第三部番外編 怪異ハンター 桜の木の章 7
「さて、まずは取り押さえたジョージ君を調べてみるかな? 」
光の創造主がそう話す。
「このわっかを外せる? 」
俺がミツキに聞いた。
「いや、母さんが付けたから、緊急時でもここを移動する時しか外すなって言われてんだけど」
ミツキがそう話す。
「困ったな。トラウマを見る奴で多分、何でこんなことしたか分かると思うんだが」
「なるほどな。この手の犯罪は過去のトラウマからになるからな」
そう親父がオリジナルユウキの言葉に同意した。
「しかし、最初からこいつだって分かってるようなもんだったんだから。最初に取り押さえときゃいいのに」
スカーフェイスがそう皆に愚痴る。
親父達はそれをスルーした。
「これで大丈夫ですよ」
アイが手でかざして、ローレンスさんの傷を塞いで治した。
「嘘だろ? これは何なんだ? 」
「ロイヤルタッチみたいなものです」
アイがそう笑った。
「凄いものだな」
そうローレンスさんが綺麗に塞がった傷口を擦りながら、ジョージの所へ来た。
「父が亡くなったので錯乱したのだろうか」
そう重々しくローレンスさんが呟いた。
身内の殺害事件と言うのは嫌なものだろう。
「この金の輪があるから調べようがないな」
オリジナルユウキが腕の金の輪を愚痴った。
「しかし、ソメイヨシノがどうしてここにあるのか分からんな。自称軍師の孔明はどう思う? 」
「自称とは失礼な」
孔明がそうオリジナルユウキに反論して来た。
「だって、何の手段も無いんだろ? 」
「いやいや、主様。私が十二使徒筆頭である事をお忘れのようだ。すでに、エキスパートを呼んでありますよ。ほらっ」
そう孔明が言うとそこに二宮金次郎が現れた。
「結局、これかよ……」
「これしか無いんだもんな」
オリジナルユウキと親父が愚痴る。
「いや、でも久しぶりだな。本当に……」
スカーフェイスが懐かしそうに呟いた。
そうしたら、二宮金次郎が俯いて座り込んだ。
「誰も呼んでくれないのに……」
二宮金次郎がいじけだす。
「ほらほら、そんな事を主や皆さんが言ってはいけません。そう言う行動が彼の心を暗くさせてしまうんですよ。番外編から殆ど出番が無いんです。それは私も同じですが」
孔明がそう厳しくオリジナルユウキを攻めた。
「いやいや、そう言われても……」
「元々は<終末の子>とともに戦って華々しく活躍して世界の方向を決定づけるだけでなく、実は<並び立つもの>の使徒と言う凄い存在のはずが、単なる二宮金次郎キャラで終わりですからね」
孔明が泣きそうな顔になった。
「作者が久しぶりの嬉しい感想を戴いて、久しぶりに最初の八部まで読んで、ああそんな設定だったっけとか驚くと言うくらいの最悪の展開だからな」
光の創造主が苦笑した。
「もう、すでに番外編を書きながら、本編がどんな話だったか忘れてんだぞ」
親父も苦笑した。
「グダグダだ……」
スカーフェイスが頭を抱えた。
「まあ、ともかく。それは済まなかった。俺も母さんの封印で力があまり使えない。早速で申し訳ないが、このソメイヨシノの来た由来を調べて欲しい。今回の事件の謎の中核に当たると思うから」
オリジナルユウキがそう頼んだ。
「……分かりました」
そう二宮金次郎が少し悲しい顔で了承した。
あらゆる植物を操り最強クラスの力を持つムリエルが本体だけに、植物の心すら読み取れる力を持っているのだ。
そして、桜の木のソメイヨシノに触った途端、ソメイヨシノがドクンと動いた。
「「「「「「「「え? 」」」」」」」」」
そして、あたりのソメイヨシノが全部びよんびよんと枝を動かして動き出す。
それだけでなく、大地からズボリと足を抜いて彼らは歩き出した。
二宮金次郎は身体を枝で縛られて持ち上げられた。
「大変ですっ! これは植物では無いっ! 」
枝で縛り上げられて持ち上げられた二宮金次郎が叫ぶ。
「「「「「「いや、それは見たらわかる」」」」」」」」
結局、残念な二宮金次郎であった。
9まで続きます。




