表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
25/30

第二十二遭遇

雄夜は筆箱から取り出したカッターを天高く振り上げ、自分の腹に突き刺した。


「………え?」


怜奈は口を開けながら、今自分が目にしてる光景を整理しようとしている。


怜奈以外も同様に、唖然と雄夜を見ていた。


「お、おい、なにやってんだよ!」


優衣がすぐさま雄夜に近づくが、雄夜が片手をあげそれを制止させる。


「お前、死ぬってことは、こんなの、だぞ…」


雄夜は腹をおさえながら、痛みに顔を歪ませる。


「そんじゃ、お前も、一緒に、死のうぜ」


雄夜が腹からカッターを抜き、健次の近くに投げる。血がこびりついたカッターを目にして、健次は震えた。


「ほら、死にてぇんだろ?早く俺みたいに突き刺せよ」

「ば、馬鹿なんじゃねぇの」

「なんでだよ」

「うっ…分かった。もう死にたい何て言わないから…」

「そんじゃあ、学校行くか?」

「今は無理だけど…絶対行く。だから死なないでよ」


健次はそう言ったあと、机の上にあった携帯電話を開き、救急車を呼ぼうとする。


「あぁ、なんかやばい」

「あったりまえだろ」


優衣が心配そうに雄夜の体を支える。雄夜も優衣に体重を預ける。


「すっげぇ、気持ち良い」

「…はぁ?」

「何回も言わせんな、こんなに気持ち良いのは初めてだ」

「い、意味がわかんねぇぞ」

「途切れ途切れで意識が飛びそうになる。なんて、危険なんだろう」

「ちくしょう、頭までおかしくなってきたか。正気を保て!」

「至って正気だぞ」


雄夜は優衣に微笑みかける。


「俺のぶんも、生きろ!」

「あ、あぁ、お前のぶんまで頑張っ…痛いっ!」

「あなたたち、いい加減にしなさい」


怜奈が近くにあった教科書を丸めて、雄夜と優衣を叩いたのだ。


「そんな三文芝居見せないでよ。あ、健次くんも電話しなくて良いから」


怜奈は溜め息をついたあと、教科書を地面に置いて、健次の前に立つ。


「あなたは学校に行くって言ったわね」

「あ、あぁ」

「それじゃあ、なんで行かなくなったのか聞いていいかな?」


健次は俯いてなにか考えたあと、おずおずと話始めた。


「嘘つきって言わない?」

「言わないわ」


健次は深呼吸をしたあと、怜奈の顔を真っ直ぐ見た。その時の健次の瞳は力強いものだった。


「実は、両親に知られてないけど、両親が働きに行ってる時と夜中に、ある場所に行ってるんだ」


この時にようやく、雫の意識が我に帰る。


「僕って、一旦気になることがあると、調べないと気がすまないたちなんだ」

「気になることって?」

「宇宙、宇宙人、異星人、銀河などのこと」


その時、怜奈と優衣の目が輝いたのは言うまでもない。


「学校に行ってたら、調べきれないと思って、休んだ」

「「分かるわ~」」


怜奈と優衣は同時にはもりながら、頷いた。


雄夜と雫には到底理解ができない世界だった。


「だけど、嘘は言ってないと思うよ」


怜奈が優しい口調で言った。


「違う、本題はこれから。僕が宇宙についてはまったのはある事件がきっかけなんだ」

「事件?」

「そう、丁度二年前ぐらいになるかな。僕が友達とキャッチボールをして遊んでるとき、僕の頭にボールが当たっちゃったんだ。そのときから夜中になると、少し大人びた男性の声が聞こえるようになって、確か…「私は異星人だ」っていう内容を何度も繰り返してきたんだ」

「もしかして、それから?」

「そうだよ、それで異星人に興味をもって、調べ始めたら止められなくなって、でも、その事について皆は信じないし、だから証拠も見せてやろうかなって思った」


すると、健次の肩に血だらけの手がのっかって、健次は悲鳴をあげた。


「おい、なんで、死にたいなん、て、言った?」

「ごめんなさい、勢い」


雄夜はガクッと倒れこみ、ひれ伏した。



∇▲∇▲∇



かくして、引きこもりの事件は終わった。


雄夜は、また増えてしまった宇宙馬鹿と関わりたくないと思いながら、家に帰った。


雄夜の母は帰っていないので、雄夜はカップラーメンを食べた。


そのあと歯みがきをしたり、風呂に入ったりして、寝る用意を済ませる。


雄夜は欠伸をしながら、自室へと向かった。


自室の部屋を開けると、雄夜の机の上に紅く光っている物があった。雄夜は重くなったまぶたを擦りながら、光っている物に向かって歩きだす。


「嘘だろ…」


雄夜は走って、部屋の電気を点けた。


紅く光っている物は、





黒い石のストラップだった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ