『人類』が『言葉』を覚えてしまったことによって起こってしまった事件 『葛実河原無差別殺傷事件』
[小説を読む前に]
今回の話は、実際の事件などは一切関係なく、全てフィクションです。
しかし、殺人などと言った悲惨な事件の怖さ、そして残酷さを世に伝えるために書こうと思いました。
少しでも犯罪率減少の貢献になればという思いです。
残酷な内容にはなりますが、人権学習のような感覚で小説をお読みください。
人生に、生きる価値を見出だせるか。
生きる意味なんてない。
それは、俺自身も、その他の人間全て。動物も、植物も。世界も・・・。
生きたところで何も価値を見出ださない。
そもそも人間は、『意思をはっきりと伝える手段』を手に入れてしまったのが間違いだ。
だから、いじめも、対立も、論争も、喧嘩も起きる。それらは全て、『言葉』が発達してしまったから。
だから、この世界に言語なんかいらない。人間という存在もいらない。
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いつしか僕、伊藤 優生はそんなことを考える人間になっていた。なんで、こんな人間に育ってしまったんだろうか。
親も、兄弟も皆優しい人間だったはずなのに。
何故、僕という人間だけは優しくなれなかったのか。
理由を出そうと思えば、いくらだって出せる。けど、それは全て言い訳にしかならない。
何を言うにも、全て
「言い訳だ」
なんていう言葉で片付けられるから。だから、言葉が嫌いだ。
言葉があるせいで、差別される。
言葉があるせいで、人間関係が壊れる。
言葉があるせいで、誰かが傷つく。
言葉があるせいで、誰かが変わり果ててしまう......。
それが、この世界だ。本当に、残酷。且つ、醜い。
きっと、僕が優しい人間になれなかった理由の一つが、『言葉』のせいだろう。それ以外にも、いじめだったり、差別だったり・・・。いろんな理由があるけど。
だから、大人になった今でも優しくなれないんだろう。
ずっと引き摺って、抱え込んでいるから。
考えすぎたせいで、俺の思考は腐りきっていた。
いつしか、人間を殺したいと思っていた。
いくらなんでも、それは行きすぎた思考。流石に、理性を保って抑えることにしていた。
・・・それが、どんな方法であろうと。
今まで、自分を制御するためなら、薬も飲んだし、何度も人形を痛め付けたし、暴飲暴食だって繰り返した。
・・・でも、もう無理だ。
連日テレビから聞こえてくる腐りきった世の中が丸見えなニュース。
政治がなんだ?喧嘩がなんだ?人殺しがなんだ?・・・それら全て、何が問題なんだ?
・・・誰だって理解しているはずだろ。なんで答えが分かっていながらも、何かをしてしまった人間のせいにする?
同じ人間として、お前たちも関わってるんじゃないのか?
・・・考えれば考えるだけ、気持ち悪さが増す。
・・・皆、小さい頃、一度は夢見たことがあるんじゃないだろうか。
あぁ。まだ純粋無垢だった俺のガキ時代にも抱いた夢だ。
人は誰だって一度、
『ヒーローになりたい』
なんていう夢を抱かなかったか?
・・・人生で、初めて夢を叶えるかもしれない。
そう考えると、胸が高まってきた。自然と、笑顔も溢れ出てくる。
気づいたときには、ヒーローになる準備を始めていて、
「俺が、”ヒーロー”になってやるよ」
そう独り言を溢しながら、俺は早速、行動することを始めた。
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珍しく、優生が部屋から出てくる音がした。
「あいつにしては珍しいな」
あいつの兄の俺ですら、そう感じるほどに珍しい出来事だった。
そして、階段を段々と下る音が聞こえて、やがて姿を現したかと思えば・・・
「お前!!なんでそんな物騒なもんを!!」
俺が、全てを話し終える前に、意識は暗闇へと引っ張られて・・・。
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目の前には、紅い水がダラダラと流れていた。
・・・あぁ。興奮してくる。流石に、自分でも気持ちが悪いと感じるくらいには、興奮している。
「ちょ、ちょっと!?優生!?何をしたの!!」
その光景を見てしまった母親がそう声を荒げる。
「久しぶりだね。母さん。僕はね、子供の頃の夢を叶えることにしたんだよ」
「お、落ち着きなさい・・・!!」
母さんの声も聞くつもりはない。俺は、全ての人間を殺す・・・いや『救う』のだ。
全ては、この世界から離れさせるために。
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それからも、街に出て俺は救済を続けていった。
・・・何故かは分からないけど、人間の悲鳴が絶えない。
その状況が、どうにも面白くて・・・
「アハハッ!!!なーんでそんな怖がるかなぁ。俺は、救済をしているだけだよ?」
自然と、笑いが込み上げてくる。
すると、サイレンの音が鳴り響いた。そうか。警察が出てきたか。
「警察さんも大変ですねぇ。なんで自ら『地獄』の道に進もうとしますかね」
「今すぐ降伏しろ!さもないと・・・撃つぞ!!」
「やれるもんならやってみなさいよ」
こちらから動かないと行動をしようとしない警察に、しっかり伝わるように、近くにいた女と2人の警官を刺してやった。
「だめだ!!こいつは生かしてはおけない!!今すぐ撃て!!」
俺という一人の人間を殺すために、四方八方から俺を目掛けて元気に銃弾が走ってくる。
勿論、これに当たってしまえば俺は死ぬ。
そして、人間である以上、避けきるのは不可能だ。
・・・だから。
「最期に、もっと多くの人間を救済してあげるよ!!」
俺は、隠し持っていた手榴弾を投げて・・・・・・。
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「ニュースです。昨日起こった史上最悪の無差別事件、葛実河原無差別殺傷事件を起こした容疑者、伊藤 優生容疑者は、警察官による発砲で、その場で死亡が確認されました。
調べによりますと・・・。
死亡者は合計40人、重軽傷者は46人の、史上最悪の事件として記録に残りました」
史上最低の殺人魔、伊藤優生は死んだ。
人生の最期に、とんでもない事件を起こして。
・・・死んで正解だっただろう。
でも、何故こんなことを起こしたのだろうか。
何故、こんなにも残酷なことを・・・。
そして、あの男が言っていた
『救済』
とはなんだ?____________
この後、高校の入学式です。
・・・行ってきます




