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三頭と二十三人への転生記  作者: 水渡
第一章 始まり
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第15話 作業

俺たちが三手に分かれて魔力を流しこみ始め、それが終わるのにかかったのは五十年だった。


もちろん、五十年間ひと時も休まなかったわけじゃないのは、いうまでもない。が、必要最小限の食事時間や魔力回復のための休憩、睡眠時間を除けば、ほぼ全ての時間を費やした。


また、五十年の間にはいろいろなことがあった。

 

まず、年月が経ったことで魔力量が上昇した。これにより、一度に流し込める魔力も増え作業の効率が良くなった。これは、俺だけではなく他の二人も同様で休憩の時間に二人に超長距離念話という魔法を使って確認したから確かだ。ぶっちゃけ、俺たちの魔力量が上昇していなかったら、下手したら作業完了まで百年はかかっていたかもしれない。

 

次に、海音寺さんの予想よりも魔力の通り道を広げるのには、時間がかかることが分かった。最初の予定では、最速で五年、遅くても十年くらいで終わるだろうと思われていたこの作業だったが、想定していたよりも通り道は狭かった上に、固くなかなか広がらなかった。作業を始めて、十年が過ぎると自分の見通しが甘すぎたと、海音寺さんが念話で何度も俺と風鳥さんに謝ってきたのをよく覚えている。どう励ましたものか、四苦八苦したものだ。

結局その後、風鳥さんと二人で話した結果元通りに戻ったのだが。

 

そして、先に挙げた二つよりも強烈に俺のインパクトに残っているのが、隕石が衝突したことだ。

そう、隕石が衝突しやがったのだ。


それは、作業を始めて四十年くらい経った頃だった。

突然、それまで暗かった空が輝いたかと思うと、ズッドオオオオオオオン!!!という凄まじい音と振動が俺たちを襲った。幸いにも隕石が落ちたのは三手に分かれたその中央付近だっため、全員被害はなかった。

 

しかし、作業を中断し慌てて駆けつけた俺たち三人は見た光景に思わず固まってしまった。

そこにあったのは、半径が数百メートルはあるクレーターが出来ており、さらに隕石が落ちた場所と思われる中心部からまるで蜘蛛の巣のように地面に無数の亀裂が走っていた。


「すごいな、一発当たっただけでこれほど被害か」

「ええ、想像以上ね。隕石が落ちてきた時に見たときには、そこまで巨大って感じじゃなかったんだけど……」

「ねえ、なんで二人共、そんな冷静なの??やばいって、今この星の自己修復能力、機能してないんでしょ。次これよりおっきいの落ちてきたらまずいって!!」


風鳥さんの声に俺たちは我に返った


「!! ゴメン、ちょっと圧倒されてた……」

「そうね、今は対処法を考えないと」


「とりあえず、最初に思いつくことは、自己修復能力を機能させることなんだけど……。それぞれ作業の進み具合は?」

「俺の方は、通り道がだいぶ広がってきたかな。それに魔力の方も結構たまってきてる」

「私の方も結構広がってきたよ。魔力の方も同じ」

「そう。私の方も同じくらいよ。……このペースならあと少しで本来の機能には及ばないまでも自己修復能力が機能しだすはず」

「なら、急いで持ち場に戻って作業を再開した方がいいな」

 

 そんな感じで話し合った後、俺たちは急いで持ち場に戻り作業を再開した。

 隕石が落ちる前よりもいろいろと食事などの時間を削り、ペースを上げた結果、少しして星の自己修復機能が動き始め隕石が残した傷跡は少しずつだが消えていった。




そして、現在俺たちは再び集まっていた。


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