第百十三部 第十一章 エピローグ
そうして漁村が元の廃村になった島に戻った。
何もかも夢のようだ。
「で、結局、何だったの? 」
俺が親父に聞いた。
「たまには、俺も良い事するぞって話だな」
「え? マジでそんな話なの? 」
俺が呆れた。
「これは、何か意味あったのかな。とりあえず、義兄に引っ張られて訳のわかんない現実を見ただけでは無いかと」
カルロス一世がため息をついた。
「良い包丁なので貰って来たのですが、ボロボロにさびてしまいました」
ギョギョが悲しそうな顔をした。
「ぶっちゃけ、繰り返しているのを親父が元に戻すのを忘れてただけと言う事なんでしょ」
俺が真顔で聞いた。
「え? 」
親父が一瞬だけど固まった。
やはりか。
まあ、そうだろうな。
「しかし、親父にこういう能力があるとは。覚えておこう。何かに使えそうだ」
俺が呟いた。
「ミツキとかの料理をエンドレスで食べさせるのはやめてな」
「本当にそうですよ」
「絶対、そういう事考えるだろ」
国王達がグチグチ五月蠅い。
「私が何だって? 」
突然、ミツキがテレポートして国王達の前に現れる。
やばいやばい。
国王達が子猫のように震えている。
やばすぎ。
「何かあったのですか? 」
アオイもテレポートして来た。
「いや、ちょっと悲しい話があったんだよ」
俺が少し寂しそうに笑った。
「何かポケットに入ってますよね」
ゼブが後ろにテレポートして現れて、いきなり俺のポケットの中を探られて中身を抜き出された。
「あ、小判……」
国王が突っ込んだ。
「い、いつの間に……」
宰相が驚いてる。
「やはり、あれだな。金は変わらないから良いよな」
親父もポケットが一杯になっていて、そこから小判を出した。
「流石だ」
俺が頷いた。
旧家だから、何かあるかなと思ってたら、祖先の鎧櫃とやらに入っていたのだ。
武士の凄い人になると鎧櫃に、いつ戦争になっても良いように、戦争で入用になるお金を入れているというのは本当だった。
「泥棒じゃん……」
喋って居たようでスカーフェイスが呆れた。
「まあ、お礼にわざと入れておいてくれたんだろう」
親父も鎧櫃から取ったようだ。
「なるほどな」
親父とのアイコンタクトでとりあえず、そういう事に決まった。
姉弟の暖かくも悲しい話はポケット一杯の小判に変わった。
めでたしめでたし。




