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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
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第三部番外編 怪異ハンター 桜の木の章 8

「こ、これは……」


 オリジナルユウキが驚いた。


「ななななな」


 ローレンスとベンさんが驚いて固まっている。


「何なんだ。こいつらは……」


 親父がそれを見て呻いた。


 二宮金次郎を枝で縛り付けて持ち上げている一際大きなソメイヨシノを中心に、あたり一帯のソメイヨシノが立ち上がってオリジナルユウキ達を取り囲んだ。


「ふははははは、我らは異星からやって来たものだ」


 そういつの間にかひもを解かれたジョージが喋る。


 頭の辺りに一際大きなソメイヨシノの枝が絡みついていた。


「操られているのか? 」


「なんということだ」


 光の創造主の言葉にローレンスが呻く。


「もう、推理物でも何でもないじゃない」


「実は桜がモンスターでしたって無茶苦茶でしょ」


 ミツキとアイ達は口々に貶していた。


「まるで古き良き時代のB級映画みたいだな」


「ほっこりするわ」


 だが、親父とオリジナルユウキがほっこりと微笑んだ。


「いやいや、どこがいい話なの? そもそも、そんな場合なの? 」


 ミツキがそう話す。


「そうですよ」


 ミクも同意した。

 

 両方とも軽く警戒した構えに移行した。


「そう言えばSFXでそこそこ有名な人が友人の兄でいるんだが、その友人の家に遊びに行ったら、その友人の兄とか同業の人が結構集まって飲んでいて、俺はまだ高校生だったから黙って横で聞いてたんだが、ひょっとして俺達は道を間違えたんかなと騒いでて。その人達はシリコンとかで型をとってのSFXをやってて、仲間にはあのエイリアンとか作った事のある外国人の人もいたんだけど、何か時代の流れがどうもCGになりそうって不安がってた。軌道修正して、そちらに行こうとしてる人もいたけど。今では本当に全部CGでやっちゃうようになって、やっぱりプロは先の見方が違うなぁと」


 親父がそう呟いた。


「それは意味がある話なの? 」


「いや、懐かしの展開で、ちょっと思い出しただけ」


 オリジナルユウキが親父に突っ込んだら、苦笑して答えた。


「お前達も血を置いて行くのだ! 」


 そう斧を持ったジョージが叫んだ。


「おおお、懐かしいなぁ」


「いかにものB級的な展開だ」


 光の創造主と親父がそれを聞いて懐かしそうだ。


「いや、ベンさんとか凄い衝撃受けてるぞ」


 そうスカーフェイスが突っ込んだ。


「そりゃ、この時代にしたら凄く衝撃的な展開だろうしな」


 そう、オリジナルユウキが苦笑した。


 昔は火星人来襲ってラジオを信じて大騒ぎになる時代があったのだ。


 そのさらに百年以上前だから、これはインパクトがあるのだろう。


 ベンさんもローレンスも動揺しまくっていた。


「あんな時代があったんだな」


 そう親父がさらにほっこりした。


「いやいや、現実に起こってんだから何とかしなさいよ」


「本当に危機感が無い」


 ミツキとアイが突っ込んだ。


「しょうがない。私がやりましょうか? 」


 ゼブがそう前に進み出た。

 

 今まで隠していた殺気がゼブから吹き出してきたので、今までのんきに踊るようにしていたソメイヨシノの化け物が凄い戦慄を受けたようにじり下がりした。


「いやいや、ここは任せるべきだろう」


 そうオリジナルユウキが微笑んだ。


「そうですよ。今、ここに二宮金次郎でなくムリエルのやっと来た出番ですよ」


 そう孔明も笑った。


「や、やって良いんですか? 」


 そう二宮金次郎が涙を流した。


「良いぞ。暴れるんだ」


 オリジナルユウキが微笑んだ。


 それをベンさんとローレンスが唖然として見た。


「じゃあ、やっちゃいますよぅぅぅ! 」


 二宮金次郎がそう涙を振り払って笑った。


「見せ場だぞ」


「存分にな」


 そうオリジナルユウキと親父が笑った。


 その瞬間に、二宮金次郎が真っ二つに割れてムリエルに変形した。


 その裂け目が門のように巨大な巨大な植物が大量に湧き出してくる。


「行くぞォォォ! 」


 二宮金次郎の言葉でムリエルに変わった。


 この日の為に元の姿に戻れるように用意していたようだ。


 全長一キロメートルを超える巨大な植物型モンスター……それがムリエルだ。


 ムリエルがやっと来た出番に燃えたせいか、ソメイヨシノの宇宙人達は四散して消滅した。


 そして、ムリエルのせいで大地はひび割れ、巨大な地震を起こし、マサチューセッツ州の4分の一が半壊した。


 



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