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私を煽った異世界人を完膚なきまでに叩きのめす

「う、嘘だろ? 俺の切り札のイフリートまで瞬殺されるなんて……やってられるか!」


 伊集院が近くにあった倉庫の壁を炎で破壊する。そしてその中に転がり込む。モミジも追いかけて倉庫に入る。


「なんてな! 掛ったな間抜けめ! 俺の炎でこの倉庫ごと燃やしてやる! 焼けて崩れ落ちる屋根に押しつぶされてそのまま焼け死ね!!」


 伊集院が魔力を高めて魔法を発動しようとする。


 一方のモミジが倉庫に保管されていたものをみて、にやりと笑う。


「馬鹿はそっちだ! これでも喰らえー!」


 モミジが積んであった大きな袋を投げつける。伊集院の足元で袋が破れ、中に入っていた白い粉が噴き出す。


「これは……石膏か! これがどうしたっていうんだ?」


「ふっふっふ。知らないのかな? 漫画や小説でおなじみの現象、”粉塵爆発”を! 粉が飛び散っているところで火をつけると爆発するんだ。炎を使いたきゃどうぞ。その瞬間お前の周りだけ爆発して自滅するけどね!」


 得意げにモミジが宣言する。


(決まった……! 能力バトル漫画でよくある、敵の能力を頭よく攻略する展開! いつもの物理ゴリ押しもいいけど、たまにはこういうクールな勝ち方したいよね!)


 石膏の粉にまみれながら伊集院が笑いだす。


「ハハ、ハハハハハ! 馬ッッッッ鹿じゃねぇのお前!! 粉塵爆発は有機物の粉でしか起きねぇよ! 小麦粉とか砂糖とかな! 石膏なんて投げつけられても煙たいだけだぜ、ゴホッゴホッ」


「ゆ、有機物……?」


 伊集院が煙を吸っても笑い続ける。


「お前頭悪そうだし、高校生にもなって無機物と有機物の違いがわからないのか? 簡単に言うと燃えるものと燃えないものってことだぞ? 理科の授業はちゃんと起きてたか? 先生の話ちゃんと理解出来てたか? そもそも燃えるって漢字で書け――」


「うるさーーーーい!!」


 モミジが全力で石膏の袋を投げつける。破裂した袋の中身が凄まじい勢いで広がる。目と口に粉が思いっきり入った伊集院はたまらずうずくまる。


「うるさいうるさいうるさいうるさーーーーい!! 何が無機物だこっちはムキムキだ! わけわかんない理屈を並べ立てるやつは全員物理でぶちのめす!」


 完全にキレたモミジが手当たり次第に袋を投げつけ続ける。


「これが! 私流の! 粉塵爆発だ! 文句あるか!?」


 まさに”爆発”したかのような勢いで粉が広がる。


 石膏の粉が濃密に舞っているのでモミジからは見えないが、1袋5キログラム以上ある袋の直撃を何発か貰って、伊集院は床に倒れていた。その上、石膏の粉に埋もれて立ち上がれそうにない。目も粉が入って開かない。息をするので精一杯だ。


 反撃の炎を放とうとして、伊集院は気付く。”この息苦しい状態で炎魔法を使ったら、酸素を持っていかれて酸欠で俺は死ぬかもしれない”と。


「さぁ、10数える前に降参してよ。さもないととどめの一発を叩き込む! さあ行くよ! 10! 9!」


 伊集院は内心ほくそ笑む。”10秒もあれば粉も少しは晴れるだろう。そうすれば、炎魔法で反撃できる。まだ勝ち目はある”と。


「3! 2!」


「!? ま、待て! 8から4はどこに――」


「0! とりゃああぁーー!!」


 モミジが渾身の力で投げた石膏の袋は、見事伊集院にヒット。”ぐぎゃっ”という無様な悲鳴を上げて伊集院は気絶した。伊集院の能力が身体を離れモミジに吸収される。


「イライラしてると時間が経つの早く感じるときって、あるよね!」


お読みいただきありがとうございます!


【読者の皆様へのお願い】


少しでも面白いと思って頂けたら、ブックマークや評価をぜひお願いします!


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これからも面白い物語を提供していきたいと思います、よろしくお願い致します!

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