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三頭と二十三人への転生記  作者: 水渡
第二章 人類登場
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第42話 その後

 俺達がミストに魔法を伝えてから、150年の月日が流れた。


 その間の人間達の事は、絵をもらうために近くの丘まで定期的に行っているあずさに聞いている。

 

 まず、あれから人間達は独自に魔法の研究を始めたらしい。とはいっても、これはまあ、そうなるだろうなと思っていた。かなりの窮地に立っていた状況の時に、魔法なんていう力をもらったのだ。今度はより安全に暮らすために、その力をさらに強めようとするのは容易に予想できる話だ。前世でいえば科学が、まさにその例だろう。


 次に、女王のプロトスについてだが、彼女はその後ドルとかいう兵士からの猛アピールを受け、なんだかんだあって夫婦となり、二人の子供を産み、そして三十台半ば程の歳で亡くなった。まだこの世界の生活水準では、長く生きるのが難しくプロトスもその例に漏れなかったようだ。……しかし、こうして人類の中で最初に接した人間が亡くなって、改めてその弱さを思い知らされた気がする。

 

 もう俺達は、この世界では数十億年の長い長い年月を生きていて、そのせいで生き物の一生のあまりの短さを失念してしまっていた。そして、それはこれから生まれてくる元クラスメート達も同じなのだろうと改めて気づくと、なんだか暗くなってしまう。……まあ、彼らが生まれる前から、そんな事を考えても仕方ないんだけども。


 後、あずさはプロトスから

 

 「お願いですから、もうちょっと偉そうというか、威厳がある感じで話してください。こういった時には体裁もまた重要なのですから」

 

 と言われたそうだ。要は圧倒的強者な上に、魔法を授けてくれた存在に対等な立場で話すのは申し訳ない上に恥知らずという事のようだ。

 俺としては、気にしないで良いと思うし、あずさもそう言ったが向こうも引かず、結局本来の姿の時はそういう口調で話し、人間状態の時は今のまま、という事で決着したらしい。

 人間じゃなくなった今にして思ってみれば、人間ってのは面倒な世界で生きてるんだな~っとしみじみと感じた出来事だった。


 あ、ちなみに現在ミストはプロトスの孫の孫の孫に当たる七代目の王が治めている。

 さらに、150年前とはうって変わり防壁が拡張されたことで土地がだいぶ広がり、国民の数もよそで生き延びていた人間達も加わってかなり増加している。また、魔法の技術も発展し、かつて魔物たちに怯えながら暮らしていたとは、とても想像できない程にミストは繁栄しているようである。


 



 そして、話は変わるが150年の間俺自身は、何をしていたのかというと、内外の調査だ。

 なんでかといえば、ミストから帰る途中、夏葉の話を聞き改めて外に目を向けてみようと考えたためだ。

 その結果分かったのは、俺がホントに外の世界に興味がなかった、いや、無さすぎたという事だった。調査のため、いろいろな所に行ったり千里眼の魔法で覗き見てみれば、もう知らないことだらけで、ある森を見てみれば、ファンタジーの象徴の一つであるエルフがいたり、洞窟を見てみればドワーフが住んでいたりと本当になんで今まで知らなかったんだよと自分で自分に本当に突っ込みたくなってしまう程だ。……これからは、マジで外の様子も気にしよう。うん。


 それから、俺の住処でも変化は起こっている。

 まず一つは、俺が居る中心部の木々の大きさが、もはやおかしいことになっていることだ。まあ、これに関してはこれまでずっとそうだったんだけど改めて観察してみると俺の姿が隠れていることに気が付いたのだ。全長が小山を優に超える俺の体が、である。

 いや、普通気づくだろ!! と思うかもしれないが、何分長い間寝転んでいることが多かったから気づかなかったのだ。……俺がバカなわけじゃない、はずだ。

 で、改めてよく観察してみたら、俺が寝転べるようにと作った円状の広場を囲うように、なにこれ世界樹? ってくらい自然法則を完全に無視ったバカでかい樹に成長していた。正直もう意味が分からん。あれか、俺の魔力受けすぎて突然変異でもしたのか?

 なお、その中で一番でかい樹は俺の後ろにあって、俺が一粒だけ自分で埋めたあの樹である。その大きさは他の高い樹々より頭一つ抜き出るほどである。


 それから精霊達にも変化は起こっている。

 前までは、「地底竜ちゃま~」だったのが、「地底竜様、おはようございます~」みたいな感じになり、現在では「地底竜様、おはようございます。それに皆もね」「樹の精霊王しゃま、おはよう~」といった感じに凛々しくなっただけでなく、精霊達から精霊王と呼ばれるようになっていた。……ちなみに他の二人も、それぞれ地、雷の精霊王と呼ばれている。あずさと夏葉のとこもそうらしい。


 こうしてみると、たった150年でもかなり変わるんだな~っと感じる。今の俺の感覚で言えばその程度は一日、二日程度に感じるんだけどな。他の存在にとっては、一生を軽々と超える時間という事なんだろう。


 そんなことを思いながら、この150年は過ぎっていったのだ。

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