第百十四部 第八章 パラサイト
「いやいや、そう言う話は止めてよ」
現地に向かう準備を簡単にしながら、ミツキに頼む。
「いや、現実でしょ」
ミツキが呆れ顔で俺を見た。
「いやいや、俺はね。小市民として生きていきたいのよ」
「分かるわ。金を働かずに溢れるくらいゲットとか良いよな」
俺の愚痴に親父が同意した。
「いや、それ、小市民の生き方じゃ無いから」
スカーフェイスが突っ込んできた。
「「そんなはずは無い」」
俺と親父が同時に否定した。
「いや、もうそういう話は良いんだが、とりあえず、早く行くべきでは無いか? 」
クアムが俺達に突っ込んできた。
「て、敵の方がまともってどうなの? 」
悲しそうな声音でカルロス一世が頭を抱える。
「本当に緊張感無いよね。とりあえず、行くよ」
ミヤビ王女がため息つきながら全員をべリウムが乗るドラゴンの前にテレポートさせた。
「おや、懐かしい顔がいるじゃない」
べリウムがクアムに気が付いて笑った。
「久しぶりだな。そんなところにいると思わなかったぞ」
「いやいや、私も驚きさ。随分と長い間寝ているうちに酷い世界に変わったなと思ったよ。こんな所に飛ばされてるとは思わなかった」
「飛ばされた? 」
「あんたの戦いを手伝ったばかりに、<並び立つもの>とやらにタイムシュートとかで吹き飛ばされて、こんな糞みたいな所に追いやられてたのさ。あの糞野郎は本当に腹が立つ。八つ裂きにしても足りないよね」
べリウムがギリギリと歯を食いしばった。
親父や国王達の目が一斉に俺に降り注がれる。
やめてっ!
今は見ないでっ!
べリウムがこちらをじっと見た。
心臓がバクバクする。
「アトラも目覚めたんだ」
俺の横のミツキに目を付けたようで、ミツキを見ていた。
「順番は違ってたみたいだけどね」
ミツキが肯定した。
「テレサもいるし、闇の御大もいるし。<並び立つもの>はどこへ行ったのさ」
べリウムが不思議そうな顔をした。
「まだ、目覚めて無いんだ」
クアムが答えた。
「へぇ、それは良い事を聞いた。あいつの時を操る能力だけは厄介だからね」
べリウムが笑った。
「悪いけど、あんた。相当、その力でそちらのモンスターを操ってるみたいだね」
ミツキがぶっきらぼうに聞いた。
「そりゃ、当たり前さ。あたしの能力はパラサイトだもの」
べリウムがにやりと笑った。
「やっぱり厄介だよね」
ミツキが殺気立つ。
「はっ、遅いんだよ。あんたらはコントロールは無理だけど、その周りの神族クラスなら寄生させれるからね」
べリウムが笑うと同時に大量のヒルのようなパラサイトがこちらに降り注いだ。
「ちっ! 」
ミツキが舌打ちをした。




