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小料理屋アコ~心おだやかなおもてなし  作者: 村越 京三


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185/206

戻ってからの下ごしらえと…

広志はしばらく車を運転して

お店に戻り車を店の入り口に止めて、ギアを動かしてエンジンを切りシートベルトを外して車から降りて仕入れた食料を持ち運んでいく

アコはお店から顔を出して同じ様に

店の中に持ち運んでいく

運び終わったら、広志は再び車に

乗り込んで車を運転して

駐車場に向かって止めて

ドアを開けて降りて

鍵を差し込んでかけて

店へと足を運んで戻っていく

店の中ではアコがある程度並べながらも店に戻った広志とアコは

下ごしらえしながら調理準備に

とりかかる…お店の中では

ワチャワチャと二人が材料を

操る音しか聞こえてこないが…


広志【しかし、あそこまで

   うろたえるとはな】


アコ【ちょっと今後は不安ね

   もう少しどんと構えないとね】 

   と2人で下ごしらえしていると


広志【本命となると、

   あんな感じなのかね~】


アコ【振られたら間違いなく

   精神的不安定になるわね】


広志【他のメンバーもそれなりに

   色々あるのにな】


アコ【白い巨塔というべきなのか

   螺旋迷宮と言いますか】


広志【どこの世界も少なからず

   あるだろうとは思うぞ】


アコ【ウチのお店もそんな中でも

   生き残ってますからね】


ワコ【大将~アコさ~ん、いる~】と 

   店のドアをガラガラガラと

   開けて大きな声で

   呼びかけながら入っていく


広志【ワコさん、今日は助かったよ】


アコ【本当にありがとうございます~】 

   と軽く頭を下げながら

   仕込み作業に勤しんでいる


ワコ【それは大丈夫よ

   でも悪いわね~

   仕込み作業中にさ】と

   少し苦笑いしながら話す


アコ【それは大丈夫ですけど】


ワコ【いつものアレはあとで、

   持っていくわね】

   

広志【今年もこの季節がやって

   きましたとさですかい】


ワコ【そういう事よ

   ところでどこに行ってたの?

   尚美ちゃんも一種になんて】


広志【例の飛行機事故で

   尚美ちゃんの会社の人が

   乗っていたらしくてな

   念の為の確認という事で

   浦安まで病院にね】


ワコ【そういう事だったのね

   それで会社の人は乗ってたの?】


広志【どうやら人違いでさ】と

   苦笑いしている


ワコ【それで尚美ちゃんは?】


広志【さっき自宅近くで

   下ろしてきましたよ

   ところでワコさん

   頼んだ食べ物の残りは】


ワコ【それが見事なくらいに

   完売したわよ

   しかも、足りなくなって】


アコ【足りないって…

   常連さん筆頭に考えて

   かなり多めに作ったんだけど】


広志【そんなにお客さん来たんかい】


ワコ【食べ物屋さんの

   休みが重なったのよ】 


アコ【今日はそう言えば】と

   考えこんでいると


広志【そういう事かい】


アコ【そこまで考える余裕は

   残念ながらなかったわね】と

   苦笑いしている


ワコ【あとこれは売り上げね

   渡しておかないと】


広志【本当に助かりました】


ワコ【じゃあありがとうね~】と

   手を振って店のドアを

   ガラガラガラと開けて

   店を後にする


広志【しかし、足らなくなるとは

   思わなかったな~】


アコ【こればかりはどうにも

   ならないわよ】


広志【ある程度の計算はしてたけど

   そんなに客が来るとわな】


アコ【こんな事もありますよ

   さあ、やりましょう

   準備しないと】


広志【さてと、間に合わせないとな】


広志【さてと、間に合わせないとな

   漬けはそのまま活かしてと】


アコ【鶏肉も十分あるわね】と

   冷蔵庫を覗いて確認している


そして二人は夕方の営業に備えて、

仕込み作業に集中していくのでした

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