第38話 交渉
報告 章にタイトル付けました。これから少しづつサブタイトルの方にも付けていく予定です。
訂正 太陽竜の名前を変更しました。
これからも、よろしくお願いします。
まさか、人間達の頂点である女王が実際に出てくるとは……。
これが俺が一番最初に抱いた感想だ。
もちろん、女王とは接触したいと考えてはいた。実際人間達の話を聞いていた限りでは、誠実な性格と確かな手腕を持ち、又、民達からの信頼も厚いと伺える人間で、彼女を人間との仲介役にできれば俺達の目的を達成しやすくなることは確実だからだ。
しかし、そうはいっても彼女も人間。
この事態を起こしている自分が言うのもなんだが、こういった明らかに実力差がありすぎる状況では、真っ先に逃げ出す可能性も考えていた。
だが、彼女は出てきた。
しかも、見た感じ護衛を一人も付けていない様子で、だ。
正直彼女の事を見くびっていたかもしれない。
……これは、少し気合を入れ直さないといけないな。
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「あなたは?」
あずさが最初にそう尋ねた。
「私は、この国で女王の立場に就いているプロトスと申します。失礼ですが、あなた方のお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「……これは失礼したわ。私はレリーシア。神竜という存在から海王龍の称号を賜った者よ」
「私は、サンレイユ。私は太陽竜っている称号をもらってる」
「俺はグランデルっていう。もらった称号は地底竜だ」
俺と夏葉はあずさにならって、こちらの世界での名前を名乗った。
「海王龍様に太陽竜様、地底竜様ですね。……それでこの国にはどの様なご用件で? 先程は魔法というものを我らに教えてくださるというお話でしたが……」
「ええ、そうよ。私達はあなたたち人間に魔法というものを教えに来た。人類が滅びないようにするためにね」
「……私達が滅びないようにするためにですか。一体その魔法とはなんなのですか?」
「魔法とは……」
魔法とは何か。
そう女王から問われると、あずさは魔法について語り始めた。
その内容を簡単に纏めたなら、下記の通りになる。
一、魔法は魔力を用いて発動すること
二、魔力とは、どこにでもある物で、生物の場合はその量に種族などで個人差があること
三、魔法には種類があり、人により得意不得意があること
「なるほど。魔法というものについては分かりました。そして、魔法を覚えれば魔物から身を守れるようになることも」
「その通りよ。そして、威力のほどはさっき見せた通り。……最もあの威力を出すのは、なかなか厳しいとは思うけど」
あずさの言葉を聞いた女王は、何かを思案しているようだ。とはいえ、この状況では実質答えは一つしかない。
そしてしばらくの思案の後、女王は、
「分かりましたわ。魔法を教わります。……いえ、教わらせてください。私たちはもう敵に怯えたくはないのです」
思った通り俺達の提案に乗ったのだった。
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女王が提案を受けることを表明してからは早かった。
女王の勅令により、防壁内に住む住民を兵士、農民問わず集めたのだ。
初めは、俺達を見て怯えまくっていた住民達だったが、女王の説得により幾らか冷静になっていた。
住民が集まったのを確認した俺達は、魔法を教えるために人間状態に変わった。
何故かといえば、竜の姿で教えるよりも怯えられないし、なにより体の構造も同じになるので教えやすいのだ。
まあ、その代わりに
「うん? おいあれ、前俺達を助けた三人組じゃないか!」「嘘だろ。人間じゃなかったのか」
前助けたのが俺達だとバレたんだけども。
『やっべ、そういや前助けた時、人間状態だったの忘れてた』
『まあいいじゃない。おかげで警戒感がかなり薄れたようだし』
『だね~』
とりあえず、バレたことは気にせず、むしろ警戒感が薄れてくれてラッキーと思うことにした。
「それじゃあ、これから魔法を教えていくわ。教えるのは火、水、雷、土の属性の魔法よ」
そして、俺達による魔法指導が始まった。




