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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
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第三部番外編 怪異ハンター 十二使徒の造反 前 2

 意気消沈して巨大化したままのムリエルの前に孔明が現れた。


 辺りは闇夜で、さらに静かだった。


「ふふふふふふ、そろそろ十二使徒としての我らの力を主に見せるべきでは無いかと思うのです」


 そう孔明が羽根の団扇で口元を隠して笑った。


「え? 」


 ムリエルが唖然とした。


「ふふふ、我らのいる世界では、ヴィーガンと言うものが流行っております。動物を食べる事を拒否している人々です。それを我々は世界の覇権国になる独立前のアメリカでさらに時代を進めようでは無いですか。そう、つまり、植物も食べる事を拒否させるのです」


「は? 」


「貴方は常に言っていたでしょう。植物だって生きているんだと。だから、それを世界に知らしめるのです」


 そう孔明が笑った。


「いやいやいや、人間は一体何を食べるの? 」


「大丈夫ですよ。人間はあらゆる時に進化してきた生物です。光合成だって根性で出来るようになるでしょう」


 そう孔明がにやりと笑った。


「それは無茶苦茶では? 」


「人間は水だけで20日は生きれるのですよ」


「いやいや、どうしたの? 」


 ムリエルが心配そうに聞いた。


「いやいや、主が我々十二使徒を粗末に扱い過ぎでしょ! そもそも、<結末の時>にどちらかの世界を滅ぼす存在だったのに全然お呼びで無いし! 主が転生した後は全く我々の出番が無い! 今ここで我々の力を見せておかないと、我々はずっとこんな扱いですよっ! とにかく、何かの騒ぎを起こして我々がいるありがたさを主に感じさせるのですっ! 」


「そ、それが本音か……」


「そもそも十二使徒なのに、五体しか我々は活躍していない! 表に出れなかった連中がキレてんですよ! 前回の戦いで、やっと出番が来るかもと言うのは駄目になってしまいました! ここらで我々の力を見せつけるべきです! 」


「それは造反では? 」


「あのソメイヨシノに似た植物モンスター連中の仲間を捕まえました。貴方は身体を分離して戦えるはず。その一部を彼らに乗っ取られたと言う事で連中とともに暴れさせたらいかがでしょうか。つまり、ソメイヨシノに似た植物モンスター達は人間をコントロールして血を集めさせて自らの栄養にしている種のようです。彼らにこの時代の人間を大々的に襲わさせるのです。彼らのせいと言う事で貴方が問題になる事は無いでしょう」


 そう羽根で出来た扇子で口元を隠して孔明が話す。


「いやいや、主を裏切ったら駄目でしょう? 」


「これは我らの有用さを認めさせる言わば労働争議みたいなものです。今回、今まで参加できなかった十二使徒のウェルキエルとハマリエルとズリエルとバルビエルとアドナキエルとハナエルとバキエルにも連絡しました。一部は参加してくれるようです」


 ムリエルの言葉を孔明は笑っていなした。


「大丈夫です。ソメイヨシノの植物モンスターが全部我々のしでかしたことをカバーしてくれるはずです」


「何という悪魔のささやき……」


 そうムリエルが孔明のにやりとした笑いをこらえた顔を見てムリエルが呻く。


「ふほほほほほほ、どうやら決まりのようですね」


 そう、そこに新たな十二使徒が現れた。


 その十二使徒は人間型で人の良さそうな顔をした男として現れた。


 それはアドナキエル。


 魅了と誘惑と寝返りを得意とした十二使徒だ。


「ほほう。植物モンスターに化けてソメイヨシノの植物モンスターを騙すのは成功しましたか」


「ふほほほほほ、ソメイヨシノに似た桜のモンスターの姿で会ったらあっさり乗ってきましたよ。人間を完全に血だけを供出させて、糞便は肥料にする完全育成の家畜とする話には嬉しそうに乗ってきました。マルキダエルの予想通りでしたね……」


「いやいや、私は孔明ですから……」


 そう孔明……マルキダエルとアドナキエルは顔を見合わせて笑った。


 横でムリエルはどうとも言えない風に黙っていたが。

 


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