第百十三部 第七章 銃声
「大変だ! 海から! 海からあああぁぁあ! 」
「何じゃあれはあああぁぁああ! 」
今度は海の方から、叫び声がする。
「何だ? 」
俺が訝しげな顔をした。
「漁港の方だな」
「今度は何なんだ? 」
カルロス一世とスカーフェイスがうんざりした顔をした。
「鮫かな? 」
「鮫かしら」
横で国王達が呟く。
「何で鮫なの? 」
俺が不審そうな顔で聞いた。
「基本、アメリカのホラーのクソ映画なら鮫が定番だろう」
国王が真顔で答えた。
真面目に聞いて損した。
「あんた達、逃げなさい! 」
そこに漁師が飛び込んできた。
手には包丁を持っている。
「へ? 」
俺達が唖然として、その漁師を見た。
「この村は死霊に乗っ取られとる! わしが倒した連中は血も出ん! 」
漁師が叫んだ。
「え? 」
カルロス一世も唖然としてる。
「海から上がって来た死体がいつの間にか人間として暮らしてるんじゃあ! 死んだはずの奴等が皆生きて戻って来てるんじゃあ! 」
漁師が必死だ。
「スティーブン・キングみたいだな」
「本当だ」
国王達が興味津々だ。
「どういう事? ゾンビ? 」
俺が漁師に聞いた。
「ゾンビって何じゃ? 」
「動く死体で人を襲って同じような生きる死体にするんだ」
「なんじゃ、そのけったいなの。とりあえず、死体が動いてるんじゃが、人は襲わんぞ」
「人を襲わないんなら良いんじゃ無いの? 」
「え? 」
包丁持ってる漁師さんが呆然としている。
「別に害は無いんじゃ無いの? 」
「死んだ者が生き返って普通に生活するんじゃぞ」
「いや、別に臭くも無いんなら、特に問題は無いんでは……」
「あ、あれ? 」
漁師さんが凄く悩みだす。
「いやいや、死んだ人が生き返るってどうよ」
スカーフェイスが突っ込んできた。
「でも、害が無いなら、それもありじゃ無いの? 」
俺が真顔で答えた。
「難しい問題だな」
「害が無いならなぁ」
国王達がさわさわした。
パン! パン! パン!
激しい単発の音がする。
何だ?
「あれ? これは? 」
親父の顔が微妙に笑う。
「何だろう? 」
「ボルトアクションみたいな銃声だな」
スカーフェイスがカルロス一世と顔を見合わせる。
「とりあえず、行ってみましょう」
俺が皆も見回した。
皆がそれに同意したので屋敷を飛び出した。




