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三頭と二十三人への転生記  作者: 水渡
第三章 三国戦争
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第66話 ミスルニアの切り札

すみません、結局11日までに投稿できませんでした。

次は早めに投稿しますのでお許しを。


連絡

この小説のPNおよびマイページの名前を変更することにしました。

理由としては、今更ながら「あいうえお」って適当過ぎないか? と思いまして……。

一週間くらいの余裕を見た後、変えたいと思います。

変更後の名前は、「水渡」となります。

どうかよろしくお願い致します。

ミスルニア国王モール視点

 「危なかったな……」


 空を飛んでいる青いドラゴンからとんでもない魔力を感じ、構えておったがまさか一回の魔法でかなりの兵士が眠らされるとは思わなかった。

 しかも、眠らせられたのは我が国までその勇名が轟くミロアの屈強な兵士たち。今までにあった小競り合いでも何回も煮えぬを飲まされたからその実力も分かっている。


 だからこそ、目を疑った。

 あれほど簡単に倒れていくミロアの兵士たちに。なまじ実力を知るからこそその衝撃は凄まじかった。


 「国王様、これはかなりマズイのでは」


 リニアスがそう言い私に寄ってくる。


 「うむ……、予想はしていたがこれはそれ以上だな。……しょうがない切り札(・・・)を切るぞ。今すぐ準備を」

 「恐れながら既に出来ております」

 「む、そうか。さすがだな。では、やれ」

 「はっ!」


 そう言い再びリニアスは離れていった。


 「ふう」


 そう言い、再び私は前を向く。


 先程は、かなりやられたが今度はこちらの番だ。

 さあ、ドラゴンどもよ、括目してみよ。これが魔法国家ミスルニアの切り札だ。


~~~


 (ん? なんだあれ?)


 結構簡単に睡眠魔法を解除されたことに呆気に取られていると、また人間たちの方で動きがあった。

 六十人くらいの人間が、外から三十、二十、十人に分かれて三重の円を作り詠唱を唱えて……


 (って、ゆっくり見てる場合じゃなかった!)


 あれがどんな魔法かは分からないが、発動させるべきじゃないのは確かだ。


 


 (よし! ……使うのは雷、威力は低くでも結界は壊せる程度に抑えて、その代わりに痺れを強化……雷魔法≪スタンサンダー》!)



 妨害目的の魔法≪スタンサンダー≫をその集団目がけて飛ばす。


 空中をかける紫電は、まっすぐ飛んでいき円を囲んだ人間達にあたーー


 「「「≪サンダーアボインド≫!」」」


 --る直前、三重の円の前に三十人の人間が飛び出しそう唱えると、人が誰もいない辺りに突如として鉄柱が現れ雷を引き寄せた! 


 (うっそ、避雷針!? 鉄に雷が引き寄せされることを知っていたのか!?)


 やばっ、予想外だった。普通に結界か防壁で防がれるかと思ったからその対策取ったのに雷ごと違う場所に誘導されたらどうしようもない。しかも無詠唱で低くなってしまう効果の底上げとして多人数で同じ魔法を同時に放つという作戦まで。かなりのレベルで魔法での戦い方が確率されており、なおかつ訓練されているのが分かる。

  

 (なら地面ごと揺らしてやる! 土魔法≪アースクェイク≫!)


 そう思い直し、土魔法を発動。震度6くらいの揺れに設定したからこれで立ってはいられないはずだ。


 「「「我らを守護せし風よ、汝の力を持って我らを浮かばせたまえ! 風魔法≪フライ》!」」」


 しかし、そう思ったのもつかの間。今度は風魔法を素早く詠唱し、揺れを回避してくる。


 (だああああああ、あれか、立っていられないはずだ、なんて思ったからか!? フラグ回収ってか!?)


 くそったれ、やっぱり人に危害をなるべく加えず、でも無効化するってかなりムズイ!

 ここはもう何も考えず、一撃ぶち込んだほうが早い。許せよ、円作ってる人達!


 そう思い、新たな魔法を発動しようとした俺だったが、どうやら遅かったようだ。


 「「「さあ、来い! ≪ゴーレム・パレード≫!!」」」

 「「「死霊魔法≪ボーンパニック≫!」」」


 円を形づくる人間達が高らかに叫んだ途端に、その中央部分が強烈な光を発し出す。

 その光は、瞬く間にどんどんと強くなっていき最後にひと際大きく輝いた後消え去った。

 

 後に残ったのはーー


 「「「…………」」」

 「「「ウォオオオオオオ……」」」


 物言わぬゴーレムと不気味なうめき声を発する骨たちだった。


~~~


 ああ、もう自分の甘さが嫌になる!

 最初から全力で消し飛ばしてれば面倒くさいことにならなったのに!


 『もりっち、あれ何?』


 そう自己嫌悪している所に夏葉からの念話。さっきまで他の人間たちの方に気を向けていたようだが、どうやら気づいたらしい。


 『ゴメン、止めれなかった。あれは、人間たちが呼びだしたものだよ』

 『? 呼び出した?』

 『ああ、そうだ』

 『ねえ森下君、それってどんな感じだった?』


 あずさも入ってきた。


 『どうって……』


 とりあえず超簡単にまとめて報告。


 『なるほど……それならその円陣は、転移……いや、召喚魔法のための陣ってトコかしら。どちらにせよ、まさか人間も空間系統の魔法を扱えるようになっていたなんて驚きね。やはり油断しない方が良いわ』

 『分かった。発動阻止は失敗したけど、人じゃない分手加減しなくていいのは楽だ。本気で吹き飛ばすよ』

 『『了解』』


 そう言って念話を切ると、いざ対峙。


 まずは観察だ。


 今目の前に居るのは、大きく分けて二つのグループ。まずは猿っぽいのや馬っぽいの、はたまたなんか腕が六本だったり、首が異常に長い骨の群れ。その数は、推定二百。恐らく≪ボーンパニック≫という魔法だろう。文字通り骨がいっぱいのその模様は見たものにパニックを起こすだろうことは、容易に考えられる。


 で、もう一つがゲームなんかでおなじみの存在、ゴーレムの群れだ。

 ここから見た感じだが、素材は石っぽい。ただその形は、様々でオーソドックスな人型から四足歩行の獣型など様々だった。こちらは、さらに多く推定で三百は超えているだろう。


 (一体一体にそこそこな魔力が込められてるな。対人間で戦えば結構な活躍が出来るだろう。……まあ、俺にとってはそこまでなんだが。でも油断しない方が良いのも事実)


 とりあえず、本気で消し去ろう。そうすれば、相手の士気を下げうまくいけば降伏させれるかもしれない。


 そう思い魔力を高める。使うのは植物魔法。そのなかでも破壊力重視のものだ。


 (さあ、吹き飛べ! 植物魔法≪樹王の大槌≫!)


 魔法を発動。

 その瞬間、俺の眼前の地面から幾つもの樹々がどんどん伸び、それが複雑に絡み合いだす。何本も何本も絡んだそれは腕を、胴を、そして頭を形作っていく瞬く間に樹で作られた全長十メートルにも及ぶ巨人の上半身へと姿を変えた。


 「ヴォオオオオオ」


 その巨人は、そう声を上げるとその両手を組み、頭上へと掲げーーグガッ、という一息と共に振り下ろした!


 ドッガガアアアアアアアアン!!


 派手な音共に地は揺れ砂塵は舞い、さらには何かの悲鳴が木霊する。


 やがて砂塵が晴れていき、視界が確保できるようになり結果を確認する。

 そこにあったのはーー









 --大きく陥没した巨大なクレーターと無数の罅に地割れ、そして召喚されたものたちの残骸のみだった。

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