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小料理屋アコ~心おだやかなおもてなし  作者: 村越 京三


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171/207

夕方の営業(常連客編、その35)

さてさて、時計の針はもうすぐ

17時になろうとしています。

外は冬へと季節が進んでいるせいか

暗くなるのが早くなり、

寒さが身に染みるように

厳しくなっています

そんな中でも感じさせずに

近くの公園で賑やかに

遊んでいる子供達を見ながらも

夕方の営業に備えていたその時…


哲男【こんばんは~まいど~

   大将にアコさ~ん】と

   暖簾をくぐり抜けて店のドアを   

   ガラガラガラと開けて

   大きな声で呼びかけながら

   入っていく


和邦【こんばんは~】


洋之【こんばんは~】


アコ【いらっしゃい!!

   いつもので良いのね】


広志【いらっしゃい】と

   準備しながらぼやいている


そうしていると外から17時の

挨拶となるチャイムが鳴りはじめる

子供は家に帰りましょう

大人は子供達が子供の安全を

見守りましょうとの合図なのです

ちなみに季節事に曲が変わるのが

この地域の特徴でもあります

ちなみに曲はふるさとである


哲男【お願いしま~す】と

   言いながら

   いつもの指定席のテーブルに

   それぞれ座っていく


アコ【お父さん、日替わりに

   揚げ出し豆腐3つね~】


広志【はいよ~】と調理にとりかかる


和邦【しかし、寒いですね~】


洋之【来週にはジャンパー

   出しておかないと

   いけないですね】


アコ【こればかりは仕方ないわね】

   そう言いながら

   湯飲みに温かいお茶を

   テーブルにそれぞれ置いていく


アコ【はいおしぼり】と渡している


哲男【ありがとうございます】

洋之【ありがとうございます】

和邦【ありがとうございます】と

   それぞれ受け取り

   手を拭いたりしている


アコ【少し待ってちょうだい】と

   小皿に盛り付けてから


アコ【はい、お通しね】とそれぞれの

   テーブル席に置いていく


哲男【今日の通しは】


アコ【きんぴらごぼうね

   その分おかずがね】


広志【そんなに豪華とは

   思わないけどな】


哲男【いやいや俺達の身体は

   このお店で出来ているとでも

   言っても過言ではないっすよ】


広志【嬉しい事言ってくれるね~】


哲男【最近テレビも見る物が

   ないっすからね~】


アコ【音楽番組は良くやっている

   じゃないの】


和邦【そうなんですけど

   時代劇と音楽番組の

   似たり寄ったりなので

   少し飽きがありますよね】


洋之【それを言っちゃあおしまいよ】


和邦【今日はなんだっけ】


広志【確かバレーボールの大会だか

   社会人の試合があるとか】


アコ【あれっ?世界陸上じゃ】


哲男【どっちにしてもスポーツが

   あるなら良いっすよ

   アコさんテレビお願いします】


アコ【はいはい】と

   テレビに備え付けてある

   ボタンを文鎮で押してから

   更にチャンネルを回していく


実況【時計の針は日本全国

   午後5時を迎えました

   この時間までに入っている

   ニュースをお伝えします

   まずはこちらの話題からです】


アコ【紅葉狩りの季節も

   終わりなのね~】


広志【余計な話はそこまでに

   アコ~みんなの分上がったよ】     

   と出来上がった料理を

   盛り付けている


アコ【はい!よっこらしょ】と

   おぼんを持ち上げて運ぶ


アコ【はい、おまちどおさま!

   めしあがれ】とそれぞれの

   テーブルに置いていく


哲男【本当に今日もありがとう

   ございます】


洋之【ありがとうございます!

   いただきます】と割り箸を

   割って手を合わせて


哲男【いただきます】

洋之【いただきます】

和邦【いただきます】


哲男【今日の日替わりは】


アコ【今日はね

   “ブリの照り焼き”に

   “鯵とイカの刺身”に

   “肉団子入り野菜炒め”に

   “なめこの味噌汁”ね

   後は追加の揚げ出し豆腐】


アコ【早く食べちゃいなさい、

   冷めちゃうわよ】と諭される


各々一口ずつ食べ始めている


哲男【うまいっす、五臓六腑に

   染み渡ります】


洋之【どれも美味いっす】


和邦【腹減っていたんですよ~】と

   みんなでガツガツ食べている


広志【今日はご飯のお代わりの

   ペースが早そうだな】 

   と手を動かしながら話している


哲男【ご飯お代わりお願いします】と

   味噌汁をすすりながら

   伝えている


アコ【逃げないからゆっくり

   噛みしめて食べなさいよ

   本当にもう】


洋之【すいません僕もお願いします】


和邦【僕も同じで】とそれぞれ

   食べながら伝えている


広志【恐ろしき胃袋】


アコ【今盛るから待ってなさい

   本当にもう】と炊飯器から

   お茶碗にご飯を盛っている


さてさて、今宵は始まったばかりです





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