バグの師匠
爆発音がしたのは寝室だった。一面血みどろで。世にも美しい薄茶の長髪を結いた者が肉片を見つめている。
美青年にも美女にも形容できる容姿の異様な人物。
キュームは警戒しつつも散らばった肉塊が子供のものでないのも、自然と察した。
「君たちが例の咒士かい? 肉体を持たず、隅居のみ現れるという」
「お前、水子や姑獲鳥は恐ろしいぞ。きちんとした手順でやらねば恨まれるね」
「ならば君たちも消してしまえば今世、永劫恨まれ続けるというのか。試してみたい」
「ちょ、コイツ! 殺す気?!」
キュームは謎に包まれた咒士に敵意をむき出しにする、が、グー子は動じていない。
「何年咒士やってると思ってる」
何やら指で印を作るとあっという間に、空中で漂っていた水子たちが姿を表し、ケタケタ笑う。顔が歪んでいるが見た目は皆、年はもいかぬ普通の子どもたちだった。
「この空間においてお前もコイツらと同じ存在。氷鬼でもしてやりな」
「爆破せよ、火鼠」
しかし何も起きない。むしろ周りは凍っていくばかりだ。キャハハ、と笑う水子たちが輪になって咒士を取り囲む。
「つかまえーた」
「鬼さん、もっと遊ぼう!」
「チッ。赤子の加護を利用して線引きをイジったな……撤退だ」
「師匠――げえっ、アンタら!」
駆けつけてきたのはバグだった。ギョッとすると、師匠と呼ばれた美人を見やった。
「時間が迫っていますっ! 帰りましょう」
「ああ……次会った時は許さないからな」
彼らはぐにゃあ〜〜と、歪んだと思えば隅居から消えてしまった。残された子たちはキョトンとしたが、すぐにこちらへ駆け寄ってきくる。
「おねーさんたち遊ぼう! 遊ぼう!」
「ワタシたちが住んでいる村なら仲間がたくさんいるね。ついてくるか?」
「わーいっ」
(えっ、あのクソガキにイジメられたりしない?)
ふいに病院が実家の悪ガキが浮かんだが、子どもたちだけで遊ぶならば安全だろう。それにアルビノの子もいる。
「車尾は子供に弱いね。というか、怖がるから大丈夫ね」
「思考を読まないでくださいます?」





