ラベンダー荘での驚愕でもない真実
グー子の身体のまま、ラベンダー荘に帰ることになりゲンナリしている。
視界がいつもより高く、それに三つ編みが重たい。他人になってしまうのはこんなにも疲れるとは。
キューム自身の身体は眠った状態になり、自室に置いておくしかなかった。
「てか、コイツの部屋はどこよ」
中庭を中心としたロの字のアパート。変わった構造だが外国ではありそうではある。
「あら、キュームさん。グー子の体に……?」
大家の馬耀に見つかり、ギョッとしたが仕方なくハルガスミにやられたのを打ち明けた。
「ハルガスミさんは規律に厳しいですからね。禁忌を破ったのが許せなかったのでしょう」
「……でも私、あんまり関係ないような」
「グー子が一番嫌う方法をとったのですよ。ふふっ、ハルガスミさんらしいです」
「えー」
強者の余裕なのか、のほほんとしているのか。彼女は穏やかな笑顔を浮かべる。
「馬耀さん、どうにかしてくださいっ」
「明日になったら直っていますのでそこまで心配しなくてもいいですよ。それに魂の持ち主が身体にいるのですから、回路はいつもより安定しているはずですし」
「は、はあ」
ウォータサーバーの麦茶をもらい、秋の虫の音にまみれる。
もう夏は終わったようだ。
「そうですね。チューニングの時期でした。グー子は壊れやすいので、そろそろ……」
「はへ?! こわれ??」
馬耀曰くラベンダー荘に来た当初、グー子は廃人同様で介護が必要だったらしい。住人たちの助け合いのおかげでここまで回復したらしいが。
「この時期になると怖い思い出が蘇るのか発狂しやすいんです。だからチューニングして、」
「ロボット?!」
「そうかもしれません」
(否定しないのか)





