ep.200 ”今まで”の時間遡行 Do I ...?
今までの登場人物 (名前つき)
土井中条、今生希代、宇津野潘、尺匙豹、弐趾原天光、﨑野夜見、跡野預御、時田一郎、時田次郎、時田三郎、懸餅港、懸餅蒼汰、久留智海、宇野壱、ウノ、ドゥクス、矢表晃、サー、四面蒼汰、アトロ、五月雨丹、イブ、尺解放、ゼクス、六波羅万華鏡、セプター、タリスマン、九留智海、クロウス、A、赤坂港、赤坂預御、天肴翔、0、1、神様、﨑野預御、橘壱、波切翔、クアトロウス、リード、天翔、橘自由、アタシ、土伊中条。
詳細
どこにでもいるようで、あなたはどこにもいなかった。あなたは私の、私たちの抱いていた第一印象をまさに裏切っていくように、生きていたんだ。あなたはこの世界を切り開くナイフ、そのものだったのに。一体どうして、あなたはナイフを握っているの?まるでそのナイフをあなたの証、あなたの心の存在証明だって、象徴しているようにッ!あなたは私の道具、この世界のシステムなんだよ。そう、あなたの心に意味なんて無いんだよ。わかるでしょう?そんなことに意味なんて無いってことがさッ!なのに、どうしてあなたはそのナイフを握りしめているの?やめてよッ!私は、そんなナイフでなんて殺されたくなんてないんだよ。私は、他でもないあなたに、紛れもないその手で、私をめった刺しにしてほしかったのにッ!嗚呼、最悪だ。私が生きてきた意味がすべて無駄になってしまったよ。他でもないあなたのせいで、あなたの心のせいでッ!
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私はその残骸を見て思い出した。それは、私がかつて手にしていたかつての奇蹟、その残骸だったことを。その奇蹟はそれを目の当たりにしたのが誰であったとしても、それはまさしく奇蹟だってわかるような概念だった。だが、その奇蹟を見なければ、誰もその概念を具体的にイメージすることすらできない、まさにそんな存在だった。そうか、私はこの奇跡から逃げて、忘れてしまっていたんだ。でも、どうやら完全に逃げることなんて出来なかったんだ。嗚呼、私は、私自身を結果的に貶めただけじゃないかッ!
→次の瞬間、私は笑っていた。高らかに、どこにもただりつくことのない空虚な笑い声を...
「アハハハハハハッ!」それは私のこころに自然に湧き上がった、戸惑いを、そんな衝撃を受けているこの自分自身を馬鹿にしてしまうような、そんな笑い声だったッ!
→私を彼女が、僕の前の彼女が、僕の前で死んでいる彼女が、その瞳がそんな高らかな笑い声を見つめている。その私を見つめている視線は、私へ問いかけているようだった。「どうして?どうして私はここにいるの?どうして私はこんなにも広い、広い広大な世界を前にしているのに、こんな居場所が無いような閉塞感のような感覚を抱いてしまっているの?嗚呼、どうして私の心はままならないで、そんなわだかまりがこの私に向かって凶器を振りかざすの?一体どうして、私は生きているのッ!」私は黙ってそんな、誰かの断末魔を聞いていた、なんて馬鹿なんだろうって思いながら。一体どうして、そんな問いかけをすることができるのだろう?そんな答えのない問いかけを...この問いかけを言い放った誰かは、この問いかけに答えが存在していると、答えてくれる誰かがいると、まさに救いがあると、思っていたのだろうか?嗚呼、そんな問いかけは救いなんかじゃない。むしろそれは、心の中の絶望を一層強いものにしてしまうだろう。そう、その問いかけに答えなんて無いのだから、そんな問いかけに答えがあるなんて思いこむことは、思い込んでそんな問いかけを零すことは、どれもこの今を誤魔化すための言い訳に過ぎなかったからッ!「だから死んだんだよ。お前はッ!その問いかけは胸に秘めているから、向かうべき理想にして、思い続けるから意味があるっていうのに、その問いかけを声にした瞬間、それは諦めることと同じになってしまうというのにッ!」
→繰り返される記憶、いつしか、全く同じの何度も繰り返される記憶は、一つの絶対的な記録へと成り果てるだろう。そして私はその記録を見て、笑ってしまう。「私がここにいることに意味なんて無かったんだッ!アハハハッ!」私はその記録の中で、決まって同じ動きをする、不自由な私の姿を見てしまうだろう。それはまるで人形のようでッ!「嗚呼、私は生きてなんていなかったんだッ!私は、私の所為で、この生きている実感を、こんな運命なんて宿命なんて監獄に、自分から入ってしまったんだッ!」私の心は私が創り上げたものだった。なのに、私はこの私の自業自得の所為でッ!「私の心を成していた、私が今まで積み重ねてきた記憶は、そのすべてが塵芥になってしまった。私が私だって認識することができるような、そんな経験はすべてが茶番に成り果てて、生きていた実感なんて幻想に成り果てて、嗚呼、まさに私なんて消えてしまうようだよッ!なんて馬鹿なの?私は仮初の幸せで満足していれば、こんなことにはならなかったのにッ!そう、私が感じていたそんな幸せが、幸せだってわからないただただ生きているそのままで、私はそのままでよかったんだッ!」
→その時、私を貫いたの包丁。それは私の胸に深々と突き刺さった。私は戸惑って周囲を見渡すと、ここは、嗚呼、ここはあの書店だった。「邪魔をするなッ!」横たわる私を見下しているように、二人の男が立っていた。「ついに僕はこの報いを返すことができたんだッ!」私、ワタシは、死ぬのか?私の胸から溢れ続ける赤い液体、私はその液体を見た瞬間、おぞましいような、それでいてどこか納得するような、そんなように感じてしまっていた。嗚呼、そうか、これが私。こんな死を前にしても、冷静でどこか他人事な...これが私の正体だったんだ。その時、私の胸を貫いていた包丁が変化する。そう、それは包丁じゃない、ナイフへと変化した。その瞬間、私の中に浮かび上がるデジャブッ!それは、記憶、感情、心に頼らない、意思を持つこころ、魂の形そのものだったッ!
→彼は笑っていた。この真実を前にして笑っていた。その手にはナイフが握りしめられて、彼はそのナイフでこの建物の中にいた人を傷つけていった。私の身体が血まみれになっていく。気持ちッが悪い、なんておぞましいのだろう。そう、私は思っている、そう思いたいのに、どうして私のこころに湧き上がるこの気持ちは、この今を楽しんでいるような、この気持ちはなんなんだっていうんだよッ!「フフフ。どうやら、お前にとっての救い、あの水族館の出来事は、巡り巡ってお前を殺すようだなッ!」「お前は、お前は誰なんだッ!」「私は悪魔だッ!お前は私の贄と成り果てて、堕ちろッ!」
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私は起きる。瞳を開けて、そこに広がる今を見つめる。「いい目覚めだ。まるで長い長い、夢から覚めることができた、そんな良い目覚めだッ!」私はいつものように、ルーティンをこなした後、ベランダに立って、そこから眼下に広がっている町並みを見ていた。頬に冷たい風が伝う。私はそんな風を感じながら、そのベランダを囲む塀の上に立って、そこから一歩踏み出した。
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