カヂさんによる特訓
どぶろく祭りは頂けないものだった。
謎の色味をした酒を皆で飲み明かす――のだが、ラベンダー荘の住人は抵抗感がないのか普通に語らいながらジョッキグラスで飲んでいたが……。
藻か青汁でないか?
どぶろくというより、ドブだ。飲んでみたが、長く味わいたくなくて無理やり押し込んだ。
急性アルコール中毒になったらしく、そのまま部屋に担ぎ込まれたという。
(アレを定期的に飲まなきゃいけないのか……)
翌朝、憂鬱に爆音のミンミンゼミを聞きながらため息をつく。ご生憎、二日酔いはしなかった――本当にドブだったのかもしれない――ので、ボンヤリしていると。
「キュームさん、お水をお持ちしました」
「カヂさん。ありがとうございます。すいません、昨日は」
カヂがペットボトルの水を手に訪ねてきた。
「酒がないのでしょうがないのですよ、この村は。ちなみにあれは村にしか生息していない葛の葉から作ったのでドブではないですよ」
「は、はぁ……」
水を飲んでいると、グー子がズカズカとやってきた。
「体調が良いならレッスンをするね。癪だがカヂから下僕との繋がりを使うレッスンを教わるのだ」
「えー……すいません、カヂさん。このバカが」
「主をバカ呼ばわりだと?! 殴るぞ!」
「特に否定はしませんよ。なるべく涼しい場所で特訓しましょう」
この日を遮る物がない村で涼しい場所? ――廃墟化した病院だろうか?
「山に茶々良洞窟という場所がありましてね。そこなら叫んだり破壊してもとやかくいわれないでしょ」
「へー」
4人そろって、例の茶々良洞窟へ向かう。山肌にできた天然の洞窟らしく、たまにカヂ自身も特訓の場として使用しているそうだ。
山には首のないクマや浮遊した鹿が自由そうに徘徊していた。こちらへ敵意はなく、ただ何も考えていなそうだった。
「見たことのない植物がたくさんあるンですねー」
「村特有の生態系が生まれているのです」
ラフレシアらしき生物? がノシノシとあるいていくのを横目に、キュームは木に生えた毒キノコが気になった。
「すごい、まさに毒キノコって感じ!」
「それは食べると身体が良くなって一ヶ月は動きまわれる、動きまわれ茸です」
(なんだその名前……)





