲しい!」
四天王達が揃って深々とモミジ達に向かって頭を下げた。
「……へ?」
「簡単なことだ。戦っては我々には勝ち目がない。しかし負ければ能力を失い、他の一般市民と同じように自分で働いて稼いで生きていくしかなくなる。それはごめんだ」
青年が得意げに説明する。
「故に降参して、異世界人の能力を活かして働いて生きていくのが最も賢い選択であると言える。そしてもうこの国の大臣と合わせる顔がないので、君の国で雇って欲しい」
「な、なるほど確かにそれは賢い選択かもしれませんね……」
「自分で言うのもなんだが、我々の能力は戦闘では使い辛いところはある分国を発展させるのには役立つぞ」
それを聞いてコロンが笑顔になる。
「願ったり叶ったりです! モミジ様もそれでいいですよね?」
「いいよー。戦わなくていいならなんでもいい」
モミジがうなづく。
「では、この国の異世界人もこうして全員無力化したことですし、一度この人達も連れてクオーツ王国に帰りましょう!」
四天王がこれまでに倒していた異世界人は37人。モミジがこれまで倒した異世界人は4人。仲間になった四天王3人を含めて、これまで44人の異世界人を無力化したことになる。
残る異世界人は55人となった。
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