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三頭と二十三人への転生記  作者: 水渡
第三章 三国戦争
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第65話 戦争開始

スミマセン、いろいろとやることがあるため4月に入るまで休止します。

再開予定は、4月10日または11日くらいになります。よろしくお願いしますm(_ _)m

3月28日 あいうえお



人間視点


 『では、ミスト王、ミスルニア王よ、手筈通り我らが先を行くぞ』

 『あい分かった』

 『分かった』


 ミロア国王よりの言葉にミスルニア王と共に答えた我は、そこで魔道具〝遠話の珠〟を切った。


 あの後、我が陣営から放たれた伝令は、すぐさま残り二カ国の王の元へと行き我の言伝と共にこの〝遠話の珠〟を渡すことに成功したようだ。すぐにこちらに連絡が来たからな。

 〝遠話の珠〟は白く濁った球状であり手のひらに収まる程の大きさの魔道具だ。

 これの機能は、その名の通り遠くの者と話せるというもので設定した珠同士のみ話すことが出来る。

 本来なら我らの技術の結晶である魔道具は、他国になど見せたくはなかったが状況が状況故致し方あるまい。


 そして、この珠を通し一時休戦と共同戦線を張ることを二国に提案した所、なんと両国とも即答でOKしてきおった。いくらなんでもいきなり渡された珠で王自身と話せるといわれた所で、普通罠だと疑うだろうに。恐らく奴らもそれらのリスクを無視しなければならない程目の前のドラゴン達はヤバいと分かっていたということであろうな。

 まあ、どっちみち我にとっては都合が良いから別にいいのだが。


 とりあえず了承は得たということで早速我らは作戦を練った。とはいえ、いくらなんでも敵国の軍隊と共に作戦をいきなり遂行しろといわれても出来るわけがない。だから作戦は、至ってシンプルで近接に自信があるミロアが先陣、その後に我らがミスト、最後にミスルニアが魔法での攻撃と決まった。

 本来なら先に行くというのは、それだけ危険だからどの国もやりたくはないだろうが、あれクラス相手ならば最早早いも遅いもなかろう、やられる時は一瞬で三カ国とも壊滅だ。

 そのことについて我らの短い話し合いには出なかったことだが、当然暗黙の了解で三人とも理解しているため異論は出ず、我らの話し合いは打ち切られたのだった。


 「リュード!」

 「はっ! なんでございましょう」

 「我らはミロアの後に続く。そういう指示を出しておけ。ああ、そうだ切り札もいつでも切れるようにしておくのだ」

 「承知いたしました」


 そう言い、リュードは我のそばを離れていった。


~~~


 「突撃~!!」

 「オオオオオオオオオオオオオオオッ!!」


 ミロアの王のものと思われる号令によって、兵が一斉に突撃してくる。

 よく見れば、ひとりひとりしっかりと≪身体強化≫の魔法がかけられている。しかも、平均してレベルが高いのが伺える。かなりの練度だ。


 対するこちらはーー


 『とりあえず、私はもうちょい高度をあげるわ』

 『あ、なら私も』

 『ちょ、それじゃ下は俺一人で対処か?』

 『その代わり私たちは、上から絨毯爆撃するから。あ、ちゃんと睡眠魔法っていう対象を眠らせる魔法しか使わないから大丈夫よ』

 『……それ私使えないんだけど。まあ、いいや。私は私であずさを守るよ。ってことで下よろしく』

 『いやよろしくって……。ハア~、しょうがない、やるか』


 と、こんな感じで下は完全に任されてしまった。


 だが、敵はお構いなしに突っ込んでくる。しょうがないからどうにかするしかない。


 「無属性魔法≪防御壁≫」


 そう呟いた俺の前に不可視の壁が出現する。

 前にあずさのトコに行く途中クラーケン相手に使ったヤツだ。


 そこにミロアの兵士が突っ込んきてーー



 「ガアッ!」

 「グッ! なんだこれ、進め…って、おい、やめろ、前に進んでくるな! と、とま、グエッ!!」



 激しく壁に衝突した。

 先頭に居た多くの兵が反動で弾きとばされて地面にひっくり返っていたり、壁に激突している。

 だが、そんな奴らの後ろにいるのは万にもおよぶ軍隊、それも突撃のため勢いよく走る屈強な男たちだ。当然、先頭が詰まったからといって急には止まれない。

 そのため、後続によって地に投げ出されていた兵は下敷きに、壁の前に居た兵はそのまま板挟みになりうめき声を上げながら、やがて人の波へと消えていく。


 (あ、やべ。そうじゃん、この状況でそれやったら当然そうなるじゃん!)


 その光景を見た俺は、慌てて魔法を解除。兵たちの追撃を避けるため一旦跳び上がって後方へと退避した。

 

 「全員止まれ!! 止まるのだ!!」


 そうやって後方へと退避した俺が、前に視線を戻すと案の定軍の下敷きになったものや、突然壁が消えたことでバランスを崩しす者、前の者につられて転び、下敷きになる者などひどい有り様で王らしき人物の声がこだまするが、かなりの混乱に陥っていた。


 さらにーー


 「睡眠魔法≪微睡の春風≫」


 上からあずさの声が聞こえたので見上げてみれば、空を飛ぶあずさのまわりがキラキラと輝き出していた。そのキラキラが或る程度の輝きに達したところで、突如として下向きの風が吹き地面に向かって降り注いできた。あれがさっき言っていた睡眠魔法か、初めて見たな。



 「お、おい、上を見ろ! 何か降ってくるぞ!」


 と、そんな混乱の最中でもその輝きに気づいたのか一人の兵が空を指さし叫んだ。

 その声に比較的余裕がある後方の兵士達も次々と気づきだし、空を指さしてこれまた騒いでいる。


 そして、その間に風が兵たちに到達した。

 その瞬間ーー






 --空を見上げ騒いでいた兵士も前線で混乱の極みにあった兵士も皆、一様に崩れ落ちていく。



 「うわぁ……」


 その光景を見た俺は、思わずあきれ声を出してしまった。

 微睡とか春風とか穏やかそうな名前が付いてる癖して、強烈な強制睡眠魔法じゃねえかよ。

 ギャップがすごいぞ。


 恐らく人間達もその光景を見て、焦ったのだろう。即座に三カ国それぞれを包む大規模な結界を張り風を凌いでいた。

 しかし、そうして結界を張っても魔法の風が消えた後には、先頭に居たミロアの兵士のおよそ三分の二が地に倒れ熟睡している。その眠りは、とても深いようで滅多なことでは起きないだろう。


 (まあ、今のを繰り返していけば勝てるだろうな。よし、俺は結界を壊して風を人間に当てる手助けをしよう)


 状況を見てそう決めた俺は、もう一回あずさに同じ魔法を使ってもらおうと念話をしようとして、再びあずさの周りが光りだしているのを視界にとらえた。


 (お、さすがあずさ行動が早い。じゃあ、俺も結界を破壊する準備を……)


 素早いあずさの行動に感心しながらも、人間達が確実に張るであろう結界を壊すため魔力を練りだした俺は、ふとその視界に何かを捉える。

 

 (あれっ、人間達が一斉に杖を掲げている? ……しかも、その杖の先には何か淡い光が……あっ、光が飛んでった。飛んでった先は、眠っている兵士たちの、って、ヤバッ!)


 ぼんやり眺めていた俺は、その光がこの状況を打開するための何かだろうと察しとっさに結界を張る。

 が、


 飛んできた光は一気に速度を増し、それこそ光速に迫ろうかという速度で結界を張りきる前に倒れている兵士達を囲うように地面に着弾した。

 光が着弾した箇所は、すぐに淡く光り出すと他の光っている箇所に向け光のラインを一気に伸ばしていきーー



 --瞬く間に一つの文様を浮かび上がらせる。


 (なっ!? これはーー魔法陣か!)


 前世で見たような中に五芒星が入った魔法陣ではないが、それはまさしく魔法陣だ、という印象を俺に覚えさせる。


 浮かび上がった魔法陣は、一瞬点滅した後、急激にまばゆい光を放つ。

 それを不意打ちで食らった俺は、思わず目を閉じてしまった。


 そして、わずかばかりの間続いた強烈な光が消え、恐る恐る目を開いた先に居たのは、


 案の定睡眠が解け、元気に立ちあがった兵士達の姿だった。


 (……ですよね~)

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