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私のせとうち
どうしてこうなったのだろう?
私はついに私を信じられなくなってしまった。
唯一の拠り所だったのに、
だから私はあてもなく、さまようように旅へ出た。
私は名もない旅人だ。
せとうちに、せとうちへ、たどり着いた。
誰も私を知らないけれど、
確かに私はそこにいた。
せとうちの砂の一つ、石の一つは
旅人の魂のかけら、感動の晶だ。
あなたが美しいと思うわけを教えて。
あなたがきれいと言える理由を残して。
私が残したかったのは私の命の足跡だ。
どれも素晴らしいものばかり。
励まされているようで、
温められているようで、
背中を押されているようで、
さよならじゃない寂しさは少しあるけれど、
どんなにも、こんなにも代えがたいんだ。
言葉でしか伝えることが出来ない。
せとうちの夕日はまるで、
熱したガラス玉のような、私の夕日。
もう一度、私を信じてみよう。
もう一度、私は信じてみたい。
また夢を追いかけられるように、
力強く一歩を踏み出せるように、
今日の続きではない明日のために、
できればあなたと一緒に。
この命が先に果てるのなら、
これを誰かに話してみよう。
同じ波が何千も何万も繰り返されるように、
靄にかかったあなたの世界が晴れるまで、
私は君の名を呼び続けよう。
君がまた来た時に、
いつでも君が戻って来れるように、
ここに私の魂の欠片をおいて行こう。
私のせとうちに




