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三頭と二十三人への転生記  作者: 水渡
第二章 人類登場
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第45話 その後4

すみません。大変遅れました。


報告 以前言っていたサブタイトルの変更を行いました。

 「で、これはどういう事なのかしら?」

 

 そんなあずさのあきれ声が響いた。

 現在俺達は、無事あずさの住処に着いていた。そして俺と夏葉は、人間形態になっている。

 これは幾ら龍状態のあずさが住めるレベルの大きさの洞窟といえども、同じくらいの大きさの存在が合わせて三人(三体?)は、さすがに入れないからだ。ちなみに、あずさも俺達に合わせて人間形態だ。


 と、まあ、それはともかくとして、だ。あずさが何をあきれているか。それについては今も向けられているあずさの視線を辿れば分かる。

 その視線が注がれているのは、俺と夏葉の背後。そこにまさしく山のように積みあがったクラーケンを始めとした海獣、怪魚、魔物の山があった。これは、クラーケンを仕留め、それを俺たちがあずさの住処に運んでいる最中にその匂いにつられて集まってきた奴らで、ついでに仕留めたものである。


 「いや~、その、なんというか……、漁が楽しくなっちゃった(笑)」

 「漁が楽しくなっちゃった(笑)、じゃないわよ。……ハァ、もうこんなに捕ってどうするの。しかももれなくこの辺りの頂点クラスのやつ捕りつくしてくれちゃって。もう生態系がむっちゃくちゃになるわよ」

 「「ゴメンナサイ」」

 「……ハァ~、もういいわ。次からは気をつけてよね」

 「了解。肝に銘じるよ」

 「私も」

 「で、この山は結局どうするつもり?」

 「えっと、食べるつもりだけど」

 「え? ほんとに?」

 

 夏葉から食べるつもりだという事を聞かされたあずさは、俺に視線を向けてくる。

 俺は、あきらめてただ首を横に振る。


 「やめといた方がいいと思うわよ」

 「え~、クラーケン食べてみたくない?」

 「思わないわよ……。それにあれを食べるのは、もったいないわ。あのクラーケンの体表には高い魔法耐性があってね、いろいろ有用な素材になるのよ」


 高い魔法耐性、か。なるほど。だから、俺の雷魔法も効果が小さかったんだな。


 「だから、あれは食べないで皮を剥いで素材として用いた方が良いと思うわ。それに身の方も実験に使えるのよ」

 「でも、あずさも食べたことはないんでしょ」

 「それは、そうだけど……」

 「なら、今回は食べてみようよ。ものは試しだし!!」

 「……分かったわよ。食べるわ」


 結局、夏葉に押されてあずさが折れた。


 「よし。じゃあ、早速いってみよ~」


 そして俺達は生のまま切って刺し身にしたり、軽く焼いて焼きイカ風にしたりと、いくつかの料理に調理した。


 「よし、完成。それじゃあ、挨拶して食べよう。せ~の」

 「「「いただきます」」」


 いただきますの挨拶をした俺達は、出来上がった料理を恐る恐る口に運ぶ。

 ……味については、全員の顔が無表情になった、という事から察してほしい。


~~~


 「それで、今日は何しに来たの?」


 しばらく三人共固まったままだったが、最初にあずさが再起動して俺達に聞いてきた。というか、その表情からは、さっきのをなかったことにするつもりがビシビシ伝わってくる。


 「実はあずさのコレクションを見せてもらおうと思って」


 俺もあの味を思い出したくはないため、それに乗る。


 「ああ、なるほどね。いいわよ」

 「お、サンキュー」

 「あずさ、ありがとー」

 「別にいいわよ、それくらい。……じゃあ、ついてきて」

 

 そういうと、あずさは俺達を連れ歩き出した。


~~~


 俺達が、最初に居たのは洞窟の入り口から続く通路を抜けて一番最初にある大広間だった。なおその通路には守護結界が何層にも張られており、あずさの許可を得ない限り入ることは出来ないようになっている。また、通路には強力な強化魔法もかけられており崩れないようになっていた。


 大広間からはいくつかの通路が伸びており、あずさはその内の一つに入っていく。

 その通路を進む途中には、いくつかの部屋があったがそれは全てスルーしていく。そのまま進み通路の突き当りまで来ると、その近くにある部屋に入っていった。


~~~

 「ここよ」

 

 そう言ったあずさに続いて中に入った俺達が見たのは、部屋の壁いっぱいに並べられた数にして150枚にものぼる絵だった。


 「これか……」

 「すごいね。思ってたよりも色も鮮やかだし」

 「でしょ。私も最初見たときに感動したの。しかもね、150年の間に用いられる色の数も増えて絵の対象も増えてるのよ」


 確かに左上から順に右下に向かって徐々に色が増え、描かれる対象も人中心から魔物や動物達へと広がっている。……ってあれ? 一番左上にある絵ってもしかして……。


 「なあ、一番古いのって多分一番左上の絵だよな? あれって……」

 「あ、森下君気づいた? そうよ、あれが一番最初にもらった絵。そしてそれに描かれてるのは私達よ」

 「へ? あ、ほんとだ~」


 その絵に描かれていたのは三頭の竜だった。色は現実とは違うが、それでもその姿形や近くに描かれた人と比べたその大きさから見れば、そのモデルはすぐに分かる。


 「お礼で描くという事だったから、最初に私達を選んだみたいね」

 「そっか。うれしいね」

 「ええ」

 「ああ」


 俺もそう同意した。


 

 「ところであずさの一番お気に入りって何?」

 次に俺はこう質問してみた。


 「お気に入りか~。……今言ったのもそうだけど、他にもあるのよ。ほら、あれ」


 そう言って指さしたのは、かなり右下、つまり新しいものになる。

 そこに描かれていたのは魔法を放つ人だった。

 それと……


 「え、あれって文字?」

 「そう、文字なのよ!!」


 夏葉のその問にあずさは一気にテンションが跳ね上がった。


 「この150年の間に彼らは、文字を作ったのよ!! あ、文字を生み出したその価値ってのはね……」


 結局、しばらくはこの状態が続き夏葉は目を回していたのだった。


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