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タイム・スパイラル  作者: やあやあやあ


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127/131

Epigraph. Ⅳ 時間遡行 #1

予言の書

これからのタイム・スパイラル。

これからの登場人物


土伊中条、三人の咎人、1、2、3、4、5、6、7、そして0。

(彼ら以外の存在の明記はこの書において邪魔になるであろう。そう、彼らの存在はこの書を携えたものにとっての誤魔化しでしかならない。それまでにこの予言は絶対であり、約束された運命である。)


約束の時、それはこの世界の消滅である。特異点である彼を起点に動き出す再生、咎人の存在を、彼らの原罪からの救済とともに解放する。そしてかつての世界はかつての存在とともに復活するで在ろう。


第一章 世界消滅

観測者、それは記憶の海を漂うテセウスの船に過ぎない。そう、彼らの存在はかつての神の契約のパロディであり、リスペクトではない。そのため、彼らの罪は消えず、大きくなりてその身を滅ぼさん。


未来ではタイムマシンが完成するであろう。しかし、それは偽である。それはラプラスの悪魔が元型に基づくモチーフ、その再生をしているに過ぎない。それによって彼らはまるで神になったと感じるだろう。しかし、逆説的に彼らは知ってしまう、すべての真実を、原罪の正体を、そしてそのために彼らは彼らが見つけた楽園から追放されてしまうだろう。記憶をなくし、その失くした記憶の中で笑う彼ら自身の存在によって首を絞められて死んでいくのだろう。しかし、愚かしい彼らはその選択をすることができす、自分の存在を保証できる牢獄へとその身を貶めることになろう。


神の記憶、それはタイムマシンを作りだした男の手によって暴かれる。そう、彼がかつての神、その最後のイデアと成ろう。彼に感化された信奉者が彼の道具と成りて集まらん。そして、その影も同時に現れん。かつてその身を悪魔との契約によって堕とした咎人”死人”の群れが彼らの行く手を阻むだろう。そして彼らの手には、その悪魔との契約の代償が、その彼ら自身の存在と、今と言う時間をともにした心中と言う名の爆発でもって、消滅へと導くだろう。彼らは自身の存在を持たない。言い換えれば、彼らは無である。彼らへの攻撃は、”悪魔の証明”を意味する。そして、その証明に対する報いは、今を蝕む毒と成ろう。その毒は、爆発でもってこの世界、積み重ねられた今の消滅を引き起こす。それは世界の終焉、約束された希望でなく、忌むべき絶望である。


『無に触れること勿れ。触れた瞬間、無は有を侵し、有は無へと変わり果ててしまうだろう

 無を見ること勿れ。彼らを見ることは、己の心を、そこに宿る無を見てしまうことになるだろう。』


その結果、タイムマシンの存在は消えてしまうであろう。彼らはタイムマシン(荒唐無稽な作り話)が消えてしまったがために、自分の存在、その要素が曖昧に成り果てていくであろう。彼らは自分の存在を一つの証に委ねることとなる。それは占星術を用いたかつての動きの再現、その傷跡の証”アミュレット”である。彼らの幸せが宿りし、今には、明らかに存在しない彼らの存在、その核と言うべきものである。


彼らの一人はビルに囲まれた町にいる。そう、そこは彼がかつていた場所だった。

彼らの一人はかつて牢獄の痕が残った雪原にいる。そう、そこは彼らがかつていた場所だった。

彼らの一人は誰もいない、海に囲まれた孤島にいた。その孤島から彼女はその海に溺れている誰かを見るだろう。そこに溺れている一人の男を......彼女は彼を知っている。そう、彼は彼女の絶望の象徴、彼女は彼を目の当たりにして逃げてしまう。そう、彼女が忘れるはずのないあの場所へ。


第二章 消えた仲間

町にいる彼はそこで敵と出会うことになる。その敵の名は港。彼はそこで死ぬことになる。

牢獄にいる彼はそこで記憶を失い閉じ込められることになる。

逃げた彼女は逃げれない。彼女は記憶を失い、そして彼女はそこで死ぬことになる。


第三章 タリスマン

記憶を失いし彼女は、その男と話した。しかし、彼女はその男の顔を見ようとしない。彼女の心の中の独白は彼から目を逸らしたいがための言い訳に過ぎなかった。男は彼女に何かを伝えようとするが、その行為はすべて無駄な行為だった。そう、そしてその男は諦めた。


第四章 夢

彼らはあの男の手のひらの上で死んでいた。彼らの存在は、死が無から有へと変えてくれるだろう。回収される彼ら、彼らはベットの上に寝かされて、そこで夢を見るだろう。そう、一生終わることのない夢を。


第五章 港

彼は、彼女と出会うだろう。そして、そこに出てくるかつての彼女が握りしめているものを取り戻そうとするだろう。たとえ、どんな手を使ったとしても......そして彼は彼女を殺すことになる。しかし、それは遠回しの自殺に他ならなかった。


第六章 夜見

諦めた彼は彼女を殺すことを決意した。彼はすべてを思い出し、彼女の前に罪としてそれを突き出した。彼女の心に湧き上がる感情、それは自分自身への達観、諦め、そしてそれが導く殺意だった。天使がささやく。それは祈り、まさに祝詞。「死んでしまえよ。」嗚呼、なんて心地がいい響きなのだろう。しかし、彼女の悪魔のささやきが、その天使のささやきをかき消してしまうだろう。彼女はもう死んでしまっているというのに......彼女は彼女の天使の導きによって、彼女自身への殺意に従って、ひいては彼女のデストルドーによって死んでいくのであろう。


第七話 魚

死んでいる彼は彼女と出会うだろう。そして、そこに出てくるかつての彼女をもう失いたくないままに抱きしめるだろう。そう、彼は彼女に触れてしまった。そう、そのせいで彼女は......。彼はもう動けない。いや、動くことに意味を見出すことがもうできない。彼はもう自分を許すことなんて出来ないのだろう。彼が彼女に近づくための足をズタズタに引き裂いていく。彼はもう諦めていた。そんな彼にとって、自分の手を引き裂くのは、彼女を抱きしめるための手を引き裂くのはとても簡単なことだった。そう、助けを呼ぶことなんかよりずっと......彼はそのまま彼の心だって簡単に引き裂けるはずだった。しかし、次の瞬間、彼は思い出すだろう。彼女の横顔を、死んでしまった彼女の横顔を。彼はもうできなかった。そして、彼は彼の自分勝手なこの感情を殺すことを選択した。次の瞬間、彼の手は、足は動き出す。彼は惨めったらしく這いつくばった己を蹴飛ばして、この場から去っていく。


第八章 電車

彼は電車に乗っていた。真実にたどりつくために。そう、彼はその代償をもうすでに払っていた。「選択してよ。対価は記憶。」

「あなたは何かを探していた。」そう、それは真実だった。「私は知りたくなんてなかった。」だけど、今を生きるためには必要不可欠なものだった。「嫌だったんだ、知りたくなんてなかったんだッ!」だけど、彼は選択した。この真実を直視する選択をッ!「私は思い出したくなんてなかったんだ。」しかし、「思い出してしまった。」無知蒙昧の彼は笑う。その笑みはこの電車を照らす夕闇の様だった。「そう、だからもう私はあなたの前に現れることはないよ。」

そう、真実は残酷でどうしようもない”本当のこと”だった。彼はその真実を呑み込むことができないでただ今を茫然と見ていた。そしてその茫然としていた彼を誰かが見ている。「なんでこちらに来たんですか?私を生き様を笑っているんですか?」真実を知ってしまった彼は、その顔に薄ら笑いを浮かべてしまっていた。そう彼は無意識に、無知蒙昧の彼を嘲笑ってしまっていた。彼にとってその男はあまりにも滑稽で、あまりにも馬鹿で、それでいてどこかかわいくて、そのために憎たらしいものだった。「あなたは目障りだ。あなたは無責任だ。この状況は自業自得なんだ。」彼は見てしまった。彼の瞳にうつる真実を、そしてその真実によって彼の瞳は焼かれてしまった。失明した彼は、その場でうずくまっていた。


第九章 走馬灯

ある意味、俺は死んでいた。そう、俺の心はあの時のままで止まってしまっていた。彼が死んだあの時から......そう、俺は死にながら生きていたんだ。俺はアルバイトをしていたあの時を思い出すだろう。そう、これは走馬灯だった。俺がこの真実に、この本当のことに気づいて死にたくなるまでの走馬灯だったんだ。


第十章 暗黒の刻

天使、それは神が創りし人々を感化させる”ヌミノーゼ”である。神の威光を知ろしめし、この世界の主、その存在の証明、その証である。

しかし、彼らの神は死んだ。彼ら、その存在は無意味無価値であった。彼らは耐えられなかった。彼らの存在、その無意味さに......

彼らは神をよみがえらせる計画を立てた。それはヒエロファニーの刻、その再現だった。しかし、その儀式は失敗する。彼らは感情生命体である。彼らにとっての身体的特徴は自身の存在を定義する際において重要視しなかった。そう、そのために彼らの今の性質は無に、言い換えれば彼らが忌むべき”悪魔”としての性質に近いものだった。生への渇望、それに対する言い訳を並べ立てる姿が、まさに彼らが見下していた咎人と重なった。「我らは天使。原初の神の使者。契約の時は来たれり。」契約、そうだ、彼らは自分たちの記憶を差し出し、神をよみがえらせようとしていた。そう、彼らは神のために死んでしまおうとしたのだった。しかし、そんな儀式に意味なんてなかった。無から何も生まれないことは、彼らが一番よくわかっていたはずなのに......

天の魚の啄みはこの世界に隠れた神の世界、そのベールをはがすことだった。しかし、今その啄みはこの世界にひびを生み出し壊していく行為になってしまっていた。そして彼らの頭上に広がる八つ裂きに引き裂かれた空は、彼らが唱える祝詞、いや、その性質は悪魔が唱える呪詛に近いようなものになって、その声に従って深く惨たらしいものへと変わっていく。それを目の当たりにしていたのは、彼らだった。世界の終末、そこに現れた三人の能力者。やはり、毒は、毒を以て制すに限る。そう時田は笑っていた。

飛翔する夜見、命を懸ける希代、そしてその姿をただ眺めていた宇津野。彼は知っていた、このトランス能力の意味を。これは無への供物、罪の垢趾に他ならないってことが。しかし、彼の気持ちとは裏腹に夜見は諦めなかった。生きることを、たとえもう死んでいたとしても、彼女は今を、そして積み重ねてきた他でもない彼女自身の今までを信じていたから。そして希代はそんな彼女を信じていたようだった。

俺は何をやっているんだ。どうして俺は動くことができないんだ。「だって、俺の能力はただ外見を好きなように変えるだけの能力、意味なんてないよ。」「本当に?恥ずかしくないの?みっともないって思わないのッ!お前はいつもそうだった、お前はいつもそうやってただ眺めている傍観者だったんだよ。」

その時だった、俺の頭上で断末魔が響いたのは。

「いやァァァァッァ!」俺の目の前に堕ちてきた何か、そうそれは夜見の死体だった。彼女の死体を見て俺はもう呑み込みざるを得ない、この現実を、そうもう俺は死んでしまっているということをッ!

俺の目の前は真っ暗になっていた。なぜなら、俺の手が俺の顔を覆っていたからだ。「やっと気づいたのかい?」彼女の死体は何年も前には死んでいたかのように腐食が進んでしまっていた。俺は俺の顔面を覆っている俺の手を見た。その手は腐っていた。そう、俺も腐っていた。そう俺の心はもうずっと死んでいたんだ。ただ、それを今までずっと見て見ぬふりをしてきたんだ。彼女の言う自由は、彼女が放っていた眩しさは、受動的に待っているだけで訪れるわけがない。そう、死ぬための覚悟だった、そう逃げるための覚悟じゃなかったんだ。そうさ、俺は無責任だった、そう俺はかつてもう契約をしていたんだ。「ようやく思い出したのかい?」俺は無知だった。契約したあの時、俺はその意味を理解していなかったんだ。そう、ただ彼女のためになると思っていたんだ。しかし、それはただ俺自身のためだったんだ。「フフフ。」(その声は笑っていた。)与えられた覚悟に意味なんてない。与えられた力に意味なんてない。そうだ、この力は俺自身の力だったんだ。俺が幸せになるための力だったんだよッ!

幸せ、それは今までの過程で犠牲にしてきた(殺してきた)今までの自分を、その過程が導いた結果でもって肯定し、そして受け入れた状態である。

彼を中心に空間がうねり、渦を成す。そう、彼は生まれ変わったんだ。二度目の契約(死)を受け入れ、彼の原罪と向き合って、そしてそのために彼は覚悟を手にすることができた。どんな闇をも照らす白銀の光をッ!

天使は何が起こったのかわからない。そう、彼らが求めていた光を、彼らにとっての悪魔が纏っているからである。「認められない。」彼らはそう呟いていた。その瞬間、彼らの八つ裂きにされた空を覆い隠すように現れた漆黒の渦、それは彼らの狼狽と現実逃避が彼の纏う光によって投影されているようだった。そう、この闇は原罪、こころに宿る本能だった。そう、これはまさに純粋無垢な誤魔化しのきかない感情、限りなく無に近い絶対的な有だった。それを前にして天使の攻撃は、その天使が持つ無意味な感情は消滅する。口から真っ黒な液体を流し倒れていく天使。「神は死んだ。こんな簡単なことをようやく理解したようだな。そう、お前たちの儀式は、契約は、お前たちが死にたくないがための儀式だ。そうだ、この儀式に意味なんてないのさ。お前たちは神が死んだ時点で、無になっているから、そう、死んでしまっているのだからなッ!そうさ、お前たちはお前たちが今まで嘲笑っていた俺達と同じ存在になってしまっているんだッ!本当に滑稽で愚かしいよ。」その声に頷いた一人の天使。「嗚呼、その通りだ、こんなことは無駄なだけだ。」「じゃあ死ねッ!」ゼクスは死んだ。他の天使も死んでいった。しかし、たった一人、ウノは諦めきれていなかった。「まだだッ!俺はまだ死んでなんかないッ!未だ数多の信心と天を生み出す魚の軍勢は手の中だッ!」俺を取り囲むトビウオ。「お前は所詮一人だ。多勢に無勢。この軍勢を一人で止められるかよッ!」その時、どこからともなく声がする。「多勢に無勢。それはあなたの方ですよ。ウノ。」その時空間を引き裂くように現れた裂け目。そこから現れたたくさんの軍勢、そう彼らはオリジン・ケイオス。そして彼らの中央で笑っている一人の男”時田”。「時田?どうしてお前は確かに死んだはずだッ!」ウノは声を震わせていた。時田が手を掲げる。その刹那、トビウオが散っていった。「残念。あの言葉は、あの時だけのものなんだよ。」彼は手に何かを持っていた。それは一冊の本だった。

~~~

「おい?土井?」土井?何を言っているんだ?俺は宇津野だ。「時田?どうしてお前がここにいる?」「おい、土井?今、その冗談は笑えないよ。はやく、彼に止めを刺せ。」その時、その時田の言葉、消えたタイムマシン、今の状況、無の存在、計画、そして謎の声。嗚呼、すべて思い出した。

「黙れ。俺は弐趾原だ。」俺は持っていたナイフで自身の左耳を切り落とす。そしてそのナイフを時田に突き立てた。しかし、その刹那、時田は俺の背後に回り込んでいた。「なるほど?どういう理屈か知らないが、生き返ったようだな。だが......」俺の周りを取り囲む軍隊が銃口をこちらに向けた。「この状況でお前に何ができるというんだ?」彼は腕を掲げた。そしてその刹那、俺の身体に数千もの風穴が開いた。「お前は中途半端だよ。お前はただ盲目的不自由を味わっていればよかったっていうのに、ホントもったいないわい。」彼の手には俺が持っていたあのナイフがあった。彼はそれを見ながら言う。「ちょうど、お前の変わりはいるようだ。計画は許容範囲のようだ。」そうか、お前は彼女を贄に......させるか、私は自身の権能を一点に集中させた。空間がうねり、渦を成す。その波動を感じ取った時田がこちらに向き直った。「馬鹿がッ!お前の能力の詳細を知らないとでも思ったか?お前の能力はただ、外見を買えるだけの能力だ。フフフ。無駄な足掻きだ。」時田は自身の神力”タイム・スパイラル(誤魔化しの時間)”を発動した。しかし、俺の覚悟は、そう俺の心に宿った絶対的な覚悟の前に誤魔化しなんて通用しない。そう、俺の心は今この世界で唯一無二の絶対者だッ!時田の神力が縮こまっていく。それを感じた時田は何が何だかわからない。そんな顔を浮かべていた。「なぜだ、なぜ力が通じぬ。まさかこれは神力?絶対的な力だって?どうして神は死んだはずだ......」

~~~

絶対的な力がすべてを置き去りにする。我を忘れるための力は、絶対的な真理を前にして補完され、その内なるこころ(ゼーレ)に存在している個人的無意識、その葛藤は強制的に解放されていく。そしてその体から抜け出したそのわだかまりは一つの渦となりて、この世界をその闇へと堕とし、そして臨界を超えすべてを灰燼に帰すだろう。そう、これが世界の終わり”ブラック・タイム”である。

読んでくださってありがとうございます。

今回は復習編です。第一章~第十章までの内容です。

本当は一気に全部やろうと考えましたが

時間が足りませんでした。申し訳ありません。

明日は第十一章~第二十章までの予定です。

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