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三頭と二十三人への転生記  作者: 水渡
第二章 人類登場
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第32話 人類へ魔法を

総アクセス数一万超えました。ありがとうございます。これからも、頑張ります。

 「……ふう、ここまで来れば大丈夫かな……」

 「たぶんね。でも一応周囲には気を付けておきましょう」

 「もう、二人共遅いって~」

 

 結局の所、逃走自体は簡単に成功した。

 

 だって、俺たちは最速では夏葉の光速、最も遅くてもあずさの音速といった人外の速度で動ける魔法を使ってるのだ。

 それに対し、人間側は走ることくらいしか出来ないだろう。

 お互いの速度の差は歴然。これで逃げ切れないほうがどうかしてると思う。


 が、問題なのはそこでは無かったのだ。


 「さて、なんか思わずといった感じで、あの人達を助けたまでは良かったんだけど……。これからどうする?」

 「そうね……。はっきり言っちゃえば、今の人間達の実力じゃ次魔物に襲われたらひとたまりもないことは明白。そのことを考えたら、出来ることなら彼らに魔法を教えたい。または教えるまではいかなくても魔法という存在を彼らに伝えたいと思ってる。……でも、私たちは今回のことで顔を彼らに見られてしまった。しかも、自分達がまったく歯がたたなかった相手を軽々と殺していくっていうかなり悪いタイミングで。人間っていうのは自分より明らかに強いものを遠ざけたがるから、今彼らに会いに行っても、確実に武器を向けられるでしょうね」

 「はあ~、そうだよね……。でも、早くしないといけないのも事実でしょ?」

 「……あ。精霊達はどうだ?あいつらなら顔は見られてないし、今じゃ魔法も軽々と使いこなすようになってたから、教える事も出来るんじゃないか?」


 俺たちの住処で生まれた精霊達は、現在結構な数になっている。どうやら、俺たちが寝ている間に、最初に生まれた三人と同じ原理で生まれたらしい。

 そして、最初に生まれた三人に関しては、それぞれの属性と同じ属性しか使えないようだが強力な魔法が使えるようになってた気がする。

 まあ、最初に言葉を教えて「地帝竜しゃま~」と言っていた頃から、何気に百年以上経っているのだ。……最近百年が数日のように感じるようになってしまっているが。


 閑話休題


 「う~ん。精霊は精霊でいろいろ問題がある気がするわね。それにあの子たちがやってくれる保証もないし」

 「だよね~。それにここからじゃ、精霊がいる住処まで遠いよ。転移魔法でもあれば別だけど……」

 「あ~、転移魔法の開発は今後の課題にするとして……。やっぱダメか」

 「ここはやっぱり、何とか話をしてみるってのはどうかな?」

 「話すったって、夏葉……。あなた人間達の言葉分かるの?」

 「あ……。そっか、日本語じゃないんだ……。どうしよう、八方ふさがりだよ~」

 「あ~~、もうめんどくさい。……もうさ、本来の姿で出てちゃって、無理矢理教えちゃったらどう?」

 「いやいやいやいや、もりっちそれはダメだって~」

 

 「いや、案外ありかもしれないわ」


 「えっ!! 嘘、どうしちゃったのあずさ!! もしかして、ついにあずさも考えるのめんどくさくなって、投げやりになっちゃったの? もうまともなのって私だけ?」

 「夏葉、落ち着いて……。私がありっていったのは竜の姿で彼らに接するっていう所であって、無理矢理教える所じゃないわよ」

 「いや、でも……。竜の姿で会いにいったら、人間達腰抜かすと思うよ」

 「もちろん、ただ会いにいくだけじゃないわ」

 「とゆうと?」

 「念話(・・)よ」

 「「念話?」」

 「そう念話。それで会話するの」

 「え……? いや、だって念話って実際の会話の延長みたいなもんでお互いの言葉が分かんないと伝わらないと思うんだけど」

 「もちろんそれは知ってるわ。だから改良するの。それと勉強もね」

 「いや、改良って。そんなに簡単なことじゃないぞ」

 「でもある程度の目星はついてるわ。要は、自分の気持ちを直接相手に届ければいいのよ。前の世界では無理だったことだけど、この世界には魔力がある。それを利用する。……だけど短時間で、完璧にっていうのは現実的に考えてなかなか難しい。だから、それと同時に新しい言葉を勉強するの。目標は、一週間」

 「いや、厳しいって!!」

 「それに一週間人間が魔物に襲われない保証もないよ!」

 「それは大丈夫。結界張っとくから」

 「え、じゃあ、そのまま結界を張り続けて陰ながら守るで良くない!?」

 「それはダメよ。悲しいかな、人間の技術ってね、争いが多ければ多いほど進歩するの。それは、前の世界で照明されてるわ。だから、私達が陰ながら守り続けていたんじゃ彼らは進歩していかない」

 「うっ……」

 「私たちが、やるべきはきっかけを彼らに与えること。……さっきは、思いっきり関わっちゃったけど、今回はきっかけに留めるべきだと思う」

 「……」 「……」 「……」

 

 短い沈黙。そして……



 「分かった」

 「うん。勉強は苦手だけど頑張るよ」

 「二人ともありがとね」


 こうして、俺たちは動き出した。


 



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