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三頭と二十三人への転生記  作者: 水渡
第三章 三国戦争
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第59話 進軍

なんだかんだ前話で連載5か月&10万文字達成。

これからも頑張ります。

 俺達がミストに侵入してから二日後ーー


 『いよいよだね……』

 『ああ』

 『ええ』


 俺は、いつもの丘からミストを見ていた。


 現在あずさと夏葉はそれぞれ、ミスルニアとミロアに居て同じように偵察中。

 偵察だけなら千里眼でも見れるっちゃ見れるが、今回の作戦的にそれぞれが国の近くに居た方がいいのだ。


 

 あの後、俺達は短い時間ながらも様々なシュチエーションを想定して、話し合いを進めた。

 

 その結果としては、一番最高なのが三国そろった所で戦闘が始まる前に俺達が介入し、三国による話し合いを行い、それぞれがそれぞれに持つわだかまりや誤解を解き、仲良くなるというものだった。


 が、俺達も脳内花畑というわけではないつもりだ。


 これははっきり言ってないと断言できるだろう。

 なぜかは語るまでもないと思う。


 逆に最悪なのは、俺達が介入したことにより三国の軍それぞれが大混乱をおこすことだ。


 ぶっちゃけこれは、起きる可能性が結構ある。が、それはそれぞれの軍の指導者達が上手く収めてくれることを祈るしかできない。


 本来なら、そこも俺達がなにか対策を考える所なんだろうが何しろ時間がない上に今回俺達が、考えた作戦はハイリスク・ハイリターンのものだからな。どうすることも出来ない所があるのは甘んじて受け入れるほかない。


 とりあえず、今俺達がやるべきは軍が正面からかち合うように、密かに調整することだ。

 少しの斥候部隊とかなら、不自然にならないように特に邪魔をするつもりはないが、軍を二つに分けて奇襲、なんてことされると後々面倒になりかねないからな、……もちろん、それで気味悪がって撤退なんてことにならないように注意も必要だから、やりすぎないようにしないと。


 『! 二人とも、ミスルニアが出兵を開始したわ』

 『了解』

 『あ、ミロアも門に人が集まりだしたよ。たぶん、後数時間したらこっちも出兵すると思う』

 『了解』


 おっと。両方の国に動きあり、か。


 ……そういや、なんで今なんだろうな。


 実は俺達は、ミストが今日動き出すことをミロア、ミスルニア両国が事前に掴んでいるとほぼ確信していた。

 なぜかといえば、俺達が城から逃げ出して防壁の上に戻ってきたときに、北や西の方に何かが居るのを見つけたのだ。


 で、千里眼で見てみればミストの国民達が良く着ている服を来た人間が、すごいスピードで駆けていくのが見えた。おそらく、あれが国王が血眼で探していたスパイだったんだろう。


 結局、その人間は両方とも見つからずに走っていったため、途中で魔物なんかの餌食になってなければミスト出兵の情報は他の二国に伝わっているはずだ。そして、実際二国はミストに合わせるように動いて来た。


 だからこそ、なんで今出兵したのか謎だ。うまくいけば先手をとれたのにも関わらず。

 まあ、この辺りは前世一般人の俺達より軍略に詳しい人間達が、それぞれの国に居るから何かしらの策があるんだろうな。


 けど……、なんか簡単なことを見逃している気がするんだよな~。


 『……ち! お~い、もりっち! ちゃんと聞いてる?』

 『へっ? あ、わりぃ。考え事してた』

 『はあ~。ちゃんと聞いてね? そっちの状況はどんな感じ?』  

 『え~っと、あ、こっちも段々と門の前に軍が集まってるな。ただ、少し時間がかかりそうだが』

 『了解。じゃあ作戦は、このまま続行で』

 『『了解』』


~~~


 それから数時間後、途中あずさと夏葉からそれぞれが出兵した旨を聞いていた俺の目の前で、ついにミストが出陣していた。


 「栄光なるミスト軍、出陣~!!」


 鉄製の鎧と剣で完全装備をした精悍な顔つきの男たちが列をなす真横で、なにかの楽器ーーほら貝っぽいーーを持った男が、そう高らかに叫び、楽器を吹き鳴らす。


 それと同時に、兵士達が「「「オオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」」」と叫んで歩き出した。


 どうでもいいけど、もう軍の隊列とか出陣とかキチンと決められてるんだな。……まさかとは思うが、あずさの奴、これにも関わってないよな……いや、ありえるな。


 内心、あずさがどこまで教えてるんだろうとか、なんだかんだ言ってあずさが一番の問題児なんじゃないか? と思いながらも意識を再度、軍の方に向ける。


 軍の構成としては、歩兵が多いようだ。歩兵の特徴として鉄製の鎧を身につけているのは共通しており、後は腰に剣を帯びている者と槍を手に持つ者が半々という構成。


 その次に多いのが何かしらの魔物に乗っている者達か。魔物の種類は多種多様だが、比較的大きくものが多い。前世で言う騎馬兵みたいなものだろう。そんな彼らの装備といえば、防具の方は歩兵たちと変わらない物だが、武器の方はみな長い槍を持ち、腰には剣を帯びていた。槍の長さはおよそ三メートルほどで魔物の上から攻撃するためのものだろう。


 最後に、杖やらキラキラ光る指輪を身につけているものたちが魔法部隊だと思われる。

 

 はて? 俺らは、ああいう物を用いることは教えてないんだが……。

 この三百年の間に変わったのだろうか?


 そして装備はというと皆黒や濃紺のローブを着ており、その下からは鎧が見て取れた。見た目的には前世の漫画に出てくるようなザ・魔法使いっていう感じだ。また一部には、腰に剣を差しているものもいたが、たぶん護身用だろうな。あまり、彼らから近接戦闘が出来る感じがしないし。それと、彼らの移動手段は徒歩のようだ。


 そして彼らを率いて軍の先頭を往くは、一般兵と比べ明らかに質がよさそうな鎧を着た国王だ。


 その鎧は、前世の中世ヨーロッパに存在した物によく似たもので、頭を守る兜から足を守るグリーブに至るまで金色に彩られ、また細かく色鮮やかな装飾が全身に施されており、その威容を周囲に見せつけていた。


 さらに、鎧が魔力を放っているの感じれることから何らかの魔法的防御がなされているのも間違いないだろう。


 その後ろに続くのは、国王の物と比べれば質は落ちるものの、十分に高品質だと分かる銀色に輝く鎧を付けた上層部の男たち。もちろん、彼らが着けている鎧からも魔力は感じ取ることが出来た。


 その上層部達の中でも特に目を引くのは、幅広で分厚い刃渡りおよそ二メートルにも及ぶ、大剣を肩に担ぐ男だろう。

 記憶では軍の総大将と呼ばれていた人間だ。


 うん、確かにその肩書きに負けない程強いのだろう。その身から発せられるオーラは常人を寄せ付けない程に強力だ。憶測だが、魔力量も多い。


 ちなみに国王及び上位層も魔物に乗っていたが、もれなく他の兵が乗るものより強そうだった。


 そんな彼らを先頭に軍は、俺達が最初にミストを見つけた頃にも流れていた大河に沿う形で北上を開始した。


 俺は、気づかれないようにこっそりと軍の後をつけ移動を開始する。

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