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Aランク能力異世界人を圧倒する

「「ごちそうさまでしたー!」」


 夜、トパーズ王国のとある大通り。

 

 ここには魔法による街灯が配備され、夜でも明るい。人の通りも少なくない。通りに面した料亭や酒場は昼間以上に活気があるほどだ。


 タイラントアリゲーターの素材のお金が入ったので奮発して周りよりワンランク高い店で夕食を取ったモミジとコロンは、満足そうな表情で店から出てきた。


「美味しかったねぇ。また来たいな」


「はい、旅の途中でまたこの街に寄ることもあるでしょうし、また来ましょう!」


 宿へと向かう2人の足取りは軽い。


 だが、突然モミジが振り返る。モミジの視線の先には、ガリエーが不敵な笑みを浮かべて立っていた。隣にはモミジと一緒にこの世界に召喚された男もいる。


「……ガリエー、今度は私に何の用かな? 異世界人リセマラの期限はもう切れてるから、私をいまさら殺しても大して意味なんてないと思うんだけど? それとも羊羹でも持って先日のことを謝りに来たのかな?」


 モミジは盾と籠手を装備して、いつでも戦闘に移れる状態だ。


「はっはっは。本当に毎回むかつく事です。なにをしに来たって? 当然貴方様の息の根を止めるために来たのです。確かに異世界人の召喚のやり直しは出来ません。ですが、我が国の代表をFランク異世界人に倒されたとあっては我が国の誇りが傷つくのですよ!」


 モミジと一緒にエメラルド王国に召喚された男が前に歩み出る。


 年は30台半ばといったところか。人を傷つけることに躊躇いがない、残忍な笑みを浮かべている。


「俺の名は伊集院(いじゅういん) シュウジ。能力は知ってるよな? Aランク【生命創造(炎)】。二階堂には勝てたらしいが、俺はアイツよりも倍以上強いぜ」


「二階堂より2、3倍強い程度なら大したことないんじゃない?」


「生意気な事言いやがる、Fランク能力者の分際でよぉ!」


 伊集院が心の底からおかしいと言わんばかりに大笑いする。


「んじゃ、早速始めようぜ!」


 伊集院の手に、青い炎が出現する。


 握り拳程の大きさしかないが、通り全体の気温を一気に上げるほどの熱を放っている。


「あれは、炎属性魔法でしょうか……? 凄まじい威力を秘めているのが分かります」


「まだまだ、俺の能力はこんなもんじゃないぜ。蒼炎属性魔法・中位【火炎鷹(ブレイズイーグル)】」


 炎がさらに膨れ上がり、燃える鷹へと変形した。


「あれは、魔法……? しかし鳥の形の炎など聞いたこともありません!」


「そう、これが俺の能力! 他の属性が一切使えなくなるデメリットと引き換えに、炎属性魔法を俺だけの【蒼炎属性】に超強化する。さらに炎に命を吹き込んでただの魔法じゃできないような動きをさせることもできるのさ!」

 

 鷹がモミジに襲いかかる。まっすぐ突っ込む、と見せかけて急上昇。そしてモミジに真上から突撃する。


「ほいよ」


 モミジがあっさり盾を持ち上げて防ぐ。シャウラの攻撃をに比べれば、止まっているのに等しいスピードだった。蒼い爆炎が通り中に飛び散る。


 通りにいた市民が、一斉に逃げ出す。


 モミジは全く無傷だが、盾の受け止めた部分が解けている。自己再生が始まっているが、直るには時間がかかるだろう。


「Bランク能力者の、しかもアーティファクトになって性能が落ちた盾なんかじゃ俺の炎は何度も受け止められないぜ!」


 伊集院が再び火炎鷹(ブレイズイーグル)を発動する。


「さぁ、何秒耐えられるかな?」


 炎の鷹がモミジを襲う。


「鎧形態変化」


 モミジが盾を鎧に変形させる。そして空いた手を使い、手刀で鷹を斬りはらう。鷹は真っ二つになって消えた。


「嘘だろ!? 俺の炎を、物理攻撃で破壊しただと!?」


 当然、炎には実体がなく触ることはできない。だが、モミジは手刀で真空を作り出し、炎の燃焼に必要な空気を裂くことで間接的に炎を斬っている。


「……まだまだ、俺の蒼炎はこれだけじゃねぇぞ!」


 伊集院が吠える。


「蒼炎属性魔法・中位【燃鱗大蛇(アッシュコブラ)】、【灼火獅子(バーンレオ)】!」


 今度は蒼い炎でできた大蛇と、獅子が出現する。


”グオオオオオォ!!”


 獅子が咆哮しながらモミジに襲い掛かる。


 モミジが牙をかわし、手刀で獅子の首を落とす。そして、その場でかがむ。


 モミジの頭上をコブラの噛みつきが空振って行った。


 背後からモミジの頭に噛みついてやろうとしていたのだが、モミジは手に取るように攻撃の気配を感じ取っていた。


 モミジの手刀がコブラの首を斬り落とす。


「馬鹿な、騎士100人に匹敵する戦闘能力を持つ俺の魔法生物を、2体まとめて一瞬で倒すだと……? 何てでたらめな戦闘能力してやがる!」


 伊集院が目を見開く。


「ねぇ伊集院、もうちょっと可愛い生き物は出せないの? ウサギとか……そうだ、ポメラニアン出してよポメラニアン! 私ポメラニアン好きなんだ」


「良いぜ、ポメラニアンじゃないが最っ高に可愛いのを出してやるよ! 蒼炎属性魔法・上位【憤怒獄鬼魔神(イフリート)】!!」


 モミジの目の前の空間が歪む。


 魔法陣が出現し、その中央に巨大な蒼く輝く影が現れる。


 2メートルを優に超す筋骨隆々の体。体は人間に近い二足歩行だが、頭はヤギのようだ。巻いた角は超高温で青を通り越して白く輝いている。


”グルオオオオオオオオオオォォォ!!”


 イフリートが天に向けて咆哮する。身体から溢れる熱で、足元の煉瓦がドロドロに溶け、通りに面した店のガラスが1枚残らず割れた。


「まとめて焼き尽くせ、イフリート!」


 イフリートの周りで魔法陣がいくつも出現し、魔力が渦巻く。


 しかし、イフリートの魔法が発動するより早く、モミジが踏み込んで右拳を撃ち込む。イフリートの胴は丸ごと消し飛んでいた。


「この化け物、全然可愛くないじゃん」


 モミジが使ったのは、空手で使われる歩法”縮地”。間合いを詰めた後突きを繰り出す技だ。今のモミジが全力で放つと、拳の速度は音速を超える。


 音速を超えたときの衝撃波がイフリートの炎を吹き飛ばしたのだ。イフリートの召喚時にガラス窓は全て割れたが、割れていなかったら今の衝撃波で割れていただろう。


お読みいただきありがとうございます!


【読者の皆様へのお願い】


少しでも面白いと思って頂けたら、ブックマークや評価をぜひお願いします!


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これからも面白い物語を提供していきたいと思います、よろしくお願い致します!

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