第三部番外編 怪異ハンター 十二使徒の造反 前 3
「で、勝小吉もどうするんです? 確かに孔明が暗躍するとなると、ゴタゴタしそうですし……」
そうミクが聞いてきた。
「それだが、まだカプセル偉人は無いのか? それに勝小吉を捕まえさせては良いのではないか? 」
親父がそう光の創造主に聞いた。
「前田利益とかありそうだよね」
「ああ、前田慶次な」
オリジナルユウキが呟いたら親父が答えた。
「いや、前田慶次は小説が凄い話なだけでなぁ。いろんな話があるけど、滝川一益の縁者の子で、母親が滝川家の子の慶次がお腹にいるのに、前田利春に嫁いだんで血は滝川家なのに前田家の跡継ぎになりそうになって揉めたんだよな。そもそも前田家は織田家のそこそこの家柄で、滝川一益はのちには織田の四天王と呼ばれるけど、当時は新参で評判がよろしくなかったから。それで前田家の一統が困って、それを酌んだ織田信長が強引に前田利家を跡取りにしたもんで遺恨になっちゃったって話だからな」
「意外に良く知ってますね。それを普通に受け入れたらよかったけど、前田慶次の母親が無茶苦茶ブチ切れて前田利家とかに抗議して騒ぎまくったらしいから、それの影響は受けてるよね。そりゃ、当時で評判が悪かった滝川一益の縁者の子を織田のそこそこ名家の前田家の跡継ぎにするのは当時の感覚ではおかしいのに」
光の創造主の言葉にオリジナルユウキが答えた。
「強かったのは強かったのだろうけど、資料でもまちまちだしなぁ。それでどうもな」
「確かに、小説とかで持て囃されまくると話が大きくなるもんね。まあ、傾奇者で教養もあって、とっさの返しとか見ると頭は相当良さそうだけど」
「じゃあ、他には何か無いの? 」
ミツキがそう聞いた。
「正岡子規とかどうだ? 」
「武人じゃ無いじゃん」
光の創造主に親父が突っ込んだ。
「いやいや、悲劇の主人公みたいな人生なんだぞ」
「若くして結核で亡くなったんだよね」
そうミツキが答えた。
「いや、野球を日本に紹介した人で升と言う幼名でノボさんと呼ばれ、野球と言う雅号から野球と言う言葉が出来たとかまで言われてるのに、松山市に大きな球場が出来たら、<坊っちゃんスタジアム>だからな。野球を日本にもたらしたような人なのに、友人の漱石の小説に名前をとられちゃった」
「そっちかい」
ミツキが冷やかな顔で突っ込んだ。
「いや、流石に地元でも突っ込まれて、子供とかに質問状で、愛媛には正岡子規がいるのに何故<坊ちゃんスタジアム>なんですか? とか質問されて、それはそう決まったからですとか無茶苦茶な返答だったけど」
「確かに悲劇だな」
「夏目漱石は坊ちゃんで松山を自分の体験談からボロクソに書いてるのにな」
オリジナルユウキと親父がそう頷いた。
「いや、何の話だよ! 」
オリジナルユウキの母親が怒鳴った。
「俺的には愛媛なら、まだ存命だけど村上竜司さんを進めるな」
「ああ、空手家で日本一強面の空手家って通称の人だな」
オリジナルユウキの言葉に親父が答えた。
「昔、一流の空手家達の護身術の写真解説付きの本が出た時に、写真付きでこういう時どうするかの見解を解説付きで有名な空手家達が写真で説明してたんだけど、他の有名な空手家はナイフで攻撃されたら、こうナイフを振り下ろして来たらこう受けてってマジな演武を写真で見せてんだけど、この人だけはまず相手から逃げるって逃げる写真から、影に隠れて相手の様子を伺うと壁から覗いてる写真を見せて、最後は隙を見せた相手の背後から拾った棒で相手のナイフを持ってる手を何度もたたいてナイフを落とすって写真でガチでやってたの」
「おお、チャレンジャーだな」
「いや、でも、確かに元々ヤンキーで借金の取り立てとかやっててヤクザともいろいろあった人だから、経験から来る発言のいやいや素人はナイフを持ったら上下左右に無茶苦茶に振ってくるから、受けようとしたって無理だからの言葉が説得力ありすぎて」
「それ、他の有名空手が可哀想じゃない? 」
ミツキも苦笑した。
「ちょっと、良いかな? そうやって脱線するから収拾がつかなくなるんでしょうがっ! 」
珍しくスカーフェイスがキレた。
横で光の創造主の后神とオリジナルユウキの母親がスカーフェイスの言葉に深く深く頷いていた。




