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三頭と二十三人への転生記  作者: 水渡
第二章 人類登場
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第41話 人と竜、それぞれの思い

 『ふう~。とりあえずなんとかなったな~』


 現在俺達は、人間達の国ミストを離れ空を飛んでいる。なお、強風で聞こえにくいので念話で会話中だ。


 『ええ。言葉の方もなんとかなったし、なにより女王が思ったより早く出てきてくれたおかげね。それでだいぶ楽になったわ』

 『それにあずさは良い物もらえるしね~』

 『ああ、それな。……しっかし、ホントこの姿で行ってよく話聞いてもらえたよ。若干脅したけどさ』

 『確かに。彼らも怖がってはいたけど、パニック起こして収拾つかなくなるってことは無かったわね。女王が裏で制御していたからなんだろうけど。あれ? そういえば彼らって私達みたいに大きなモンスターって見たことあったのかしらね?』

 『う~ん、どうだろうね。でも私達程とはいかないけど普通におっきいのならあるんじゃない? だって、空飛んでると普通に見るでしょ。それに最初小さかったのが進化して大きくなったのも見たことあるし』

 『え?』

 『え?』

 『へ?』

 『ゴメン夏葉、今なんて?』

 『え? 空飛んでると普通にm『いや、そこじゃなくて』……最初小さかったのが進化してってとこ?』

 『そこだよ。ていうか進化って何?ゲームとかであるような進化ってこの世界にもあるの?』

 『あるよ? というか二人共これまでほんっっっとに長くこの世界で生きてきたのに今まで一度も見たことないの?』

 『いや、外に興味なかったし。後、ほとんど寝てたし』

 『私の場合、一歩洞窟から出れば真っ暗な海底だからまったく分かんないのよね。それに魔物と動物しかいない世界に興味ないし』

 『駄目だ、この人達……』


~~~

 

 『そういや、あずさ。これから定期的にあの丘まで取りに行くんだろ。いちいちめんどくさくないか?』

 『それに関しては、前にも出たけど転移魔法を創るつもりだから大丈夫よ』

 『でも難しいと思うぞ?念話の改良とはレベルが違うだろ』

 『まあ、そうなんだけど……。そこは、なんとしても絵が見たい、欲しい!!って気持ちを燃料に気合で頑張るわ』

 『気合って……あずさらしくないね。もっと理論だてて開発すると思ったんだけど』

 『まだ全然構想が抱けてないから、そう言うしか仕方ないのよね。でも、自分の欲のためなら案外自分自身で思ってたよりも力を発揮できるものよ。だから大丈夫だと思うわ』

 『そういうもんかね~。まあ、完成したら俺達にも教えてよ』

 『いいわよ。あ、でもそれなら今住処に張ってる結界にも新しく転移防止の効果付けとこうかしらね』

 『え?なんで急に?』

 『だって、夏葉がいたずらに使いそうだもの』

 『しないよ!!』


 数日後、あずさは転移魔法の開発に成功した。……ほんと、人間好きな物のためなら頑張れるんだな。まあ、人間じゃないんだけども。


~~~

人間視点

 

 「ふう~。なんとか何事もなく終わりましたね」


 あの御三方が我が国ミストを去ったのを見届けた私は、自宅に帰り寝床に飛び込んでいた。


 「女王様、行儀が悪いですよ」


 そう私に言ってくるのは、私の統治を助けてくれている部下の一人で、名前はレックと言います。


 「だって、疲れたんですもん。あのお三方の機嫌を損ねたら国が消えるんですよ。いつ誰が機嫌を損ねやしないか冷や冷やしっぱなしだったんです」

 「お気持ちは分かりますが……。その代わりに私達はとてつもない価値を持つものを手に入れられたのですよ。それも、絵というほぼノーリスクの物と引き換えで」

 「はい、それに関しては本当に良かったです。民には口が裂けても言えませんでしたが、はっきり言ってこのミストに残された時間は少ないと思っていましたから」


 この国に残された時間は、本当に少ないーーこれは私を含めた指導者層の共通認識でした。

 国を作る前から魔物の襲撃にはあってはいましたが、定住してからはその数は上昇。もちろん、父たちはその覚悟をしてはいましたが、その頻度は想像を超えており国の疲弊は限界ぎりぎり。

 私の代になってからは、いつ逃亡の生活に戻るかという議論までされる状況でした。


 しかし、今回私達が教わった魔法。これさえあれば!!


 「レック。早速で申し訳ないですが、この魔法の錬度の上昇と種類の増加の研究をお願いします。あの方たちの話では我々が教えられたのは魔法の中でも本当に基本の属性、しかも一番優しい初級の物。そしてそれは裏を返せばさらに強力なものがあるということ。ならばそれをものに出来れば、私達の安全はさらに確実なものになるでしょうから」

 「分かりました。早速国民の中から有志を集い、魔法の研究にあたらせます。また、開発出来たものは、兵士に覚えさせ防衛力を上昇させます」

 「ええ、それでお願い」


 こうしてミストでの魔法研究が始まりました。



~~~


 そして余談だが、後の世にこの機関は、人類史上最初の魔法研究機関≪ミストル・マゴニア≫と呼ばれ半ば伝説上の存在として語り継がれることになる。

 

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