主との信頼関係
「式神ってあの、漫画とかに出てくる?」
「そうです。我々、咒士が使うのは紙ですが、雑に言うと紙吹雪で目くらましをする際に使います」
「え、え〜〜……」
妖怪やらを召喚して、などというファンタジーとは異なるようだ。
「グー子さん、式神を操ってみてください。いつもならばら撒いているだけでしょう」
「ば、ばら撒いているつもりはないんだが。仕方あるまい……式神よ、舞え!」
指を鳴らした瞬間、どこからか人の形をした紙が舞い、渦を形成した。
「初めてにしては上出来です。どうやらキュームさんは逸材のようですね」
「ワタシが天才なだけだ」
式神は自由自在に群れをなした後、サァッと塵になり消えてしまった。キュームにしてみれば眼前で起きていること全てがあり得ないのだが……。
「回路の接続を切りましょう。できますか? キュームさん」
「どうすればいいですか、いきなり切ったらまたグー子が倒れたりしちゃいます?」
「ええ」
互いに目を合わせ、合図をして回路の繋がりを断つイメージをする。浮遊感がしたのち、少し脱力してしまった。
あちらもそうなのか、気怠げそうに三つ編みを揺らしている。
「火力が上がるのは確認できたが、いちいち体力が奪われるのは困ったものだ。カヂはどうしてるね」
「生き人形との歩幅がキッチリと合わない限りは齟齬により、お互いのエネルギーの奪い合いになってしまいますから。貴方にできるとは思いませんが、キュームさんとの親密な信頼関係を築くことです」
カヂとエスには薄暗い過去がありそうな雰囲気がしていたが、やはり切っては切れぬ何かが2人を繋ぎ合わせているのだろうか。
やはり幅です、の人物?
「親密な信頼関係か〜〜……難しそう」
キューム自身もこれまで他人へ信頼をよせてこなかったため、ううむと唸る。
「村の時間は無駄にありますから、ゆっくりしていってください」





