夕方の営業(常連客編、その35)
さてさて、時計の針はもうすぐ
17時になろうとしています。
外は冬へと季節が進んでいるせいか
暗くなるのが早くなり、
寒さが身に染みるように
厳しくなっています
そんな中でも感じさせずに
近くの公園で賑やかに
遊んでいる子供達を見ながらも
夕方の営業に備えていたその時…
哲男【こんばんは~まいど~
大将にアコさ~ん】と
暖簾をくぐり抜けて店のドアを
ガラガラガラと開けて
大きな声で呼びかけながら
入っていく
和邦【こんばんは~】
洋之【こんばんは~】
アコ【いらっしゃい!!
いつもので良いのね】
広志【いらっしゃい】と
準備しながらぼやいている
そうしていると外から17時の
挨拶となるチャイムが鳴りはじめる
子供は家に帰りましょう
大人は子供達が子供の安全を
見守りましょうとの合図なのです
ちなみに季節事に曲が変わるのが
この地域の特徴でもあります
ちなみに曲はふるさとである
哲男【お願いしま~す】と
言いながら
いつもの指定席のテーブルに
それぞれ座っていく
アコ【お父さん、日替わりに
揚げ出し豆腐3つね~】
広志【はいよ~】と調理にとりかかる
和邦【しかし、寒いですね~】
洋之【来週にはジャンパー
出しておかないと
いけないですね】
アコ【こればかりは仕方ないわね】
そう言いながら
湯飲みに温かいお茶を
テーブルにそれぞれ置いていく
アコ【はいおしぼり】と渡している
哲男【ありがとうございます】
洋之【ありがとうございます】
和邦【ありがとうございます】と
それぞれ受け取り
手を拭いたりしている
アコ【少し待ってちょうだい】と
小皿に盛り付けてから
アコ【はい、お通しね】とそれぞれの
テーブル席に置いていく
哲男【今日の通しは】
アコ【きんぴらごぼうね
その分おかずがね】
広志【そんなに豪華とは
思わないけどな】
哲男【いやいや俺達の身体は
このお店で出来ているとでも
言っても過言ではないっすよ】
広志【嬉しい事言ってくれるね~】
哲男【最近テレビも見る物が
ないっすからね~】
アコ【音楽番組は良くやっている
じゃないの】
和邦【そうなんですけど
時代劇と音楽番組の
似たり寄ったりなので
少し飽きがありますよね】
洋之【それを言っちゃあおしまいよ】
和邦【今日はなんだっけ】
広志【確かバレーボールの大会だか
社会人の試合があるとか】
アコ【あれっ?世界陸上じゃ】
哲男【どっちにしてもスポーツが
あるなら良いっすよ
アコさんテレビお願いします】
アコ【はいはい】と
テレビに備え付けてある
ボタンを文鎮で押してから
更にチャンネルを回していく
実況【時計の針は日本全国
午後5時を迎えました
この時間までに入っている
ニュースをお伝えします
まずはこちらの話題からです】
アコ【紅葉狩りの季節も
終わりなのね~】
広志【余計な話はそこまでに
アコ~みんなの分上がったよ】
と出来上がった料理を
盛り付けている
アコ【はい!よっこらしょ】と
おぼんを持ち上げて運ぶ
アコ【はい、おまちどおさま!
めしあがれ】とそれぞれの
テーブルに置いていく
哲男【本当に今日もありがとう
ございます】
洋之【ありがとうございます!
いただきます】と割り箸を
割って手を合わせて
哲男【いただきます】
洋之【いただきます】
和邦【いただきます】
哲男【今日の日替わりは】
アコ【今日はね
“ブリの照り焼き”に
“鯵とイカの刺身”に
“肉団子入り野菜炒め”に
“なめこの味噌汁”ね
後は追加の揚げ出し豆腐】
アコ【早く食べちゃいなさい、
冷めちゃうわよ】と諭される
各々一口ずつ食べ始めている
哲男【うまいっす、五臓六腑に
染み渡ります】
洋之【どれも美味いっす】
和邦【腹減っていたんですよ~】と
みんなでガツガツ食べている
広志【今日はご飯のお代わりの
ペースが早そうだな】
と手を動かしながら話している
哲男【ご飯お代わりお願いします】と
味噌汁をすすりながら
伝えている
アコ【逃げないからゆっくり
噛みしめて食べなさいよ
本当にもう】
洋之【すいません僕もお願いします】
和邦【僕も同じで】とそれぞれ
食べながら伝えている
広志【恐ろしき胃袋】
アコ【今盛るから待ってなさい
本当にもう】と炊飯器から
お茶碗にご飯を盛っている
さてさて、今宵は始まったばかりです




