キュームの家庭事情♡
『無も知らない愛人さんへ♡
私です。貴方のダーリンの娘、キュームです! 喫茶店に呼び出された際に、愛人さんへ一目惚れしてしまいました。
愛人さんは名前を教えてくれませんでしたが、毎日毎日思い出しては血で名前を予想していましたよ♡
貴方は家族が邪魔だと仰っていましたね♡なので! 私が始末しておきました!
それと貴方がダーリンと言っていた邪魔者もきちんと始末しておきましたよ?
これで二人っきりになれますね。だって愛人さん、私がくれたジュース飲んでくれましたよね?
あれは微力に毒が入っていて、判断力を鈍らせるんです♡恋の媚薬です♡
二人きりで会いましょう!
キュームより』
「ひっ!」
愛人――南志見は郵便受けに入っていた手紙を床に放り投げた。
確か夜中に愛人として付き合っていた男性から電話がかかってきたが、何を言っているか分からずドアを叩いたが返事がなかったので――
記憶が曖昧だ。
普通の和気あいあいとした家庭だと彼は言っていた。奥さんと娘と弟――不倫相手にしては申し分ない人だった。
だが、この手紙はなんだ?
テレビをつけると自分自身の背格好だと思わしき姿が防犯カメラに映っている。
「一緒になる気になりましたか」
耳元であの、喫茶店で牽制したはずの不倫相手の娘の声がした。 「ナサミさん♡」
「ぎいやああああ!!!!」
5階建てのベランダへ反射的に駆け込み、ニコニコと笑っているキュームと――陰気くさい謎の髪の毛お化けをみてしまった。
「ひ、ヒィッ!! や、やめて! わ、わたしは」
「ナサミさん、私はダーリンになれますよ! ね!」
駆け寄ってきた拍子に脊髄反射で愛人は柵から身を乗り出し、落下した。目が合う。
なぜ?
と言いいたげな表情をしていた。ああ、不倫なんて火遊びするんじゃなかっt
「あーあ。死んじゃったね。どうする?」
「……なんでだろう。皆、こうなっちゃうんだよなあっ。チッ」
「復讐したかった訳じゃなかったね? そう。変な女だ」
グー子は三編みを自由自在に動かすと手紙と、愛人が使っていたブラシとリップを食べさせた。
「ブラックマジックアイテムがまた揃った。よろこばしいこっちゃ」
キュームちゃん……




