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小料理屋アコ~心おだやかなおもてなし  作者: 村越 京三


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162/207

昼終わり前にくるお客とのやりとり

さてさて時計の針はもうすぐ13時に

なろうとしていたその頃、

小料理屋アコの昼営業は

鴨居達が会計を済ませて店を後にする


鴨居【ごちそうさまでした】


紀村【ごちそうさま、やはり

   季節物は良いわね~】


久藤【とりあえず唐変木を

   寝かしとかないとね】


小糸【それから家の片付けしてから

   また来ますね】


アコ【ありがとうございました

   夕方にはタッパーなり

   お皿なりお願いします】


広志【ありがとうございました~

   またどうぞ~】


アコ【ありがとうございました~】と  

   お客が見えなくなるまで見送る


広志【それじゃあ、ぼちぼち閉める

   かね】と後片付けしながら

   話している


そうしていると反対側から


矢野【こんにちは~

   まだ、大丈夫ですか?】と

   暖簾をくぐり抜けて店のドアを  

   ガラガラと開けて、

   店の中の様子を伺っている


アコ【大丈夫ですよ、どうぞ~】


矢野【ありがとうございます】と

   店に入りカウンター席に

   座っていく


それに続いて…


桜木【こんにちは!まだ大丈夫ですか?】 

   と続いて暖簾をくぐり抜けて

   店のドアをガラガラと開けて、 

   店の中の様子を伺っている


矢野【大丈夫ですよ!

   自分もこれからですから】


広志【いらっしゃい!てか拓海~

   お前さんが言うなよ

   自分もギリギリじゃないか】と

   ぼやきながら調理を始める


矢野【まあまあ良いじゃないですか】 

   とたしなめている


アコ【それにしても今日は

   どうされたのですか?】と

   コップに入れた麦茶と

   おしぼりを手渡す


矢野【お客さんに持っていく

   書類作成に時間がかかって

   しまいましてね~】


広志【てっきりデートに行って

   喧嘩してヤケになっているかと 

   思ったんだけどな~】


アコ【お父さん!あの子はまだ学生

   なんですから】と

   たしなめている


桜木【あの子?】


広志【忘れてたよ隼坊いるの】


桜木【隼坊って】と驚いている


広志【拓海は友人の妹と愛を育み

   隼坊はウチの娘と愛を育んで

   いるだろう】


アコ【お父さん、こんな言い方

   失礼だけどまだこれからよ】と 

   フフフフと笑いながら

   桜木におしぼりと麦茶の入った

   コップを手渡している


広志【アコ!楽しまないの】と

   落ち着くようにアコの肩を

   叩いている


アコ【あらら…すみませんね~

   ホホホホ】と楽しみながら

   落ち着きを取り戻す


矢野【そう言われるとなんか

   こそばゆい感じですね】と

   苦笑いしている


アコ【ムズムズする感じね

   そこにもいるわよ~

   こそばゆいの】


桜木【僕達はそんな事はありません】


アコ【あらそう~手と手を取り扱って 

   ここでどれだけ見つめていた

   かしらね~】


広志【あれか~巡り巡ってたどり着く 

   ってなって、

   若いって素晴らしい~

   アコ!あがったよ‼】と

   出来上がった料理を

   盛り付けている


アコ【は~い‼よっこらしょ】と

   おぼんを持ち上げて運ぶ


アコ【はい、お2人さん

   お待ちどおさま

   めしあがれ】とカウンターに

   置く


桜木【はい!いただきます】

矢野【いただきます】と割り箸を

   割り一口食べると…


桜木【美味い!】と満面に笑みを

   浮かべている


矢野【さすがです】


アコ【それは良かった】


桜木【それでは今日は凄い賑わって

   いるように見えましたけど】と

   モグモグしながら話している


広志【今日はウチの店限定の

   サンマの日なんだよ】


矢野【サンマの日?】


アコ【出来るだけ秋の味覚を

   食べる日をね】


矢野【夜もあるのですか?】


広志【多少手と品を変えだけどな】


アコ【その時は熱々の方も連れてきて

   ほしいんだけとね~】


広志【ちなみに例の子の親御さんは

   社会人になるまでは

   だとよ】


矢野【それは心得ています

   彼女も働きながらならと

   2人で話していますので】


広志【そこまで話を、

   いや~めでたい】


桜木【羨ましいですね~

   僕らはどうしても職業が

   職業なので、あまり外でと

   言うのは難しくて】


矢野【失礼ですが、何のお仕事を】と

   桜木に視線を向けている


広志【そういえば、拓海って

   そういうのに疎そうだな】


アコ【ここまで知らないのも

   ある意味新鮮ね】


桜木【一応5人でアイドルグループ

   特急という名前で活動して

   います】


広志【幸がデビュー当時からの

   ファンでな、しかしこうなると 

   は思わなかったけどな~】


アコ【そうね~どうせなら

   正々堂々しなさいよという

   気持ちもあるんだけどね~】


広志【それで幸の所にはそれなりに

   行っているんだろう、

   幸から時々報告がアコに

   来ているそうだから】


桜木【行ける時には行かせて

   もらってます

   おかげ様で仕事も充実で】と

   少し照れながら話している


広志【そこまでいけばゆくゆくは】


アコ【愛する人の腕の中で

   朝を迎え~】と歌っている


アコ【さてと、早く食べちゃいなさい

   冷めちゃうわよ

   それにクリスマスも

   すぐなんだから】


桜木【ありがとうございます

   クリスマス仕事だろうな~】と

   少し残念そうな表情をする

   

矢野【どこへ行こう】と

   考え込んでいる

   

そして、2人は再び箸を動かして

たわいのない話をしながら

食べ終えたのであった

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