グイ曰く
「力が……上手く扱えニャイ? これでは小娘以下ではにゃいかっ」
グイは自らの姿を即座に確認し、ハルガスミを睨んだ。
「何のつもりにゃ」
「グイ大先生にご教示をいただくてねえ」
「ふん……格下に教えるものにゃんてないにゃ!」
「ならばまた見張り番としてあの山に封じてしまおうかなあ。寿桃もいるし、封じ込めるのは容易いことさ」
「なっ!!」
余裕をこいていたグイにあからさまな焦りが浮かぶ。彼らがどんな関係かは不明だが、何かしら顔見知りではあるらしい。
「話は聞いていたにゃ。確かに会雲に逆らうのはリスクが高すぎで、破滅の道しかにゃいが……人間である限り会雲は手厚く保護するだろうニャア。人外にならず、会雲の操り人形になったフリをしながら――キュームが望む、村を出るの機会を模索するしかないだろう、なぁ〜」
「そんなことできるの?」
「おみゃえ次第にゃ」
なんとも大雑把な。
「会雲は何で人間に優しいの」
「無害な人間には優しくしなくてはいけない呪いだからにゃ」
呪い。
この場にいる者は皆、何か呪いにかかっている。キュームは……自分自身が何の呪いにかかったのか覚えていない。
「金の森は殺生をしてはならない。それが最初の禁忌だった……ネ」
寿桃が遊びながらも言う。「貧しさから解放と禁忌を天秤にかけ、罪に囚われた娘と兄の捻れた森。それが金の森ダヨ」





