ヤンデレに遭遇したときの対処法
これから、ヤンデレの対処法を教えます。是非、参考にしてみてください。
_______________________________________
僕には、一番仲の良い友達がいる。
それが、桐谷 スズカ。僕と同い年の高校3年生。
この年にもなれば受験や就職で忙しくなるが、それでも毎日のように遊んでいる。
<<ピンポーン>>
すると、インターホンがなった。
誰が来たか・・・なんか、もう既にわかっている。
「はーい」
ガチャリ。と、ドアを開けると、そこには白髪の少女が立っていた。
「来たよ」
「いらっしゃい。上がっていけ」
そうやって言って、僕はスズカを家に招き入れる。
.......これでもびっくりなのが、恋人という関係ではないこと。
恋愛漫画では典型的な、幼馴染でもないこと。
ただ、中学の時から関わりがあるだけの親友。
「さて、何をしに来た?」
「特に。ただ暇だから来ただけだよ。いつもそうじゃない?私たちが遊ぶのに理由なんかあった?」
そういうものは、特になかった。予定があるとすれば、娯楽施設に行くときくらい。
「ないな。なんでもいいか」
「うん。理由なんていらないんだよ」
これが、僕と彼女の関係。
なんてことのない、ただの親友。
・・・だなんて、思っていたのだが。
_______________________________________
ある日、学校で。
「す、好きです!」
その日、僕は人生で数少ない告白を受けた。
相手は、同じクラスの女子。おしとやかで、清楚で、男女問わず人気がある女子。
最初は、罰ゲームなんじゃないか。とも疑ったが、見る限りそうではないらしい。
それほど、彼女の視線は本物だった。もし、これが嘘なら、彼女はとんだ大根役者だ。と思うくらいには。
「ごめんなさい」
「そ、そっか。優くんには、あの子がいるもんね」
「あいつ?あいつは、恋愛的には好いちゃいねぇ。仲が良すぎるだけだ」
「そうなの?じゃあ、どうして」
「単純に、僕が君を恋愛的に好いてないから」
「それでもいいからさ!......好きな人がいる訳じゃないんでしょ?好いてなくてもいいから。付き合ってください!」
「何度お願いされても、無理としかいいようがない。僕は、愛のない恋愛は嫌いなんだ」
「そ、そっか」
「それじゃあな。待たせ人がいるんで」
そう言って、僕はその場を後にした。
_______________________________________
家に帰ると、先客がいた。
「来てたのか」
校門に行っても誰もいなかったから、諦めて帰ったのかと思ったが。
とりあえず、部屋に向かうとしよう。
そうして、僕が部屋のドアを開けると。
「おかえり」
そこにはいつも通り、スズカがいた。
「ただいま。先に来てたんだな」
「・・・」
今日は珍しく、黙り込んでいた。
僕、なんかしたかな・・・?なんて思いつつも、とりあえずベッドに腰かける。
・・・と、その刹那。
「は?」
「ねぇ。今日さ、告白されてたよね?」
いきなり、手首を拘束され、僕はベッドに押し倒された。
「ま、まぁ。されたけど」
「付き合ったの。私を置いて?ねぇ、なんで?」
「え、えっと」
明らかに、様子がおかしかった。
目にはハイライトが通っていない。
「ずっと、キミは私のものだったのに。どうして・・・。変な虫に取られるくらいなら・・・」
「まて。落ち着け。僕は告白を断った」
「え?」
「好きじゃないからな。だったら付き合う意味もない」
「あ、そうなの。じゃあ、次。ねぇ、優生」
僕の顎をそっと掴みながら、スズカはこう言った。
「好き。ずっとずっと前から、好き」
「え?」
本日2回目の告白を受けた。
「どこにも行かないで。誰のものにもならないで。私だけの優生であって。だから、好き。キミが大好き。付き合って?」
その言葉には、恐怖があった。
まるで、この告白を断ったら殺すぞ・・・と言わんばかりの威圧。
これが、俗に言うヤンデレ。
「はやく答えて。さもないと・・・」
僕は、2択を求められている。
振るか。付き合うか。そんな2択。
・・・そのどちらかを選ぶなんて。僕にはできない。
だから、第3の選択をしてやろう。
「・・・スズカ。おいで」
「え?」
そう言って僕は腕を広げた。手首を拘束されているから思うようには広げられなかったけど、それでも頑張って腕を広げる。
「こいよ」
僕がそう促すと、スズカは飛び込んできた。
ふわり、と。スズカの匂いが僕の鼻を擽る。
「告白を承ることはできない。けど、愛がほしいんだろ。友達として。あの愛がほしいなら、いくらでもやるよ」
これが、僕の選択肢。
ヤンデレは、愛を欲しがる。だから、心は痛むけど、僕は彼女に愛を与えた。
「うん。ありがとう」
彼女は、そう言葉を溢す。
これで、いいのだ。
ヤンデレの対処法は。




