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三頭と二十三人への転生記  作者: 水渡
第一章 始まり
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第10話 神竜と闇竜

本日二話目

ちょっと、長め

 俺たちは神竜が作った異空間に入り、星へと向かった。


 そして、星に到着して少し経った頃、ついに奴が来た。

 

 その竜の印象は、黒、だった。


 闇竜の大きさは、神竜とほぼ同じくらいで、その身を覆う鱗は漆黒で鱗の一つ一つから黒い靄のようなものがにじみでていた。ほんとうに大きさ以外なにかもが、神竜と真逆といえる存在だった。

 俺は、異空間の中から闇竜を見てそんな印象を抱いた。


 そして、異空間の外では今まさに戦いが始まった。


 お互いがお互いの存在に気づくと双方共向かいあって飛びにらみ合う。

 最初に動いたのは、神竜だった。


 神竜の体の周りに光の玉が十数個浮かぶとそこから光線が闇竜に向かって飛んでいく。

 それに対し攻撃の気配を感じ取っていたのか、闇竜はその身に黒い膜を纏った。

 光線がその膜のぶつかった途端に光線は膜に吸収されてしまい、今度はその膜から先程の光線が放たれ逆に神竜へと向かっていった。神竜もまた未来視により攻撃される未来をみ、それを回避する。

 神竜に躱された光線はそのまま、宇宙に無数に浮かぶ岩塊を消し飛ばしながら進んでいき、数キロメ先でかき消えた。

 

 二頭の竜は、光線には目も向けず、次の攻撃へと移っていた。


 闇竜が、黒い球を無数に作り出し神竜に向け放てば、神龍は極太の白雷を放ちそれを消し去り、そのまま闇竜へと攻撃する。闇竜は先程と同じように黒膜を張り、白雷を吸収するとそれに自身の闇魔法を付与し、神竜に向けて解き放つ。

 その一撃一撃の威力は凄まじく、最初の光線などただの小手調べに過ぎなかったことをありありと俺たちに見せつける。


 「すごい……」


 隣の風鳥さんの口からは、そんなつぶやきが漏れ聞こえる。

 うん、そうだ。確かにすごい、すごすぎる……。

 その戦いを見た俺はほんとうに神竜の後を継ぎ、この星を守っていく力があるのかと、自分に疑問を抱いてしまう。風鳥さんの表情にも不安の色が浮かんでいた。


 そんな時、俺と風鳥さんの背中に軽い衝撃が走った。


 驚いて、それを行ったであろう海音寺さんを俺たち二人が見る。

「二人とも、何を今更不安そうな顔をしてうつむいているの? 神竜や闇竜が私たちなんかより、遥かに高いところにいることなんて分かりきってたことじゃない。今は、不安を抱いてる場合じゃない。目の前で行われている戦いから自分達に吸収できるものはないか、顔をあげて考えるときよ。しっかりして」

 

 その言葉に俺は驚いた。海音寺さんも俺たちと同じ立場なのに、そこまでしっかり考えてこの戦いをみていたなんて……。俺は自分自身が情けなくなった。

 でも、言われた通り今は少しでも目の前の戦いから学ぶべきと思い直し自分に活を入れた。見れば風鳥さんの顔からも不安の色が消えていた。

 

 そのまま俺たちは、戦いに目を戻した。


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