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三頭と二十三人への転生記  作者: 水渡
第三章 三国戦争
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第62話 三国

 「いや~、壮観だね~。この光景」

 「うるさいぞ、夏葉。集中しないと上に乗ってる(・・・・・・)人間滑り落としちまうんだから静かにしてくれ」

 「りょ~かい」


 あずさによって提案された最終手段。それを実行するために俺達は一旦集合した。

 場所は、ミスト、ミロアの両軍の位置を頂点として二等辺三角形になるところ。つまり、少し離れた所になる。


 そして俺は、本来の姿に戻っていた。その状態で夏葉に目立たないように、ミストに潜入した時にかけてもらった光魔法≪光学迷彩≫をかけてもらっている。で、なんで元の姿に戻っているのかというと、人間状態の力がセーブされた状態じゃ作戦を実行できないからだ。

 さて、そこまでして行う作戦とはなにか? 


 その答えを見つけるには、今回の問題点を探せばいい。


 一つ目は、ミロアとミスルニアが組んでいること。

 このため当初想定していた三カ国による三すくみの状態になるだろうという予想は、見事に外れてしまった。


 二つ目がミスルニアの現在位置。

 このままでは、確実にミストは背後を取られ大打撃を負う。それでは戦争を防ごうとしている俺達の意思に反する。


 以上が問題点だ。


 そして俺達は、二つ目の問題を解決することにした。

 まあ、一つ目の問題の方は今更どうしようもないからってのが理由なんだが。


 で、解決方法としては、すごく簡単なことだ。ミスルニアの位置が問題なら問題ない位置に(強制的に)移動させてしまえばいい。ただそれだけ。


 とはいっても、いちいち転移魔法で跳ばすと時間がかかるし、軍をまとめて跳ばすと一人、二人制御をミスる可能性があったので却下。ミスルニアは、魔法大国という話だしなにか変な魔道具を使ってこないとも限らないしな。

 そして、思いついたのが、さっきの答えにもなる方法。


 つまり〝人〟を動かすのが大変なら、その下ーー地面(・・)を動かしちゃえば早いじゃない、というなんともふざけた発想。


 だが、そんなふざけた発想も俺ならば可能だ。

 実際に数十億年前、俺は同じことを、しかも星丸ごとという範囲でやり遂げている。


 あずさも、それを考えて提案したのだろう。


 というわけで、転移魔法で移動した俺は素早く実行に移した。


 その結果が、今目の前で広がるーー




 --高さ数十メートルにも及ぶ土で出来た大波だった。


 それがゆっくりと進み、俺達が居る反対側、ミストとミロアを頂点に、ちょうど正三角形になる位置まで進んでいく。その上にはミスルニアの軍がちょこんと乗っている。……おっと、油断したら落ちそうになってた、危ない危ない。


 「森下くん、その辺でいいわ。降ろしてちょうだい」

 「OK、分かった」


 あずさの指示に従い、ゆっくり、ゆっくり波を小さくしていきーーなんとか一人も振り落とさずに降ろすことが出来た。


 「さて、ここからが本番ね。本来の姿で三カ国の前に出るわ」

 「うわ~、緊張する。初めて竜の姿でミストに行った時のことを思い出すよ。あ、そういえばあの時初めてプロトスと……あ」

 「……ううっ、プロトス」

 「ちょっ、あずさ!?」

 「……夏葉?」

 「うっ、も、もりっち、そんな残念な子を見る目は止めて。……あずさ、ゴメンてば。しょげないでプロトスのためにも今ここで頑張ろう、ね」

 「……ゴメン、ちょっと動揺したわ。うん、そうね。プロトスのためにも頑張ろう」

 「よし、ならさっさと行こう。三カ国ともまだ事態を把握しきってないみたいだし、今の内に押し切るべきだからな。(あずさのメンタルがまた、下がらないうちに動きたいのが本音なんだけど)」

 「よっしゃ、行くよ!」

 「うん」


 二人もまた元の姿に戻り、俺にかかっている≪光学迷彩≫も解除してもらったのを確認してーーさあ、準備は完了した。

 いざ突撃だ!


~~~

ミロア視点


 「なんだったのだ、今のは……?」


 俺ーーミロア現国王レッジは、思わずつぶやいた。


 「わ、分かりません。恐らくは、魔法によるものだとは思いますが……。あんなレベルの魔法を使える者がいるなど聞いたことがありません」


 俺のつぶやきに答えたのは、ミロア戦士軍長をを務めるロンドだ。


 「ミスルニアの国王でもか?」

 「……技術が秘匿されているため分かりませんが、恐らくは」


 ふむ。俺が知るなかで一番の魔法の使い手もでもか。

 ならば、あれはーーあの突然起きた大地の波は、一体なんだったのだ?


 俺が思考の海に入りもうとしたその時、


 「お、おい!? なんだあれは!」

 「化け物だ……、化け物だああああああ!!」


 兵士達の叫び声が、耳に届いた。


 「! 皆の者どうした!?」

 「国王陛下! あちらを!!」


 ロンドが焦った声と共に、一方向を指す。


 そちらを見てみればーー 


 「な、んだ、あれは!?」


 --想像を絶する存在が、こちらに迫っていた。


~~~


 久しぶりだな、この光景……。


 三人(三頭?)でそろって進みだすと、俺達の大きさゆえだろう、すぐに人間達が気づき騒ぎ始めた。


 今は懐かしい、初めてミストを訪れた時とまるっきり同じ光景だ。


 「まずは、私から話し出すわね。途中で相談する時は、念話で」

 「「了解」」


 落ち込んでいた状態から、立ち直ったあずさからの提案に乗る。


 さあ、戦争回避のための正念場だ。

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