武具屋の店長は決して動じない・・・ハズだった
どんなことがあっても動じない、が男のモットーだった。
冒険者として十年ダンジョンに挑んだが、最下層で落とし穴とモンスター複数召喚の複合トラップに掛った時も、冷静に切り抜けた。
武器職人に転職してからも揺らぐことはない。感情を揺らめかせず、毎日ただ鉄と向き合い、叩く。店に強盗が入ったときも、眉一つ動かさず返り討ちにした。
今日は客として2人組の少女が超強力モンスター”アーマードグリズリー”の毛皮と甲殻を持ち込んできた。これには多少驚きはしたものの、すぐに冷静さを取り戻した。
(大丈夫だ、俺はもう何があっても動じない)
男は自分に言い聞かせる。
「こんちはー! またモンスターの素材を買い取って欲しいんですけどー」
表から、少女の声が聞こえる。さっきアーマードグリズリーの毛皮を持ち込んできた少女だ。
(今度はなんだ? トロールの骨か? ワイバーンの牙か? それとも純金虫でも捕まえたか? なんでも来い、何が来ても俺は驚かんぞ)
男は自信満々で店の前に出る。そして――
「さっきそこの河で仕留めたタイラントアリゲーター丸ごと一匹。買い取ってもらえる?」
少女が体長8メートルを超えるワニを引きずって来たのをみて、男は泡を吹いて倒れた。
お読みいただきありがとうございます!
今回はキリが良いので短めの更新です!
次回からはまた普通のボリュームの更新になります!
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