階段的ノスタルジック 前編
僕は懐かしさをこの階段から感じていた。一体、どうして僕はこんなにも懐かしいと感じてしまうのだろう。こんな苔むした、ところどころひび割れている、こんな階段を見ただけなのに、どうしてそんな風に思ってしまうのだろう。嗚呼、なんでこんなにも悲しいのだろう?
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僕は列車に乗っていた。しかし、しばらくたって、僕は誰かに揺さぶられて起こされる。「起きてください。」僕はその誰かを、寝ぼけ眼で見つめていた。その誰かを眺めてしばらく、僕はその誰かが駅員さんだってことに気が付いた。「終点ですよ。起きてください。」僕は起き上がり、あたりを見渡した。そして僕は今の状況を把握した。嗚呼、なんてことだ。僕は最近、十分に眠れていなかったから、そして列車の揺らぎがあまりにも気持ちがよかったから...。
僕の腕を通り抜けていく磯の香り。遠くから聞こえてくる、波のさざめき。そして、遠くから聞こえてくる人々の喧騒。僕は駅前のベンチに座り込んでいた。僕の額を汗が拭う。時刻はもう15時を過ぎ、昼下がりの今の暑さを嘲笑うようなセミの声がそこら中から響いていた。僕は近くの自動販売機で、150円の麦茶を購入し、それを一息で飲み干した。(嗚呼、どうしようもない。)僕は、うなだれているのをやめて、このベンチから立ち上がった。その時、そんな僕の前を誰かが通り過ぎた。彼女は浴衣を着て、その手にはイカの串焼きが握られていた。その時、彼女はこの僕の視線に気づいたのだろうか?彼女はこちらを振り返って、歩きながら微笑んだ。
どうやら、この先の神社でお祭りをやっているらしい。そのお祭りは、この町全体に漂っている雰囲気から、とても活気に溢れてそれでいて趣があるような、そんなお祭りなんだろうなって......僕はその祭りに行くことに決めた。これも何かの縁なのだろう?なんて、思ってしまえば僕が寝過ごした電車のことだって、いい思い出として上書きすることができるだろう、って思っていたから。
屋台の鉄板から漂うソースの匂い。それはとても香ばしく、食欲をそそる匂いだった。嗚呼、そう言えば僕は昼食を抜いていたな。僕は近くの屋台で売られていた、イカ焼きそば(750円)を買い、そこら辺のベンチに座り込んで、食欲の欲する勢いに任せて「いただきます。」その焼きそばは思ったよりも味が濃いために、イカの風味を感じることはできなかった。でも、僕はこの焼きそばが好きだった。今まで食べたどんな焼きそばよりも、この焼きそばには暖かみがあったから。
読んでくださってありがとうございます。
次回予告 (仮称)
参道に続く階段
ラジオ
鉄アレイに詰められた氷と瓶ラムネ
次回 階段的ノスタルジック 後編
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次回予告
すべてをフィクションにしてしまおうよ。
動き出す時間、
彼女はもう死んでいた。
僕は僕を諦めることなんて出来ないよ。
次回 三時十三分




