第百十三部 第一章 プロローグ
ようやく島に着いたら、変な壊れた屋敷だらけだった。
すでに、昔は住んでいたのだろうが、人が住まなくなった家ばかりだ。
「参ったな。飯とか緊急用の奴しかないな」
スカーフェイスが困った顔をした。
「いや、親父がたらふく無限倉庫とやらに置いてるでしょ」
俺が真顔で答えたら、親父が舌打ちした。
「駄目じゃん。せっかく困ったときに出して高値で売ろうと思ったのに」
親父が愚痴る。
「仲間から金を稼ぐのか」
スカーフェイスが絶句した。
「いや、それなら、ほら、前金」
国王がヤマトの金塊をポンと親父に渡す。
「くそっ、ブルジョアめ」
親父が国王を見ながら、お金を受け取ると、大量の食糧を出した。
「受け取るのかよ」
カルロス一世が凄い顔してる。
何という、えげつなさだ。
流石だ、親父。
鳥取の飢え殺しの時に秀吉に攻められて飢える城内に信じがたい高値で水と食糧を売る商人がいたそうだ。
まさに、現代版だ。
「とりあえず、ここに居るのを連絡した方が良いな」
宰相が呟いた。
「ああ、それ大丈夫だぞ」
いきなり、真横に祝融さんが現れた。
「「「「「「「「「「「「「「おおおおおおおおおおおお! 」」」」」」」」」」」」」
皆が地響きみたいな声をあげた。
「お爺ちゃんだー」
俺が大喜びした。
「おや、まだ言ってくれるのか」
祝融さんが喜んでる。
「いやいや、貴方は身内ですから」
親父も笑顔だ。
「僕からしたらひいお爺ちゃんだね」
キアスが嬉しそうだ。
「今まで、どこに行ってたんです? 」
「いやいや、嫁さんが若返りのスープは? ってお怒りでね。ツキヨ様にお願いして持って行ってたんだよ」
祝融さんが苦笑した。
「なるほど、ハッスルな訳ですな」
親父がニッコリ笑った。
「いやいや、君に叔父か叔母が出来るかもしれないよ」
祝融さんが俺にほほ笑んだ。
「それにしちゃ、若くなってませんな」
国王が突っ込んだ。
「……」
祝融さんがげっそりとした顔をした。
「つまり、全部、吸い取られたと……」
カルロス一世が呟くと、祝融さんがコクリと頷いた。
くくくくっ、全然、どこ行っても変わんなかったり。
世知辛い世の中である。




