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三頭と二十三人への転生記  作者: 水渡
間章 新しい友
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第51話 新たな住人

この話を持ちまして、年内は最後になります。来年も頑張りますので応援よろしくお願いします。年明けは新章からスタートになります。


再掲載


年明けにもう一本新しいのを投稿する予定です。テーマは、テンプレ、冒険者、ときたま異世界転移者出現(ただし主人公達は元からこの世界の人)

二本同時進行となりますが、出来るだけペースは維持したいと考えてます。よろしくお願いします。


 それでは皆様よいお年を

 俺の口の中にどんどん魔力が溜まっていく。

 

 (良し。だいぶ溜まってきたな。……でもブレス撃つの久しぶりだし、森に新しい住民が増えたことを祝って花火代わりにもしたいしな。うん、もうちょっと溜めるか)

 

 しかし、俺はこの時まだ気づいていなかった。いや、今となってはしょうがないとあきらめるしかないのかもしれないが。

 なにせ前回ブレスをぶっ放したのがもう数百年前。それに俺達竜種は歳を重ねれば重ねる程宿す魔力量は多くなる。そしてなによりもこのまま大した騒動にもならずに、この件は一件落着だろうという安堵感による気の緩みと楽観思考。これらが合わさったらどうなるか、それを俺は甘く見ていたのだ。


 ……要するに何が言いたいのか。

 そんなの簡単だ。前回打ち立てたフラグをきっちり、しっかりと回収した(してしまった)。ただ、それだけだ。



 俺はどんどん口に魔力を溜めていく。ドンドン、ドンドン溜まっていく。

 そしてーー俺の口で魔力が溜まり切った。


 『うん、こんくらい溜まれば良いな。それじゃあ皆見ててくれ』


 そう念話で伝えてから、俺は空に顔を向け一気にブレスを解き放った。


 ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!


 ーーその瞬間、凄まじい音を発しながら空に一条の白く輝く極太光線が走っていく。

 それはどこまでも、どこまでも伸びていって……そしてついには星を飛びだした(・・・・・)


~~~


 星から伸びた一条の閃光は、宇宙に浮かぶ幾つかの岩塊を消し飛ばし、小さい星に大穴を開けながら迸っていく。そして、さらに数キロを灰塵に帰しながらようやく、収束していった。


~~~


 『………………』

 『………………』

 

 しばしの沈黙。誰も何も言わない。そして、


 『………………グランデル殿』

 『…………………………………………ゴメン、今は何も言わないでくれ』


 もう絶対ブレスやんない!! そう心に刻んだ俺だった。


~~~


 それから白狼達は無事この森の一員となった。今回の件の結果報告ついでに、新たな仲間の白狼達を精霊達に紹介する際に力が弱い低位の精霊達がビビってしまって騒ぎ出すという事があったが、精霊王達によって落ち着きを取り戻し、結果的には無事に完了した。……ちなみにブレスに関しては何もなかった。それが俺と白狼達との暗黙の了解になっている。精霊達がしきりに「さっきの光は、一体何?」と聞いてきたがひたすら、濁して逃げまくった。……もう思い出したくない。


 とまあ、色々あったが今回の件は無事一件落着した。


~~~


 100年後、あずさ視点


 「かいおうりゅうさま~、もってきたよ~」


 パタパタと羽ばたきながら、風の精霊が住処で休む私の元にやってきた。


 「ありがとう。どう調子は?」

 「う~んとね~、けっこういい感じ~だよ~、たぶん」

 「たぶんって……。まあいいわ。それより報告書を見せて」


 さて唐突だけど、この風の精霊は私の支配下ではない存在だ。私達原初の竜王の住処に産れた精霊達は、それぞれの属性ーー具体的には森下君の所が、地、雷、樹で私の所が水、重力、音というように私達の適正属性と同じ精霊が産れている。そして“風の精霊”は火、光と共に夏葉の所になる。

 また、彼らの特性として自らの属性にとって過ごしやすい(水の精霊ならば、海等の水辺)場所か、生まれ故郷であるそれぞれ私達の住処にしか現れないというものがある。

 しかし、ここは海底の洞窟であり風通しは悪い。そのため風の精霊にとって決して過ごしやすい場所では無い。

 

 にもかかわらず、何故本来現れる場所では無いここに風の精霊が居るのか。


 それの答えとなるのが先程精霊が持ってきてくれた報告書だ。

 この報告書に書かれているのは、150年前この住処にて夏葉に頼んだこと。その内容とは、この世界特に人、エルフなどの高い知能を持つ種族についての情報収集。……とはいえ、そこに書かれているのは人々がどのように暮らしているのかだけではなく本来なら絶対外には出ないような上層部の秘密の会合の内容等の極秘情報まで多岐に渡っている。

 そして、収集を可能にしている存在こそが私のトコにいる音の精霊とやってきた風の精霊だ。元々この二種の精霊は他の精霊と比べて情報収集能力が高いのだけど、特に風の精霊に関しては段違いといっても過言じゃない。


 風というのはどこにでも生まれる。例えば、動物が地を駆ける時、例えば、樹が倒れる時、例えばーー動物が呼吸する時などなど、とにかくなんでもいい。重要なのは風はどこにでも生まれるということだ。重要だから二回言ったわ。……コホン。


 で、風の精霊達はそういった風が拾ったものを聞く(・・)ことができ、さらに少しだけど見る(・・)事も出来る。原理はいまだに分からないけど何度か行った実験によりそのことは、確かだ。


 では、次に何故情報収集(そんなこと)を頼んだか。

 それは、新しい魔法という力を得た人類がなんか変な事やってないかとか、他の種族がヤバい事してないか見張るためなんてのもあるけど、やっぱり本音はいろんな事を知りたいから。


 今、私の元には(正確にはあの丘に、だけれど)一年に一回ミストからの絵や少し文字が書かれている物が届けられる。今はもう300枚にも上っているそれらを見ることは非常に楽しい。……楽しいのだが、もう何回も見すぎて飽きてしまった面も確かにあるのだ。だけど、自分から言った手前(もう当時を知る人間はいないとしても)量や、回数を増やしてくれというのも申し訳ない。それに明らかに彼らの負担になってしまう。 


 だけど、これだけ長い人生(龍生)だ。ぶっちゃけ暇で暇でしょうがない。じゃあ、どうすればいいか。彼らの負担を増やさず、かつ、私の知識欲を満たす方法。そして思いついたのが、それなら勝手に記録しちゃおうという、前世なら確実に捕まる方法だった。もちろん思いついた当初は、さすがに……、とか、いくらなんでもダメよね……、とか考えていたけど、なんていうか我慢が多かった前世の反動というのは都合がいいのかもしれないけれど、結局いいや、もう何も考えず自由に行こうと考え、実行に移した。


 とはいえ、いくらなんでもこの広い世界に住む様々な種族について調べるのはなかなかに厳しいと思った私は、夏葉に協力を頼んだ。森下君に頼まなかったのは、彼が内向きで、外に興味がなさそうだったから。……単にめんどくさがってやってくれなさそうだったから、というわけじゃない。ないったらない。

 とにかく、無事からかわれつつも協力を取り付けた私は無事情報収集を始めたのだった。


 (さて、今日は一体どんな情報が……!! これは!!)


 報告書を読み始めた私の目に飛び込んできた文、それはーー




 [ミストで不審な動きあり。注意すべし]



 ーー新たな騒動を想像させるものであった。

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