お昼の営業(常連客編、その16)
さてさて仕込みが終わり時計の針は
11時を回り、小料理屋アコは昼営業の開店準備をしていた
助っ人のおかげもあってか
予定より早く進んでいる
その時には、お客がちらほらと…
相木【こんちは~大将にアコさん!】と
暖簾をくぐって店のドアを
ガラガラと開けて入っていく
鴨居【まだ開店前よ、外で待ってて
ちょうだいね】
相木【はい】と大人しくなる
アコ【先手打たれたわね】と
若干あきれながら
相木に話しかけている
浮田【今日は1番にはなれないな】と
肩をポンと叩いて
外で待っている
紀村【ところでウチのアレは?】
アコ【皆さん入り口で青空将棋
しながら並んでますよ】
広志【アコ!そろそろ開店いいぞ~】と
声をかける
アコ【はい!じゃあ開店で~す、
いらっしゃ~い!】
広志【いらっしゃい!毎度!】
店にはお客さんがぞろぞろと
入って、おもむろに席に座る
相木【今日は早くも満杯ですね~】
浮田【あ~腹減った~】と
いいながら席に座った
アコ【今日は仕方ないわよ】と
麦茶をコップに注いで
渡している
広志【それで今日はどちらか
決めてくれ】と
料理を指さしている
鴨居【アコさ~ん】と呼びかける
アコ【はい】
鴨居【ウチは蒲焼きの方で】
紀村【私は塩焼きね】
久藤【私も塩焼きね、
夜にアレ食べられるかも】
小糸【私も塩焼きで、持ち帰りで
蒲焼きね】
鴨居【持ち帰りできるの?】
アコ【今日は大量にありますから
近場の人限定ですけどね】
鴨居【そうしたら私もみんなと
同じで塩焼きにするわ
そんで蒲焼きは持ち帰りで】
広志【夜には煮物もいい具合
ですから】
アコ【皆さん同じで旦那さん達も?】
○○【同じでお願いしま~す】と
意気投合している
相木【アコさん、ウチらは蒲焼きで】
浮田【俺も蒲焼きでお願いします】
アコ【はい蒲焼きね~】
広志【塩焼きが8に蒲焼きが2か
やりましょう】
アコ【はい、おしぼり】と渡している
相木【ありがとうございます】
浮田【ありがとうございます】と
それぞれ受け取り
手を拭いたりしている
アコ【はい、おしぼりです】と
渡している
鴨居【ありがとう】
紀村【ありがとう】
久藤【ありがとう】
小糸【ありがとう】と
それぞれ受け取り
手を拭いたりしている
アコ【今日は本当に助かりました】と
軽く頭を下げている
鴨居【大した事してないわよ】
紀村【そうよ】
久藤【美味しいものを】
小糸【食べなくちゃね】
榎本【こんにちは~毎度~】と
暖簾をくぐり抜けて店のドアを
ガラガラガラと開けて、
店の中の様子を伺っている
アコ【えのちゃんいらっしゃい!
どうぞ】
榎本【ありがとうございます】
泉澤【こんにちは~大丈夫ですか?】
アコ【いらっしゃいませ、
こちらへどうぞ】
アコ【はい、おしぼりと麦茶ね】と
渡している
榎本【ありがとうございます】
泉澤【ありがとうございます】と
それぞれ受け取り
手を拭いたりしている
広志【お2人さんよ
今日はどちらか選んでくれ
アコ!あがったよ‼】と
出来上がった料理を
盛り付けている
アコ【は~い‼よっこらしょ】と
おぼんを持ち上げて運ぶ
アコ【はい、おまちどおさま
めしあがれ】とテーブルに置く
相木【おお~これは何の蒲焼き
ですか?】
アコ【“サンマの蒲焼き丼”よ
それに”カキフライに”に
“ほうれん草のおひたし”に
“卵焼き”に“豚汁”ね】
浮田【今日は至れり尽くせり
じゃないですか~】
相木【何かあったんすか?】
アコ【おひたしと卵焼きは
お通しよ】と語りながら
手を動かしていると
相木【はい!いただきます】と
割り箸を割り一口食べると…
浮田【これは美味い】
相木【美味い!】
榎本【すいません蒲焼き丼で】
泉澤【私も同じで】
アコ【お父さん、蒲焼き丼追加ね】
広志【はいよ~アコ!
鴨居さん達の分
あがったよ‼】と
出来上がった料理を
盛り付けている
アコ【は~い‼よっこらしょ】と
おぼんを持ち上げて運ぶ
アコ【はい、おまちどおさまです】と
テーブルに置く
鴨居【きましたきました】
紀村【美味しそうね~】
アコ【美味しそうではなくて】
久藤【美味しいのよ】
小糸【美味しいのよ】と
それぞれ割り箸を
割り食べ始めると
サンマを1口食べはじめて
やはり秋はサンマね~と
満面に笑みを浮かべながら
たわいのない話しをしながら
食べていたのです
アコ【みんなご飯食べて
お昼からもひたむきにね】
相木【はい‼】
浮田【はい‼】
榎本【しっかり働きます‼】
泉澤【頑張ります】と
もりもり食べていると…
鴨居【アコさん、後で旦那達の
相手してあげて】
そこには出来上がっている
それぞれの夫が騒ぎ始めていた
それを見たアコは
アコ【みなさん今日はご機嫌ね~
私も宜しいわよね~
さあ、いきましょう】と
両手に一升瓶を持って
開けようとすると
それぞれの旦那達の酔いが
急に醒めたのか慌てふためいて
テーブルにお勘定をおいて
店のドアをガラガラと開けて
暖簾をくぐって早足であとにする
鴨居【さすがねアコさん】
アコ【夜には是非とお伝え下さい
お待ちしていますと】
満面に笑みを向けて伝言を
頼んでいた
広志【アコ~ほどほどにな~】と
調理しながら話していた
その頃の店内では…
高橋【すいません蒲焼き丼で
お願いします】
佐橋【すいません塩焼きで
お願いします】
アコ【はい、少しお待ちくださいね~】
とバタバタと動きながら
アコ【はい!ちょうどですね、
ありがとうございます
またお待ちしています】
それから、様々なお客様がご来場して、美味しいお昼を食べて
みんなエネルギーチャージをして
休み前の残りの
仕事に向かっていったのでした…
そんな中遠くから何人か歩いて
店へと足を運んできています




